本日の注目個別銘柄:FPパートナー、伊勢化、藤田観など
<4911> 資生堂 4681 -234
大幅続落。コンサルタント会社のベインでは昨日、今年の個人向け高級品の全世界での売上高見通しが、前年比0-4%増になるとの見通しを発表している。2020年以来の低調な伸びとなる見通しのようだ。減速が最も顕著なのは中国とし、高級品を購入可能な層も積極的な購買を控えていると指摘している。同社など化粧品各社にとっては、中国人の消費減退の影響に対する懸念が先行。ポーラオルビス、コーセーなども低調推移に。
<1419> タマホーム 3980 +170
大幅続伸。前日に24年5月期の業績下方修正を発表している。営業利益は従来予想の141億円から125億円、前期比5.8%減と一転減益に転じたもよう。注文住宅事業において、長引く市況低迷の影響を受けて引渡棟数が計画を下振れたもよう。ただ、第3四半期までが前年同期比81.1%減と大幅減益であったことから下振れは想定線、むしろ、想定以上に減益幅は小幅にとどまったとの見方が優勢のようだ。
<8070> 東京産 701 +36
大幅反発。前日に遅延していた24年3月期の決算を発表している。営業損益は44億円の赤字で前期比51.2億円の損益悪化、商品評価損や貸倒引当金繰入額計上などで、従来予想の28億円の赤字を下回る結果に。一方、25年3月期は16億円の黒字転換を見込んでいる。大きなポジティブサプライズは乏しいが、年間配当金36円を継続していることもあって、高い配当利回り水準への意識が高まる方向となっているようだ。
<4704> トレンド 6359 -304
大幅反落。2月15日に発表していた発行済み株式数の4.64%に当たる630万株、400億円を上限とする自社株買いだが、上限金額までの取得が終了したと前日に発表している。今後の需給緩和につながるとして売り材料につながっているもようだ。また、ジェフリーズ証券では、セクター全体の株価調整を踏まえて、投資判断「ホールド」継続で、目標株価を8880円から7600円に引き下げている。
<4107> 伊勢化 24550 -7000
ストップ安。委託保証金率引き上げや増担保措置の実施を受けて、前日から見切り売りの動きが強まる展開になっている。また、フィリップ証券が投資判断を新規に「セル」、目標株価を14500円としていることも材料視されているようだ。同証券では、ペロブスカイト太陽電池が生み出すヨウ素需要は国内年間生産量の3%に過ぎず、株価はペロブスカイト太陽電池への期待を過大に織り込んでいると判断しているようだ。
<6525> KOKUSAI 4720 -280
大幅安。前日に上場後初のIR Dayを開催。市場見通しの詳細や中期目標のアップデートがなされており、今後3-4年の時間軸で、WFE1200億ドル以上(従来1100-1200億ドル)、売上高3300億円(同3000-3300億円)と説明。サプライズは限定的で、足元期待感も先行していたとみられ、出尽くし感に。なお、CLSA証券では投資判断を「アンダーパフォーム」から「セル」に格下げしたもよう。
<7388> FPパートナー 2605 -700
ストップ安。「生保業界のビッグモーター」にすり寄る生保、と題される一部メディア報道を受け、株価は12日以降急落していたが、本日はあらためて下げ幅を広げる動きに。同社と販売を委託している生保各社との取引を巡り、金融庁が実態調査に乗り出していることがわかったと伝わり、一段の警戒感につながったもよう。過剰な便宜供与や実質的な利益供与の疑いが強まれば、立入検査に踏み切ることも視野に入れていると。
<9722> 藤田観 8100 +980
大幅続伸。前日もストップ高水準まで買い上げられている。シンガポールの投資ファンドである3Dインベストメント・パートナーズが、31.9%を保有する大株主のDOWAから同社株を購入する意向があると伝わっており、再編プレミアムへの思惑が先行する状況になっているもよう。DOWAHD取締役会に送られた書簡では、保有する同社株全株を購入する意向などとも一部海外メディアでは伝わっているようだ。
<3778> さくら 4805 -145
大幅安。子会社のプラナスソリューションズが、情報・システム研究機構 国立情報学研究所から「令和6年度大規模言語モデル構築向けクラウドサービス一式」を受注したと発表。受注総額は約27.9億円で、25年3月までに提供予定としている。ポジティブ材料とされていた。ただ、25日線水準を前に利食い売りが出たほか、生成AI(人工知能)関連株の一角が伸び悩んだことも響いたようだ。
<7211> 三菱自 455.2 +37.5
大幅続伸。25年3月期の株主還元を拡大する方針との報道が伝わっている。業績回復やネットキャッシュの積み上がりを背景に、1株15円としている今期の年間配当予想額の上積み、並びに、18年以来の自社株買いも視野に入れるようだ。電動化などの成長投資の計画にめどがついた段階で、追加還元の具体策を決めるとされている。ちなみに、今期の配当性向は期初時点で15%台の見通しにとどまっている。
《ST》
提供:フィスコ