明日の株式相場に向けて=株価3ケタの底値買い変身妙味株を探す
名実ともに7月相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比47円高の3万9631円と続伸。前週末の米国株市場はNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに反落した。この日の取引開始前に発表されたPCEデフレーターがインフレの減速を示唆し事前予想とも一致したことで、セオリー通りならFRBの早期利下げ期待が再燃という流れだったが、後半は米長期金利が再上昇しリスク選好の地合いは続かなかった。しかし、東京市場は先物主導で買いが先行、微妙な雰囲気の中で日経平均は上値を追った。一方、TOPIXが高値引けで年初来高値を更新し、1989年の年末につけた史上最高値2884.80にあと60ポイントあまりに迫った。
今週は米国で重要イベントが目白押しである。まず、日本時間今晩の6月のISM製造業景気指数が注目され、あす2日にパウエルFRB議長がECBフォーラムで発言機会がある。週央3日にはFOMCの議事要旨(6月開催分)が開示されるほか、6月のISM非製造業景気指数も発表される。そして、週末には6月の米雇用統計が控える。
一方、欧州に目を向けると週後半の4日に英国で総選挙が行われるが、与党・保守党の大苦戦が見込まれ、敗北必至との見方。これはフランスで6月末に行われた国民議会選挙(下院)の流れを継ぐ形となる。フランス下院選は大方の予想通りマリーヌ・ルペン氏率いる極右の国民連合が第一党に躍り出ることが濃厚となったばかりで、欧州では政権与党に吹く逆風が一様に強まっていることが警戒される。片や米国では前週末行われた大統領選挙のテレビ討論会で、トランプ氏優勢というよりは、バイデン氏が自ら転んだような格好となっており、こちらもトランプ大統領復活に向けたストーリーが勝手に走り出している。これらが、どういう影響をもたらすかだが、一番明らかなのはウクライナ・ロシアの紛争について、各国が足並みを揃え支援姿勢を弱めるというシナリオ。紛争が収束する方向となればウクライナは報われないが、道義的な問題は置くとして、株式市場にとってはリスクオフの巻き戻しにつながるだけに、「望外の上昇相場につながる可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。
国内では7月7日の東京都知事選に耳目が集まる。過去を振り返って現職が出馬した場合は100%再選されるとあって、今回も小池百合子都知事が勝利するとの見方が強いものの、台風の目となっている前安芸高田市長の石丸伸二氏がどこまで食い込むか。ネット上で知名度を急上昇させたが、他の候補者と比べ石丸氏が論説力や政策姿勢などで群を抜いているのは明らかに見える。仮に石丸氏が当選しなくても善戦が予想され、これは自民党にとってはネガティブだ。もっとも市場関係者は「(石丸都知事爆誕でも)自民党の岸田首相おろしが加速するだけで、株式市場が今さら政局に左右されて揺らぐ要素は乏しい」(生保系エコノミスト)とする。
きょうのマーケットではTOPIXの新高値に象徴されるように、銀行や保険などの大手金融などのバリュー株優位の構図。業種別で値上がり首位となったのは低PBR株の宝庫である「海運」だった。しかし、テーマ買い意欲も活発で、29日付トップ特集「エッジAI関連7銘柄」で紹介のザインエレクトロニクス<6769>がストップ高、ジーデップ・アドバンス<5885>も一時S高に買われるなどグロース株が弱かったということでもない。
ザインも該当するが、個別株物色は株価3ケタ台の業績好変化銘柄に化ける銘柄が相次ぐ。1000円未満の中小型株で、変身余地を内包する銘柄としてはデータセンター関連の一角であるアエリア<3758>や自動車向け成形樹脂加工の児玉化学工業<4222>、eコマースで今期利益倍増が見込めるラクーンホールディングス<3031>などもマークしたい。
あすのスケジュールでは、6月のマネタリーベースが朝方取引開始前に開示され、午前中に10年物国債の入札が予定。午後取引終了後には6月の財政資金対民間収支が発表される。また、この日は東証グロース市場にPRISM BioLab<206A>が新規上場する。海外では豪中銀の理事会の議事要旨(6月開催分)、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、5月のユーロ圏失業率のほか、米国では5月の雇用動態調査(JOLTS)にマーケットの耳目が集まる。このほか、パウエルFRB議長がECB主催の「ECBフォーラム」の討議に参加予定にあり、その発言内容に注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
今週は米国で重要イベントが目白押しである。まず、日本時間今晩の6月のISM製造業景気指数が注目され、あす2日にパウエルFRB議長がECBフォーラムで発言機会がある。週央3日にはFOMCの議事要旨(6月開催分)が開示されるほか、6月のISM非製造業景気指数も発表される。そして、週末には6月の米雇用統計が控える。
一方、欧州に目を向けると週後半の4日に英国で総選挙が行われるが、与党・保守党の大苦戦が見込まれ、敗北必至との見方。これはフランスで6月末に行われた国民議会選挙(下院)の流れを継ぐ形となる。フランス下院選は大方の予想通りマリーヌ・ルペン氏率いる極右の国民連合が第一党に躍り出ることが濃厚となったばかりで、欧州では政権与党に吹く逆風が一様に強まっていることが警戒される。片や米国では前週末行われた大統領選挙のテレビ討論会で、トランプ氏優勢というよりは、バイデン氏が自ら転んだような格好となっており、こちらもトランプ大統領復活に向けたストーリーが勝手に走り出している。これらが、どういう影響をもたらすかだが、一番明らかなのはウクライナ・ロシアの紛争について、各国が足並みを揃え支援姿勢を弱めるというシナリオ。紛争が収束する方向となればウクライナは報われないが、道義的な問題は置くとして、株式市場にとってはリスクオフの巻き戻しにつながるだけに、「望外の上昇相場につながる可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。
国内では7月7日の東京都知事選に耳目が集まる。過去を振り返って現職が出馬した場合は100%再選されるとあって、今回も小池百合子都知事が勝利するとの見方が強いものの、台風の目となっている前安芸高田市長の石丸伸二氏がどこまで食い込むか。ネット上で知名度を急上昇させたが、他の候補者と比べ石丸氏が論説力や政策姿勢などで群を抜いているのは明らかに見える。仮に石丸氏が当選しなくても善戦が予想され、これは自民党にとってはネガティブだ。もっとも市場関係者は「(石丸都知事爆誕でも)自民党の岸田首相おろしが加速するだけで、株式市場が今さら政局に左右されて揺らぐ要素は乏しい」(生保系エコノミスト)とする。
きょうのマーケットではTOPIXの新高値に象徴されるように、銀行や保険などの大手金融などのバリュー株優位の構図。業種別で値上がり首位となったのは低PBR株の宝庫である「海運」だった。しかし、テーマ買い意欲も活発で、29日付トップ特集「エッジAI関連7銘柄」で紹介のザインエレクトロニクス<6769>がストップ高、ジーデップ・アドバンス<5885>も一時S高に買われるなどグロース株が弱かったということでもない。
ザインも該当するが、個別株物色は株価3ケタ台の業績好変化銘柄に化ける銘柄が相次ぐ。1000円未満の中小型株で、変身余地を内包する銘柄としてはデータセンター関連の一角であるアエリア<3758>や自動車向け成形樹脂加工の児玉化学工業<4222>、eコマースで今期利益倍増が見込めるラクーンホールディングス<3031>などもマークしたい。
あすのスケジュールでは、6月のマネタリーベースが朝方取引開始前に開示され、午前中に10年物国債の入札が予定。午後取引終了後には6月の財政資金対民間収支が発表される。また、この日は東証グロース市場にPRISM BioLab<206A>が新規上場する。海外では豪中銀の理事会の議事要旨(6月開催分)、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、5月のユーロ圏失業率のほか、米国では5月の雇用動態調査(JOLTS)にマーケットの耳目が集まる。このほか、パウエルFRB議長がECB主催の「ECBフォーラム」の討議に参加予定にあり、その発言内容に注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS