今週の【早わかり株式市況】4週ぶり大幅反落、値がさ半導体株に売りがかさむ
■今週の相場ポイント
1.日経平均は4週ぶり大幅反落、急落場面再び
2.トランプ・トレード活発化、防衛株買われる
3.米国が対中規制強化、半導体セクターに売り
4.値がさ半導体下落で日本株急落、円高も逆風
5.リスクオフ続く、日経平均は4万円台の攻防に
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比1126円(2.7%)安の4万0063円と、4週ぶりに下落した。
今週は前週末の大幅安に続き、再び急落場面に遭遇した。米国の大統領選や対中政策、為替市場での円高といった不安定要素が重なり相場を押し下げた。月曜が祝日だったため通常より1日少ない4日間の立ち合いだったが、日経平均は週間で1000円超下落した。
海の日を含む3連休明け16日(火)の東京株式市場は上昇。前週末の大幅安からの反動が出たほか、日本が休場の間に米国株が上昇したことが寄与した。13日に発生したトランプ前大統領への銃撃事件を受け、同氏への支持が広がり米大統領選で勝利する可能性が高まったとの見方が浮上。トランプ氏が主張する政策を見据えた「トランプ・トレード」が活発化し、防衛関連や建機、銀行株などが買われた。17日(水)は反落。前日の米株高を引き継ぎ朝方はリスク選好ムードだったものの、買い一巡後は値を消しマイナス圏に沈んだ。米国の対中半導体規制強化の動きが伝わり、値がさの半導体関連株に売りが出たことが響いた。18日(木)は更に売りが加速。日経平均は900円を超える下げとなった。前日の米株市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が急落し、東京市場でも東京エレクトロン <8035> [東証P]やディスコ <6146> [東証P]など半導体セクターに売りがかさんだ。為替市場で1ドル=155円台まで急速に円高が進んだことも輸出セクター中心に逆風となった。19日(金)は小幅安。米ハイテク株安が続くなか引き続きリスクオフムードに。日経平均は4万円ラインを巡る攻防となり、朝安後に一時プラス圏に浮上した後、すぐに押し戻されるなど不安定な値動きが続いた。
■来週のポイント
来週は為替の動向がポイントになりそうだ。円高が急速に進んだこともあり、市場は方向性を見極められずにいる。昨年末から円安方向に大きなトレンドを描いてきたが、それが崩れるとなれば株式市場にも影響が大きい。
重要イベントとしては、国内では特に無し。海外では22日に発表される中国7月中国最優遇貸出金利、24日に発表される米国6月新築住宅販売件数、25日から開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議、25日発表の米国4-6月期GDP、26日に発表される米国6月の個人所得と個人支出に注視が必要だろう。
■日々の動き(7月16日~7月19日)
【↑】 7月16日(火)―― 反発、米株高を受け防衛関連などが買われる
日経平均 41275.08( +84.40) 売買高16億1614万株 売買代金 3兆9010億円
【↓】 7月17日(水)―― 反落、朝高も半導体株の急落が重荷に
日経平均 41097.69( -177.39) 売買高16億8632万株 売買代金 4兆4302億円
【↓】 7月18日(木)―― 大幅続落、半導体株中心にリスク回避の売り優勢
日経平均 40126.35( -971.34) 売買高17億6450万株 売買代金 4兆6658億円
【↓】 7月19日(金)―― 3日続落、米株安を受け持ち高調整の売り優勢
日経平均 40063.79( -62.56) 売買高15億3386万株 売買代金 3兆8167億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、22業種が値下がり
(2)下落率トップはSUBARU <7270> など輸送用機器。輸出株は東エレク <8035> など電機、ディスコ <6146> など機械も安い
(3)住友鉱 <5713> など非鉄、商船三井 <9104> など海運といった景気敏感株も売られた
(4)内需株はまちまち。リクルート <6098> などサービス、ソフトバンク <9434> など情報・通信が下落し、
住友林 <1911> など建設、キッコマン <2801> など食料品が上昇
(5)りそなHD <8308> など銀行、野村 <8604> など証券、クレセゾン <8253> などその他金融といった金融株が買われた
(6)上昇率トップはニッスイ <1332> など水産・農林
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(10) 円高メリット
2(4) 防衛
3(1) 半導体
4(5) 人工知能
5(2) サイバーセキュリティ
※カッコは前週の順位
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