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3826 システムインテグレータ

東証S
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SI Research Memo(8):2025年2月期はE-Commerce事業を除いた既存事業ベースで増収増益見込み


■今後の見通し

1. 2025年2月期の業績見通し
システムインテグレータ<3826>の2025年2月期の業績は売上高で前期比6.8%減の4,508百万円、営業利益で同51.3%減の160百万円、経常利益で同47.0%減の178百万円、当期純利益で同88.5%減の109百万円と減収減益となる見通し。既存事業ベースでは売上高で同9.4%増、営業利益で同2.5%増と増収増益となる見込みだ。

2025年2月期はERP事業のさらなる拡大に向けて、大阪支社の増床と福岡支社の移転増床を行い、関連費用として約60百万円を販管費に、約15百万円を特別損失として計上するほか、新規の製品・サービスに係る研究開発費として約120百万円(前期比67百万円増)を予定しているが増収効果で吸収し、既存事業ベースでの増益を確保する見通し。なお、大阪及び福岡支社については移転・増床により従来比2倍までの増員が可能となる。従来は両支社でエンジニアを中心に60名程度の体制だった。なお、同社は2025年2月期から連結決算を開始する予定にしており、ベトナム子会社※の利益と持分法適用関連会社となったDGコマースの持分法による投資利益が加わることになる(単体業績計画には営業外で持分法による投資利益も含めて算出)。

※ERP事業の開発拠点となり、2022年10月に設立した。2024年2月期末は36名(前期末比27名増)で業績は若干の利益を計上したと見られる。2025年2月期も24名増員し、60名体制にする予定。


事業セグメント別では、Object Browser事業、ERP事業、AI事業で増収を見込む一方で、事業利益ではObject Browser事業、ERP事業が減益となり、AI事業とその他の損失が縮小する見込みとなっている。

(1) Object Browser事業
Object Browser事業は売上高で前期比7.2%増の793百万円、事業利益で同10.2%減の298百万円を見込む。売上高は「OBPM Neo」の顧客数増加に伴う増収が続くほか、「Object Browser」シリーズも堅調に推移する見通し。慢性的なエンジニア不足が続くなか、プロジェクト管理支援ツールとなる「OBPM Neo」を導入する可能性のある企業は2千社以上あると見ており、営業を強化して顧客開拓に注力する。また、「Object Browser」では2023年7月にリリースしたVer.23.1より、OpenAI社のChatGPTを使用して開発工程の一部自動化を実現したが、2024年1月にリリースしたVer.24ではChatGPTを利用できる工程を増やしてエンジニアの生産性向上につなげており、今後もデファクトスタンダードとして安定した需要が見込まれる。増収にもかかわらず減益を計画しているのは、2024年3月より社内組織を事業別から機能別(開発、営業)に再編成したことで、集約化した営業組織の費用配賦額増加による販売費増の影響によるもので、一時的な要因となる。

(2) ERP事業
ERP事業は売上高で前期比8.3%増の3,570百万円、事業利益で同5.1%減の619百万円を見込んでいる。前期に貢献したインボイス制度対応に関連した特需はなくなるものの、同案件をフックにして既存顧客からの追加開発案件を受注するなど引き続き「GRANDIT」の開発案件は繁忙状況が続く見通し。減益要因は、大阪支社増床及び福岡支社移転に伴う関連費用約60百万円の計上によるもので、一時的な減益と見られる。

なお、ERP事業ではさらなる成長に向けて新たにSAPが提供する「SAP S/4HANA」の導入支援サービスを2024年4月から開始した。「SAP」は大企業向けERP製品でトップシェアを持ち、現在は2027年度に予定されている既存システムの保守サービス終了を控えて、「SAP S/4HANA」への移行プロジェクトが目白押しで、「SAP」のエンジニア不足が続く状況にあるなか、こうした需要を取り込んでいくことにした。大企業向けとなるため、当初は二次請けからのスタートとなるが、既に一次請け企業と開発案件の受注交渉も進んでいる状況にある。同社では、国内及びベトナム子会社でSAP認定技術者の採用・育成を強化し、3年後に売上高5億円を目指す。需要は旺盛なだけに、開発体制さえ整えば目標達成は十分可能と弊社では見ている。

(3) AI事業
AI事業は売上高で前期比163.5%増の98百万円、事業損失で17百万円(前期は42百万円の損失)を見込む。売上高については前期から期ズレしていた既存顧客向け「AISIA-AD」の増設案件が増収要因となるほか、2023年10月より取扱いを開始した「Image Pro」の売上貢献も見込む。収益化が遅れているものの、2025年2月期中にはビジネスモデルの見直しも含めて対策を打つ考えで、今のところ事業を継続していく方針に変わりない。

(4) その他
その他の売上高は前期比6.6%減の47百万円、事業損失は15百万円(前期は57百万円の損失)を見込んでいる。売上高は「IDEA GARDEN」の事業撤退により減収を見込んでおり、撤退コストが若干発生するものの「TOPSIC」が堅調に推移することもあって損失額は縮小する見込み。「TOPSIC」についてはコミュニティマーケティング※の手法を取り入れ、各種イベントなどを通じて新規顧客の獲得を進めていく。

※コミュニティマーケティングとは、商品・サービスを愛用するユーザー同士、またはユーザーと企業が直接繋がるコミュニティ(専用サイトや各種イベント)を形成し、コミュニティでのコミュニケーションを通じて商品・サービスのエンゲージメントを醸成したり、得られたユーザーデータをマーケティングに活用することで新規顧客の獲得につなげるマーケティング手法。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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