貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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5233 太平洋セメント

東証P
3,698.0円
前日比
+132.0
+3.70%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.6 0.68 2.16 24.36
時価総額 4,371億円
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【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 活路は米国の住宅関連銘柄にあり!

「活路は米国の住宅関連銘柄にあり!」

●東京市場の再浮上はあるか?

 週末の日経平均株価は一時プラスに浮上する場面もあったが、終えてみると202円安だった。下げ止まりの兆しさえみられぬまま、5月末の水準まで逆戻りしてしまった。営業日数でわずか10日ほど前の7月11日には、4万2426円の史上最高値をつけたばかりだというのに、いまはおよそ4800円も下げてしまっている。

 正直、「これはなんなんだ」と言いたくもなるが、結果は覆せない。ここはもう再起を待つほかないが、それにしても短期間にこんなに下げて戻れるのか? 戻れると見てよい。7月11日までの株高は、昨年11月から始まっている。米国市場が回復に転じたのを受けて東京市場も連れ高した形だが、それまで軟調な展開を続けてきた相場が本格回復に転じた場合、それが8カ月ほどで終わってしまうことはまず考えられない。

 しかも、米国市場ではこれから金利は下がる方向にある。年内に少なくとも1回、もしかすると2回もなくはない状況だ。そればかりではない。金利は来年も1~2回の引き下げが想定される。株式市場は中長期の観点からは、金利動向によって上下する。市場の勢いが強ければ、金利の上昇局面でも株価が上がることはあるが、金利の下降局面では株価は上昇するのが常だ。

 現在の下げの背景には、たまたま日米ともに四半期決算の発表が本格的に始まることで、まず米国市場でテック企業を中心に警戒売りが先行してしまったことがある。前四半期が驚くほどの増収増益だったため、今四半期はさすがに減速するのではないか、と不安になっているのだ。国内ではそれに円高が加わっている。想定以上のスピードで円高が進んでしまい、自動車やハイテク、機械、精密など東京市場を牽引してきた主力株群が総売りとなっている。

 私は投資の観点からは円高はまずいという考えなので、早く円安に戻って欲しいものだが、日銀が月末の政策会合で金利を引き上げたり、近い将来の実施を示唆したりすると、さらなる円高もあり得るため、ここは引き続き円高警戒を怠らないようにしたい。(植田日銀総裁も円高による株安を考慮し、金利の引き上げを急がない姿勢を見せてくれるとありがたいのだが……)。

●住友林業、大和ハウス、積水ハウスの3銘柄に注目

 こんな状況での投資は、意外なところに活路がある。それはどこか。米国の住宅業界だ。

 いまはっきりしているのは、

・米国が利下げ方向にある
・日本は逆に上げるかもしれない

 以上になる。そして、これらは米国で誰が大統領になったとしても変わらない。トランプ氏が選ばれたら、これに減税が加わることになる。しかし、トランプ氏の再選については、「もしトラ」が「ほぼトラ」になり、「確トラ」まで進んだものの、いまはハリス副大統領の出馬で「もしトラ」に逆戻りしていると考えてよい。

 こうなると、株式市場の動向を決めるのは、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策次第となるため、ここで選ぶべきは米国の住宅関連銘柄となる。米国の住宅需要は昨年までは金利の上昇により落ち込んでいた。それどころか住宅ローンの返済が滞る人も多く、差し押さえが問題になるほどだった。

 しかし、今年になって住宅金利が高止まりし、これ以上は上がらないと分かると、新築住宅の需要は次第に盛り返しつつある。そんな状況で今後、実際に金利が下がるとなると、さらに需要は膨らむ。こう見るのが自然だ。

 そこで、注目は次の3銘柄になる。住友林業 <1911> [東証P]、大和ハウス工業 <1925> [東証P]、積水ハウス <1928> [東証P]だ。なぜ、これらを米国の住宅建設関連とみなすのか。もちろん、米国で住宅建設を手掛けていることになるが、特にそれが際立つのが住友林業だ。3社とも揃って米国外での住宅事業にも力を入れている。しかし、米国がメインであり、住友林業に至っては米国での戸建て住宅建設が経営の柱となり、国内よりも高収益になっているほどだ。

 この状況は当面変わらないと見てよく、住友林業株は急騰後に失速したタイミングでもあり、狙いどころにあるように見える。ただ、3社の中で住友林業は最も株価が高い。資金的な手掛けやすさを考えると、大和ハウスや積水ハウスでも構わない。これらも米国で住宅事業を行っているのだから、株はいずれも上昇する確率が高い。最低取得単価は高い順から住友林業、大和ハウス、積水ハウスとなる。

 米国での建設業界向け販売に強い企業としては、太平洋セメント <5233> [東証P]がある。国内首位の実績を背景に米国での事業拡大に積極的であり、株価はこのような点を好感し、緩やかに浮上を続けていたが、先週は全般市場の急落を受けてさすがに下げた。滅多に下げない銘柄なので、この調整は魅力的に見える。

 最後に、米国の建設事業から目を転じ、大塚ホールディングス <4578> [東証P]を。昨年の今頃は、私は新型コロナに感染し、数日何も食べられなかった。しかし、水分は摂らねばならないので飲み続けたのが「ポカリスエット」だった。私には「命の水」のように思えたが、いま再びコロナの感染者が増えているという。「ポカリスエット」が感染された方の助けになるに違いなく、大塚HDとなる。

2024年7月26日 記

株探ニュース

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