新興市場見通し:グロース250指数は75日線の攻防、引き続きバイオ関連が物色の柱に
■6月月間ベースで反発基調が鮮明
今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+2.56%だったのに対して、グロース市場指数は+3.43%、グロース市場250指数は+3.65%と新興市場優勢の地合いとなった。サンバイオ<4592>が4連続ストップ高となるなどバイオ株が総じて買われたことや時価総額が大きい主力株もしっかりだったことで、6月27日までグロース市場指数は6日続伸、グロース市場250指数は4日続伸と強い動き。週末こそ、利益確定の流れが強まったものの、6月月間ベースでは、グロース市場指数は+6.93%、グロース市場250指数は+6.91%と反発基調が鮮明となった。
時価総額上位銘柄では、新たなM&Aを発表したGENDA<9166>が4日続伸。シーユーシー<9158>が上場来安値圏からの反発を見せた。また、インテグラル<5842>は強い上昇が継続しており連日で上場来高値を更新。また、週末こそ反落となったが、ウェルスナビ<7342>も5月30日の年初来安値からの反発が続いた。一方、アストロスケールHD<186A>、QPS研究所<5595>は反発基調を強めているが、ispace<9348>はさえないなど宇宙関連銘柄はまちまちとなった。
このほか、直近の新規株式公開(IPO)銘柄であるPostPrime<198A>は初値形成後も強い動きを続け、週間ベースではサンバイオに次ぐ上昇率となった。一方、23年12月期有価証券報告書が期限内に提出できなかったENECHANGE<4169>は週末ストップ安となった。
なお、27日にグロース市場に上場した豆蔵デジタルホールディングス<202A>の初値は公開価格を1.4%上回る1348円。28日にグロース市場に上場したロゴスホールディングス<205A>の初値は公開価格と同じ2290円となった。初値形成後、豆蔵デジタルHDは買われた一方、ロゴスHDは売られる展開となった。
■物色の柱はバイオ関連、IPOは1社
来週の新興市場は、ここまでの反発に対する利益確定売りが先行しそうだが、投資家マインドの改善を背景にしっかりの展開を想定する。グロース市場250指数は75日移動平均線突破を試す展開を迎えている。6月27日は4月1日以来となる終値ベースで75日移動平均線を上回ったが、週末、この水準を割り込んだ。25日移動平均線がしっかりと上向きに転じていることから、来週は一段上の200日移動平均線が位置する690ポイントを狙いところだ。
物色の柱となるのは、6月中旬以降、投資家の関心を集めているサンバイオやクオリプス<4894>などバイオ関連だろう。週末にラクオリア創薬<4579>が急落するなど、バイオ関連は乱高下しやすいが引き続き関心は高い。来週は7月2日に、独自の創薬基盤を用いた新規医薬品の開発などを手掛けるPRISM BioLab<206A>がグロース市場に上場することから、バイオ関連の刺激材料となろう。ここ最近のIPOは、PostPrimeのように初値が伸びなくても、初値形成後に強い動きを見せるケースが多いのでセカンダリーにも注目したい。
また、時価総額の大きい銘柄では、インテグラルが新値追いの強い動きを見せていることで注目するほか、GENDAも上場来高値(1995円、分割考慮後)を捉えてくると需給面を材料視した買いが期待できよう。
《FA》
提供:フィスコ