ミアヘルサHD Research Memo(8):2025年3月期は営業利益、経常利益で2ケタ増益へ
■今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
ミアヘルサホールディングス<7129>の2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比0.8%増の22,900百万円、営業利益で同24.0%増の490百万円、経常利益で同28.3%増の480百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で290百万円(前期は5百万円の利益)を計画している。売上高、営業利益、経常利益は連続で過去最高を更新する見通しだ。また、前期に膨らんだ特別損失が減少することで親会社株主に帰属する当期純利益は急回復する見込みとなっている。四半期ベースの営業利益では、第1四半期に7百万円の損失を見込んでいるが、第2四半期以降は黒字基調に転換する。事業セグメント別では医薬事業が薬価改定等の影響により減収に転じるものの、第2の収益柱に育った子育て支援事業(旧保育事業)が増収増益となるほか、介護事業も増収効果や前期に不採算事業所を閉鎖した効果で、利益は収支均衡水準まで改善すると見ており、両事業が増益要因となる。子育て支援事業と介護事業については、2024年4月1日付でライフサポートをミアヘルサに吸収合併しており、統合による間接コストの削減効果も寄与すると見られる。
(1) 医薬事業
医薬事業は売上高で前期比2.4%減の9,080百万円、セグメント利益で同0.9%増の550百万円を見込む。出店計画は2店舗で、医療モール内薬局を予定している。2024年7月に1店舗(東京都立川市)の出店が決まっている。売上高の前提としては既存店の処方箋枚数を前期比横ばいと想定し、処方箋単価の下落が減収要因となる。2024年4月実施の薬価改定(全国平均4.67%減)の影響を織り込んだ。ただ、利益面では前期に引き続き後発医薬品調剤体制加算等の強化により、技術料の加算に努めることで利益を確保する考えだ。なお、DXの取り組みについて電子処方箋やマイナンバーカードへの対応については既に全店でシステム投資を実施し対応済みだ。
(2) 子育て支援事業
子育て支援事業は売上高で前期比1.4%増の9,290百万円、セグメント利益で同18.5%増の810百万円を見込む。拠点数は前期比横ばいの79拠点※だが、2024年4月に東京都練馬区の学童クラブの受託運営を1件開始したほか、同年9月には認可保育所「ミアヘルサ保育園ひびき 羽沢横浜国大」を駅前立地の大型複合施設内に開設する予定であり、前期に開園して保育所と併せて園児数の増加が増収要因となる。利益面では、受託学童クラブや新規開設保育園の立ち上げコストが発生するものの、2024年3月末に不採算だった認証保育園を1園閉鎖したことによる利益率改善を見込んでいる。
※従来、カウントしていなかった子育てひろばを2拠点加えている。
(3) 介護事業
介護事業は売上高で前期比7.1%増の3,560百万円、セグメント利益で0百万円(前期は131百万円の損失)を見込む。売上高は前期に開設した「ミアヘルサ メディケアオアシス流山運河」(定員61名)や既存のサービス付き高齢者住宅の入居率上昇、並びに併設事業所の稼働状況改善により増収を見込む。利益面でも、増収効果や前期に不採算事業所を閉鎖した効果などにより収支均衡水準まで改善するものと見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SO》
提供:フィスコ