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6485 前澤給装工業

東証S
1,337円
前日比
+18
+1.36%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.6 0.70 3.14 14.23
時価総額 287億円
比較される銘柄
KVK, 
日本ドライ, 
前沢工業

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前澤給装 Research Memo(3):ライフラインに関わる製品を提供。顧客との信頼関係に基づくブランド力が強み


■事業概要

1. 事業概要
前澤給装工業<6485>は水道用給水装置から屋内給水・給湯配管部材、床暖房部材、空調設備用製品に至るまで、ライフラインに関わる製品を提供する、給水装置のトップメーカーである。事業セグメントは、水道用給水装置を製造・販売する給水装置事業、住宅設備製品を製造・販売する住宅・建築設備事業、商品販売事業である。2024年3月期の売上高及び営業利益構成比は、給水装置事業は53.1%、69.6%、住宅・建築設備事業は38.6%、26.8%、商品販売事業は8.3%、3.5%と、給水装置事業がいずれも過半数を占める。

(1) 給水装置事業
道路に布設されている配水管(水道本管)から各家庭などに上水道を引き込むための水道用給水装置であるサドル付分水栓・止水栓・各種継手類などを製造・販売している。市場環境は、上水道のインフラ整備が一巡したことで成熟化しているうえ、近年の人口減少に伴い新設住宅着工戸数は低調に推移。ただし、高度経済成長期に布設された配水管の老朽化による更新製品や地震災害に備える耐震性の高い製品について、安定したニーズがある。同社によると、主力の給水装置事業での市場シェアは40%程度で、競合企業としては大阪府の(株)タブチ、長野県の(株)日邦バルブがあり、同社を含めた3社で市場シェア85%を占めていると言う。なお給水装置の主要原材料は銅であるが、一部ではステンレス製の製品を利用する自治体もあり、ステンレス製ではキッツ<6498>などが競合企業となる。

(2) 住宅・建築設備事業
給水装置事業の販売基盤や製造技術を生かし、屋内配管分野へ進出した事業である。上水道を屋内で使用するための給水・給湯配管部材、床暖房部材及びこれらをユニット化した配管システムなどを製造・販売している。また2021年3月期より前澤リビング・ソリューションズの床暖房事業が加わり、売上高が急増している。同事業は空調設備用製品の販売を開始するなど、非住宅物件向け市場への展開も図っており、大型ビル向けのO2カットパイプといった空調分野向け製品などでも事業拡大が期待される。

(3) 商品販売事業
上記2事業に関連する仕入商品を販売している。一部、前澤化成工業や前澤工業などの同社グループの製品も扱っているが、金額的には大きくなく、2事業のサポート的な事業と考えられる。

2. 同社の強み
同社の強みは、(1) 「ものづくり」に関する数々の独自ノウハウ、(2) 独自の生産管理システム、(3) 全国の水道事業体・管材商社・水道工事業者との信頼関係に基づくブランド力、(4) 製販一体化による顧客ニーズへの対応力にある。

(1) 「ものづくり」に関する数々の独自ノウハウ
同社の生産現場では、鋳造、加工、組立、検査、出荷、生産ラインで使用する金型まで自社で管理する一貫生産体制を敷き、品質管理を行っている。長年の経験や蓄積されたデータから得られた独自ノウハウが同社製品の競争力を支える。

(2) 独自の生産管理システム
給水装置は使用する環境や条件等で求められる性能が異なるが、同社製品はほぼ全国の水道事業体で採用されており、その数は数万点にも上る。加えて同社は、精度の高い需要予測を可能にする営業力と多品種少量生産を可能にするフレキシブルな工場稼働体制の組み合わせによる独自の生産管理システムを確立し、製品を安定供給できる体制を整えている。

(3) 全国の水道事業体・管材商社・水道工事業者との信頼関係に基づくブランド力
同社はこれまで安全性、利便性、施工性の向上を目指した給水装置の開発を行い、必要とされる製品を安定的に供給し続けることで、水道事業に携わるステークホルダーから高い信頼を得てきた。このような強固な信頼関係に基づくブランド力は同社の重要な事業基盤となっている。

(4) 製販一体化による顧客ニーズへの対応力
同社は全国に26ヶ所の営業拠点、2つの営業部を設置し、顧客ニーズを的確に捉えるとともに、製品開発から製造・供給までいち早く対応できる体制を整えている。給水装置事業では、各地域でトップシェアを獲得している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《SO》

 提供:フィスコ

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