最高益【復活】銘柄リスト〔第1弾〕28社選出 <成長株特集>
本特集では、25年3月期に数年ぶりに最高益更新を見込む“復活銘柄”にスポットライトを当てた。今回は時価総額1000億円以上の企業(銀行を除く)を対象に、25年3月期に経常利益が2期以上ぶりに過去最高益を更新する見通しを示している28社を選び出し、今期の増益率が大きい順に記した。
増益率トップとなったのは、川崎重工業 <7012> [東証P]。25年3月期の税引き前利益は前期比3.4倍の1100億円に急拡大し、国際会計基準ベースで2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。航空宇宙システム部門で防衛省や米ボーイング<BA>向けの需要が伸びるほか、前期に発生した民間航空エンジン「PW1100G-JM」の運航上の問題に係る損失がなくなる。また、パワースポーツ&エンジン部門ではメキシコ工場の稼働でオフロード四輪車の販売が拡大する計画だ。株価は5月28日に約8年11ヵ月ぶりの高値6212円をつけている。
2位にリスト入りしたデータセンター運営大手のさくらインターネット <3778> [東証P]は、前期の第4四半期から提供を開始した生成AI向けGPUクラウドサービスの稼働が本格化し、今期の経常利益は前期比2.6倍の19.6億円と14期ぶりの最高益更新を目指す。
4位のツムラ <4540> [東証P]は国内で医療用漢方製剤の販売が増加するほか、薬価改定に伴う販売金額の上昇が強力な追い風となる。また、中国事業では収益性を重視した規模拡大を通じて生薬プラットフォームの営業利益率が向上し、今期は経常利益ベースで3期ぶりの最高益更新を見込む。また、配当を136円(前期比51円増)に大幅増配する方針を示したことも好感され、株価は5月10日に約6年半ぶりの高値4392円まで上値を伸ばした。
8位に入った太平洋セメント <5233> [東証P]の今期業績は経常利益が前期比40.4%増の835億円に拡大し、11期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。輸入石炭などの価格低下で国内の採算が改善するほか、値上げ効果やコスト削減によって米国を中心とする海外子会社の収益も伸びる。また、減価償却方法の変更に伴い、減価償却費が減少することも大幅増益につながる。好決算を背景に株価は約6年ぶりの高値圏を快走する展開となっている。
9位には半導体製造関連装置大手のTOWA <6315> [東証P]がリスト入りした。今期は生成AI関連向け投資や中国での半導体内製化に向けた投資が継続する中、コンプレッション装置などの販売が伸び、経常利益は前期比38.8%増の126億円と3期ぶりの過去最高益を狙う。株価は5月23日に上場来高値1万4560円まで上昇する場面があった。
11位のダイダン <1980> [東証P]は空調・電気・水道衛生工事に強みを持つ総合設備大手。今期は大型の半導体工場や車載用電池工場からの受注が好調に推移する中、豊富な繰越工事を背景に完成工事高が大幅に増加し、経常利益は前期比28.4%増の153億円と実に31期ぶりに最高益を更新する計画だ。併せて、配当性向40%以上かつ純資産配当率(DOE)4%を下限とする方針を示し、今期配当は104円と前期の株式分割を考慮した実質ベースで37.7%増配を見込む。生成AI市場の急拡大を契機に人気が高まるデータセンター関連としての注目度も高く、株価は約32年半ぶりの高値圏に急浮上している。
同じくデータセンター関連として脚光を浴びる17位の住友電設 <1949> [東証P]は上場来高値圏で頑強な動きとなっている。今期は電力会社向け案件や電炉案件、再生エネルギー案件の大型工事などが進捗し、売上高、経常利益ともに過去最高を更新する見通しだ。好調な業績を踏まえ、配当は114円(前期比8円増)と14期連続増配の方針としたことも評価材料となっている。このほか、26位の日立製作所 <6501> [東証P]、28位のイエローハット <9882> [東証P]も青空圏を舞う展開にある。
┌─── 経常利益 ───┐ 最高益 予想
コード 銘柄名 増益率 25年3月期 24年3月期 間隔期数 PER
<7012> 川重 244 110000 31980 2 11.9 *
<3778> さくらネット 157 1960 764 14 128
