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SBGは「おかしい」、三井E&Sは「どじょう」で、どちらも1000万円の技
すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 都市伝説ディーラーbig headさんの場合-最終回
■都市伝説ディーラーbig headさん(ハンドルネーム・40代・男性)のプロフィール:
証券会社で通算15年ほどディーラー経験を積み、現在は転職先の会社を早期退職して専業投資家に転身。ディーラー時代に成功報酬として得た給与を合わせて現在の運用資産は十数億円にのぼる。業績好調銘柄、IPOやTOB株、爆騰株等の株価の動きからチャンスを見出し、買いと売りを織り交ぜながら多様な技を使いこなす。リスクを持ち越さないため、短期売買を主流とするやり方が負けを少なくし、Y証券在籍の12年間では、月間ベースの勝率9割と好成績が光る。「株探-個人投資家大調査-2024」の回答者で、投資スタイルは「イベント・カタリスト重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
・「本コラム」の記事一覧を見る
第1回「これぞ、すご技! さくらネットを3月天井で空売りした勝率9割の技」を読む
前回の記事で触れたさくらインターネット<3778>での空売りは、都市伝説ディーラーbig headさん(ハンドルネーム、以下、ビッグヘッドさん)の数ある勝ち技の1つだ。
どの技も中核は、需給に注目し短期で稼ぐパターンだ。その柱とするのが次の2つ、
1つは、「間違い探し」
もう1つは、「二匹目のどじょう」
――戦略となる。これらは、どのようなものなのか。
今年1月には航空電子で2300万円、2月にはSBGで1000万円
1つ目の「間違い探し」は、相場に生じた「歪み」や「矛盾」「間違い」をいち早く見つけ、それが是正される過程を狙う戦略だ。
さくらネットでは、まず短期間であまりにも株価水準が切り上がった状況に「歪み」や「矛盾」を見た。かつ、同じ動きをしてきた2つの銘柄が、わずかな時間差とはいえ違う動きをし始めたことに「間違い」を感じたのだ。
これと同じ気づきで今年にリターンを生んだのが次の2社。1つは、1月に買い出動したNEC<6701>系列のコネクター大手である日本航空電子工業<6807>、もう1つは2月初めのソフトバンクグループ<9984>になる。これらのケースでは、「買い」で仕掛け、航空電子では2300万円、SBGでは1000万円のリターンを稼いだ。
まず2月のSBG<9984>から見ていくことにする。同社株に買い出動したのは生成AI関連株でありながら、他の関連株と比べると大きく出遅れているという「歪み」ないし「間違い」に気付いたからだ。
生成AIにブームに火がつき始めた2022年秋からのSBGの株価パフォーマンスは、日経平均並みに留まってきた。これは、アドバンテスト<6857>など、生成AIをテーマに株価が動意づいた半導体関連と比べて、半分以下の水準だ。
■SBGとアドテストと日経平均のパフォーマンス比較(日足)
注:0%=22年11月1日
SBGは蚊帳の外、それは間違っている
この状況に、ビッグヘッドさんは違和感を覚えた。SBGの「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」で、主たる構成銘柄にAI関連のアーム・ホールディングス<ARM>が組み込まれている。でありながら、生成AIブームに「SBGが取り残されるのはおかしい」と感じたのだ。
それを基にビッグヘッドさんは、2月8日にSBGが好決算を発表し、同日に米国で好決算を材料にアーム株が上昇したのを見届けると、早速SBG買いに出る。
加えて、SBGの第3四半期決算では、同社の保有株式の23年12月末のNAV(ネットアセットバリュー、時価純資産)は19.2兆円との公表もあり、これも有力な買い材料とした。
同時期のSBGの時価総額は9.2兆円で、NAV の半分にも満たない水準だ。保有株の価値に対して、SBG自身の株価は低すぎる。
ビッグヘッドさんは、この間違いもいずれ修正に向かうと考えていた。その判断は奏功し、SBG株は3月に向けて上昇を続け、ビッグヘッドさんにリターンをもたらすことになった。
SBGに買い出動する前の今年1月にトレードした航空電子<6807>では、あるニュースに注目した。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)
イラスト:福島由恵
証券会社で通算15年ほどディーラー経験を積み、現在は転職先の会社を早期退職して専業投資家に転身。ディーラー時代に成功報酬として得た給与を合わせて現在の運用資産は十数億円にのぼる。業績好調銘柄、IPOやTOB株、爆騰株等の株価の動きからチャンスを見出し、買いと売りを織り交ぜながら多様な技を使いこなす。リスクを持ち越さないため、短期売買を主流とするやり方が負けを少なくし、Y証券在籍の12年間では、月間ベースの勝率9割と好成績が光る。「株探-個人投資家大調査-2024」の回答者で、投資スタイルは「イベント・カタリスト重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
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第1回「これぞ、すご技! さくらネットを3月天井で空売りした勝率9割の技」を読む
前回の記事で触れたさくらインターネット<3778>での空売りは、都市伝説ディーラーbig headさん(ハンドルネーム、以下、ビッグヘッドさん)の数ある勝ち技の1つだ。
どの技も中核は、需給に注目し短期で稼ぐパターンだ。その柱とするのが次の2つ、
1つは、「間違い探し」
もう1つは、「二匹目のどじょう」
――戦略となる。これらは、どのようなものなのか。
今年1月には航空電子で2300万円、2月にはSBGで1000万円
1つ目の「間違い探し」は、相場に生じた「歪み」や「矛盾」「間違い」をいち早く見つけ、それが是正される過程を狙う戦略だ。
さくらネットでは、まず短期間であまりにも株価水準が切り上がった状況に「歪み」や「矛盾」を見た。かつ、同じ動きをしてきた2つの銘柄が、わずかな時間差とはいえ違う動きをし始めたことに「間違い」を感じたのだ。
これと同じ気づきで今年にリターンを生んだのが次の2社。1つは、1月に買い出動したNEC<6701>系列のコネクター大手である日本航空電子工業<6807>、もう1つは2月初めのソフトバンクグループ<9984>になる。これらのケースでは、「買い」で仕掛け、航空電子では2300万円、SBGでは1000万円のリターンを稼いだ。
まず2月のSBG<9984>から見ていくことにする。同社株に買い出動したのは生成AI関連株でありながら、他の関連株と比べると大きく出遅れているという「歪み」ないし「間違い」に気付いたからだ。
生成AIにブームに火がつき始めた2022年秋からのSBGの株価パフォーマンスは、日経平均並みに留まってきた。これは、アドバンテスト<6857>など、生成AIをテーマに株価が動意づいた半導体関連と比べて、半分以下の水準だ。
■SBGとアドテストと日経平均のパフォーマンス比較(日足)
注:0%=22年11月1日
SBGは蚊帳の外、それは間違っている
この状況に、ビッグヘッドさんは違和感を覚えた。SBGの「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」で、主たる構成銘柄にAI関連のアーム・ホールディングス<ARM>が組み込まれている。でありながら、生成AIブームに「SBGが取り残されるのはおかしい」と感じたのだ。
それを基にビッグヘッドさんは、2月8日にSBGが好決算を発表し、同日に米国で好決算を材料にアーム株が上昇したのを見届けると、早速SBG買いに出る。
加えて、SBGの第3四半期決算では、同社の保有株式の23年12月末のNAV(ネットアセットバリュー、時価純資産)は19.2兆円との公表もあり、これも有力な買い材料とした。
同時期のSBGの時価総額は9.2兆円で、NAV の半分にも満たない水準だ。保有株の価値に対して、SBG自身の株価は低すぎる。
ビッグヘッドさんは、この間違いもいずれ修正に向かうと考えていた。その判断は奏功し、SBG株は3月に向けて上昇を続け、ビッグヘッドさんにリターンをもたらすことになった。
SBGに買い出動する前の今年1月にトレードした航空電子<6807>では、あるニュースに注目した。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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