貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8035 東京エレクトロン

東証P
23,135円
前日比
+885
+3.98%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.3 5.98 2.47 17.40
時価総額 109,112億円
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【杉村富生の短期相場観測】 ─世界的な株高に日本市場は出遅れ!


「世界的な株高に日本市場は出遅れ!」

●テーマ的にはAIに加え、宇宙が浮上!

 世界的な株高である。戦時下にもかかわらず、STOXX欧州600種指数は史上最高値だ。今夏にはパリオリンピック(平和の祭典)が開催される。NYダウは3月21日の最高値3万9889ドル(ザラバベース)、ナスダック指数は3月21日の最高値1万6538ポイントに迫っている。次の出番は日経平均株価TOPIXだろう。日本市場は出遅れている。

 特にTOPIXは1989年末の史上最高値(2884ポイント)をいまだに、抜いていない。日経平均株価は単純株価ベースである。東京エレクトロン <8035> [東証P]、レーザーテック <6920> [東証P]など値がさ株の影響を受ける。一方、TOPIXは時価総額ベースだ。金融株を含め、全般カサ上げの動きが不可欠となろう。

 現在、新産業革命が進行中だ。AI(人工知能)を軸とする技術革新である。イノベーションは社会、産業構造を激変させる。蒸気機関、電気、コンピューター、インターネットの発明(登場)がそうだったように。さらに、技術革新は新しい成長企業を生む。エヌビディア<NVDA>、サービスナウ<NOW>、アーム・ホールディングス<ARM>が好例である。

 もちろん、欧米は戦争特需(軍需品の増産に加え、財政出動)に沸いている。ECB(欧州中央銀行)は年内に3回、FRB(米連邦準備制度理事会)は年2回の利下げを行うだろう。アメリカには資産効果(株高を受け、家計資産は156.2兆ドル→約2京4000兆円に膨らむ)がある。これが個人消費を支えている。

 日本は新東西冷戦構造(ロシア、中国と欧米の対立)、フレンド・ショアリング(西側だけでサプライチェーンを完結させる)の潮流が追い風になっている。コーポレート・ガバメント・ミッションは企業経営者に浸透してきた。実際、自社株買い・増配が急増、半導体の新工場建設、 データセンターの増設ラッシュではないか。

●アイネットは材料豊富、株価妙味が膨らむ!

 国産化、日米連携の動きは加速している。ガバメントクラウド、小型衛星、ドローン 宇宙開発などがそうだ。データセクション <3905> [東証G]、トリプルアイズ <5026> [東証G]、さくらインターネット <3778> [東証P]、QPS研究所 <5595> [東証G]が人気化したのにはそれなりの理由がある。

 6月5日に、アストロスケールホールディングス <186A> [東証G]が上場する。スペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去、人工衛星の寿命延長、点検・観測などの軌道上サービスを行っている。2024年の干支は辰(竜)、龍は天空の神だ。宇宙に通じる。いよいよ、ispace <9348> [東証G]、QPS研究所に続き本命登場となる。

 大株主には三菱グループの主力企業5社をはじめ、清水建設 <1803> [東証P]、ANAホールディングス <9202> [東証P]、ヒューリック <3003> [東証P]、OSG <6136> [東証P]などが名を連ねている。そこに、クラウドデータセンターを手掛けるアイネット <9600> [東証P]が加わっている。

 実は、アイネットは宇宙開発事業に注力中だ。アストロスケールとは商業デブリ除去実証衛星に関するマーケティングパートナーシップ契約を締結しているほか、衛星開発・生産、打ち上げの運用などの支援サービスを行っている。国際宇宙ステーションには建設当初から関わっている、という。さらに、月面有人着陸計画に参加する。

 足もとの業績は好調だ。2024年3月期は7.9%増収、63.6%最終増益を達成、配当は5円増の53円とした。2025年3月期は7.0%増収、19.5%増益を見込み、1株利益は164.2円(前期は137.5円)となる。配当は3円増の56円とする。なお、10日に69万株の自社株を取得した。好業績、増配、自社株買いの3点セットのほか、テーマ性(データセンター、宇宙ビジネス)を有している。株価は一段高が期待できる。

2024年5月10日 記

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