<6902> デンソー 77.0 772000 436237 2 13.4 *
<4540> ツムラ 68.1 39500 23493 3 10.8
<6448> ブラザー 67.5 88000 52523 3 11.2 *
<4887> サワイGHD 48.9 27200 18262 5 8.3 *
<8086> ニプロ 41.5 27600 19509 3 12.7
<5233> 太平洋セメ 40.4 83500 59472 11 7.5
<6315> TOWA 38.8 12600 9079 3 31.8
<6981> 村田製 30.7 313000 239404 2 26.8 *
<1980> ダイダン 28.4 15300 11918 31 12.1
<2767> 円谷フィHD 24.4 16100 12947 14 8.6
<3110> 日東紡 23.1 12000 9752 18 27.9
<1973> NESIC 17.5 29000 24684 4 19.4
<9663> ナガワ 16.3 5400 4643 3 34.1
<7220> 武蔵精密 12.5 17500 15560 7 11.4
<1949> 住友電設 11.1 15000 13502 2 13.4
<6367> ダイキン 10.0 390000 354492 2 25.2
<1332> ニッスイ 9.5 35000 31963 3 10.9
<9347> 日本管財HD 9.4 9000 8225 2 16.3
<2371> カカクコム 8.7 28400 26122 5 21.0 *
<7518> ネットワン 8.6 20800 19151 2 15.1
<6787> メイコー 5.1 15000 14267 3 15.5
<2810> ハウス食G 4.3 22000 21085 3 20.9
<3167> TOKAI 3.0 16000 15531 3 14.0
<6501> 日立 2.9 850000 825801 4 26.3 *
<2127> 日本M&A 2.9 17000 16518 3 23.5
<9882> イエロハット 2.7 16400 15964 2 9.7
※経常利益の単位は百万円。
※最高益間隔期数は同一会計基準における期数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
増益率トップとなったのは、川崎重工業 <7012> [東証P]。25年3月期の税引き前利益は前期比3.4倍の1100億円に急拡大し、国際会計基準ベースで2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。航空宇宙システム部門で防衛省や米ボーイング<BA>向けの需要が伸びるほか、前期に発生した民間航空エンジン「PW1100G-JM」の運航上の問題に係る損失がなくなる。また、パワースポーツ&エンジン部門ではメキシコ工場の稼働でオフロード四輪車の販売が拡大する計画だ。株価は5月28日に約8年11ヵ月ぶりの高値6212円をつけている。
2位にリスト入りしたデータセンター運営大手のさくらインターネット <3778> [東証P]は、前期の第4四半期から提供を開始した生成AI向けGPUクラウドサービスの稼働が本格化し、今期の経常利益は前期比2.6倍の19.6億円と14期ぶりの最高益更新を目指す。
4位のツムラ <4540> [東証P]は国内で医療用漢方製剤の販売が増加するほか、薬価改定に伴う販売金額の上昇が強力な追い風となる。また、中国事業では収益性を重視した規模拡大を通じて生薬プラットフォームの営業利益率が向上し、今期は経常利益ベースで3期ぶりの最高益更新を見込む。また、配当を136円(前期比51円増)に大幅増配する方針を示したことも好感され、株価は5月10日に約6年半ぶりの高値4392円まで上値を伸ばした。
8位に入った太平洋セメント <5233> [東証P]の今期業績は経常利益が前期比40.4%増の835億円に拡大し、11期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。輸入石炭などの価格低下で国内の採算が改善するほか、値上げ効果やコスト削減によって米国を中心とする海外子会社の収益も伸びる。また、減価償却方法の変更に伴い、減価償却費が減少することも大幅増益につながる。好決算を背景に株価は約6年ぶりの高値圏を快走する展開となっている。
