貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4507 塩野義製薬

東証P
2,094.5円
前日比
+35.5
+1.72%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.4 1.38 2.74 13.79
時価総額 18,633億円
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武田, 
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「認知症500万人時代」到来、社会問題に立ち向かう有望株・総検証 <株探トップ特集>


―長寿化で誰もがはらむリスク、欠かせない治療薬とテクノロジーの活用―

 認知症施策推進関係者会議の第2回会合が5月8日に開かれ、2030年に認知症患者数が523万1000人(22年は443万2000人)にのぼるとの推計が示された。認知症との共生社会の実現を目指す「認知症基本法」が今年1月に施行され、基本計画の策定に向けて議論が進んでいるが、認知症500万人時代を乗り切るためには政策とともに 治療薬やテクノロジーの活用が欠かせない。そこで今回は社会問題に立ち向かう関連銘柄にスポットを当てた。

●予備軍は40年に613万人と推計

 今回の推計は厚生労働省の研究班が22~23年度に調査を実施し、6自治体を抽出して認知症や認知症の予備軍とされる軽度認知機能障害(MCI)の有病率を調べ、そこから全国の将来患者数を算出したもの。それによると、団塊ジュニアが65歳以上となる40年時点での認知症患者数は584万2000人になる見通しで、MCI患者数は30年に593万1000人、40年には612万8000人まで増えると予想している。また、22年に12.3%だった認知症の有病率は30年に14.2%、40年に14.9%に上昇するとみている。

 こうした状況下では、仕事をしながら家族の介護に従事するビジネスケアラーが増加の一途をたどることになる。経済産業省ではビジネスケアラーの数が30年時点で約318万人、経済損失額が約9兆円と試算されていることを踏まえ、3月に「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を公表した。介護に起因した労働総量や生産性の減少による労働損失の影響は甚大で、政府として早急に対応すべき喫緊の課題だ。

 長寿化で誰もが認知症になるリスクがあるものの、MCIの段階では早期の対応で状態が良くなる可能性がある。予防、治療、介護を含めて社会全体で取り組んでいくことが重要であり、これらを手掛ける企業の存在感が今後更に高まりそうだ。

●レカネマブは4カ国目の承認受ける

 治療薬ではエーザイ <4523> [東証P]と米バイオジェン<BIIB>が共同開発した認知症治療薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」がこのほど、成人のアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害及び軽度の認知症の治療を適応として、韓国食品医薬品安全処(MFDS)から承認を得た。レカネマブはADの進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを実証し、承認された世界で初めてかつ唯一の治療薬で、承認は米国、日本、中国に続いて4カ国目となる。

 武田薬品工業 <4502> [東証P]は5月13日、アルツハイマー病治療薬候補についてスイスのバイオ企業ACイミューン<ACIU>とライセンス契約を締結したと発表。ACイミューンが開発する治療薬候補は、アルツハイマー病の原因物質のひとつとされる「アミロイド」というたんぱく質に作用する仕組みで、病気の進行を遅らせる可能性がある。なお、武田はACイミューンに対して、契約一時金として1億ドルを支払うほか、開発や商業化の進捗などに応じて最大約21億ドルを支払う可能性があるという。

 ネクセラファーマ <4565> [東証P]は5月9日、提携先のニューロクライン・バイオサイエンシズ<NBIX>が健常成人を対象とした「NBI-1117567」の第1相臨床試験を開始したことを明らかにした。NBI-1117567は、同社が見出したムスカリンM1受容体作動薬。神経・精神疾患の認知症状に対する経口治療薬となることが期待されており、同社は第1相臨床試験に関連するマイルストンを受領する可能性があるとしている。

 これ以外では、認知症関連のアッセイキットを手掛けるコスモ・バイオ <3386> [東証S]、英国の国立認知症研究機構と認知症の領域で共同研究契約を締結している小野薬品工業 <4528> [東証P]、アルツハイマー病や糖尿病などの生活習慣病に関わる研究に用いられる抗体やELISA製品を取り揃えている免疫生物研究所 <4570> [東証G]、アルツハイマー病の医薬品研究を進めるサンバイオ <4592> [東証G]、昨年からアルツハイマー病を対象とする研究を開始したファンペップ <4881> [東証G]などの動向から目が離せない。

●フロンテオ、エクサWizにも注目

 テクノロジーを活用して認知症の予防に取り組む動きも相次いでいる。FRONTEO <2158> [東証G]は5月13日、塩野義製薬 <4507> [東証P]及びスズケン <9987> [東証P]と会話型の認知症診断支援AIプログラムの社会実装を目指して3社で協業すると発表した。フロンテオと塩野義が同プログラムの製造、薬事承認の取得・維持、保険収載、マーケティング、プロモーションを含む事業構築を担当し、スズケンは同プログラムの市場出荷後の顧客への流通を担うという。

 エクサウィザーズ <4259> [東証G]は5月9日、子会社で健康・医療分野のAIサービスを企画、開発・提供するExaMDが、医療VR(仮想現実)を手掛けるジョリーグッド(東京都中央区)と業務提携したことを明らかにした。AI/生成AIを活用したヘルスケアプラットフォーム「バーチャルファミリー」を共同で開発し、楽しみながら得られる会話音声データを活用し認知症などの検知が難しい健康リスクの早期発見や予防に生かすとしている。

 SMK <6798> [東証P]は4月から、イーピーエス(東京都新宿区)及びHelte(千葉県柏市)と協力して音声データを活用して健康状態の変化を検知・判定するヘルスケアサービス「Sail 脳カツ」を始めている。このサービスはユーザーの健康意識を向上させ、健康寿命延伸の一助となることを目指したもので、将来的には研究開発が進んでいる新たな治療法との連携を模索し、超高齢社会における認知症の予防・検知から治療までをサポートする新たな仕組みづくりを目指す構えだ。

 また、メディパルホールディングス <7459> [東証P]はこのほど、ノーリツ鋼機 <7744> [東証P]子会社で脳梗塞や認知症などの発症リスクを調べるサービスを展開しているプリメディカの全株式を取得。リオン <6823> [東証P]はパナソニック ホールディングス <6752> [東証P]のグループ会社と次世代の補聴器を共同開発するアライアンスを締結しており、海外の医学雑誌で難聴が認知症のリスク要因になると指摘されていることなどから、両社の強みを生かして補聴器の性能を更に進化させて補聴器の普及拡大に取り組むとしている。

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