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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6963 ローム

東証P
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前日比
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09:59 11/22
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時価総額 5,784億円
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【杉村富生の短期相場観測】 ─アップルファミリーに妙味膨らむ!


「アップルファミリーに妙味膨らむ!」

●やはり、有効な「小判ザメ戦法」!

 ナスダック指数は4日連続の史上最高値更新である。アップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>が牽引している。AI(人工知能)生成AI、ChatGPTなど新産業革命を象徴する企業群だ。やはり、巨大IT企業は強い。この流れは日本市場にアップルファミリー(部材供給企業)を軸に、好影響を与えるだろう。

 先のFOMC(米連邦公開市場委員会)では予想通り、金利据え置きだった。さらに、3月時点の「年内3回」の利下げ予想が「年内1回」に修正されている。ウォール街には「年内の利下げはない」との見方がある。ただ、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長は7月利下げ開始をあきらめていないようだ。この背景には家計の消費不振がある。

 アメリカの家計は家計資産160兆ドル(約2京4960兆円)が示すように、極めて潤沢だ。しかし、貧富の差が拡大し、かつインフレ、高金利が個人の購買力を奪っている。ディスカウントストアのターゲット<TGT>は5月中旬に、5000品目の値下げを発表した。消費者が買い物を控えるようになっているのではないか。

 実際、利下げ先送りとはいえ、10年物国債利回りは4.243%(13日現在)に低下した。半面、VIX(恐怖)指数は12ポイント前後と、低水準だ。SOX(半導体株)指数は上昇している。ナスダック市場には“追い風”だろう。なにしろ、マグニフィセント・セブン(アメリカ市場の時価総額上位7社)の時価総額は2450兆円超に膨らんでいる。

 国際マネーはナスダック市場を抜きにしての運用など考えられない。それにBuy and hold(買ったら売らない)戦術だ。AI分野で先行するマイクロソフト<MSFT>、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ<META>のMnMトリオの時価総額は1209兆円(1646社の東証プライム市場は951兆円)である。これには玉の吸い上げ効果があろう。

●TDK、村田製作所、ソニーグループなどを!

 自社株買いはすごい。アップルは1100億ドル(17兆2700億円)、アルファベット<GOOG>は700億ドル(10兆9900億円)、メタ・プラットフォームズは500億ドル(7兆8500億円)だ。日本の場合、今年1~5月に設定された自社株買いの取得枠が前年同期比6割増の約9兆円と、年間の過去最高(昨年の9兆6000億円)に迫る、という。

 しかし、単純な金額比較ではスケールが違う。ただ、日本企業は変わった。トヨタ自動車 <7203> [東証P]は1兆円、日本郵政 <6178> [東証P]は3500億円、KDDI <9433> [東証P]、ホンダ <7267> [東証P]は3000億円、ソニーグループ <6758> [東証P]は2500億円の自社株買いを発表している。

 ENEOSホールディングス <5020> [東証P]は2200億円、三井物産 <8031> [東証P]は2000億円だ。いまや、最大の買い手は「自社」である。ちなみに、事業法人の買い越し額は2020年が1.27兆円、21年が1.55兆円、22年が5.19兆円、23年が4.90兆円、24年(1~5月)が1.86兆円と、存在感は外国人に匹敵する。

 物色面では「寄らば大樹の陰」とか、「小判ザメ戦法」に倣って、アップルサプライヤーを攻める作戦が有効だろう。アップルはChatGPTをiPhoneに搭載するなど積極経営を展開中だ。具体的にはデクセリアルズ <4980> [東証P]、フジクラ <5803> [東証P]、ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]などがメリットを受けるだろう。

 さらに、TDK <6762> [東証P]、村田製作所 <6981> [東証P]、ミネベアミツミ <6479> [東証P]、ソニーグループ、ENEOSホールディングス、ローム <6963> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、ニデック <6594> [東証P]などがサプライヤーリストに名を連ねている。

2024年6月14日 記

株探ニュース

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