9位には半導体製造関連装置大手のTOWA <6315> [東証P]がリスト入りした。今期は生成AI関連向け投資や中国での半導体内製化に向けた投資が継続する中、コンプレッション装置などの販売が伸び、経常利益は前期比38.8%増の126億円と3期ぶりの過去最高益を狙う。株価は5月23日に上場来高値1万4560円まで上昇する場面があった。
11位のダイダン <1980> [東証P]は空調・電気・水道衛生工事に強みを持つ総合設備大手。今期は大型の半導体工場や車載用電池工場からの受注が好調に推移する中、豊富な繰越工事を背景に完成工事高が大幅に増加し、経常利益は前期比28.4%増の153億円と実に31期ぶりに最高益を更新する計画だ。併せて、配当性向40%以上かつ純資産配当率(DOE)4%を下限とする方針を示し、今期配当は104円と前期の株式分割を考慮した実質ベースで37.7%増配を見込む。生成AI市場の急拡大を契機に人気が高まるデータセンター関連としての注目度も高く、株価は約32年半ぶりの高値圏に急浮上している。
同じくデータセンター関連として脚光を浴びる17位の住友電設 <1949> [東証P]は上場来高値圏で頑強な動きとなっている。今期は電力会社向け案件や電炉案件、再生エネルギー案件の大型工事などが進捗し、売上高、経常利益ともに過去最高を更新する見通しだ。好調な業績を踏まえ、配当は114円(前期比8円増)と14期連続増配の方針としたことも評価材料となっている。このほか、26位の日立製作所 <6501> [東証P]、28位のイエローハット <9882> [東証P]も青空圏を舞う展開にある。
┌─── 経常利益 ───┐ 最高益 予想
コード 銘柄名 増益率 25年3月期 24年3月期 間隔期数 PER
<7012> 川重 244 110000 31980 2 11.9 *
<3778> さくらネット 157 1960 764 14 128
<6902> デンソー 77.0 772000 436237 2 13.4 *
<4540> ツムラ 68.1 39500 23493 3 10.8
<6448> ブラザー 67.5 88000 52523 3 11.2 *
<4887> サワイGHD 48.9 27200 18262 5 8.3 *
<8086> ニプロ 41.5 27600 19509 3 12.7
<5233> 太平洋セメ 40.4 83500 59472 11 7.5
<6315> TOWA 38.8 12600 9079 3 31.8
<6981> 村田製 30.7 313000 239404 2 26.8 *
<1980> ダイダン 28.4 15300 11918 31 12.1
<2767> 円谷フィHD 24.4 16100 12947 14 8.6
<3110> 日東紡 23.1 12000 9752 18 27.9
<1973> NESIC 17.5 29000 24684 4 19.4
<9663> ナガワ 16.3 5400 4643 3 34.1
<7220> 武蔵精密 12.5 17500 15560 7 11.4
<1949> 住友電設 11.1 15000 13502 2 13.4
<6367> ダイキン 10.0 390000 354492 2 25.2
<1332> ニッスイ 9.5 35000 31963 3 10.9
<9347> 日本管財HD 9.4 9000 8225 2 16.3
<2371> カカクコム 8.7 28400 26122 5 21.0 *
<7518> ネットワン 8.6 20800 19151 2 15.1
<6787> メイコー 5.1 15000 14267 3 15.5
<2810> ハウス食G 4.3 22000 21085 3 20.9
<3167> TOKAI 3.0 16000 15531 3 14.0
<6501> 日立 2.9 850000 825801 4 26.3 *
<2127> 日本M&A 2.9 17000 16518 3 23.5
<9882> イエロハット 2.7 16400 15964 2 9.7
※経常利益の単位は百万円。
※最高益間隔期数は同一会計基準における期数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース