九州電が急速人気化、24年3月期経常黒字化と同時に過去最高更新し今期は大幅増配で投資資金呼び込む
九州電力<9508>が大幅高、一時10%を超える上昇で1617円50銭をつける場面があった。きょうは電力株は高安まちまちの展開だが、そのなか同社株の上げ足の強さが目立っている。前日取引終了後に発表した24年3月期の経常損益は2381億6100万円(前の期は866億3400万円の赤字)と大幅黒字化を果たし、同時に過去最高利益更新となった。原発フル稼働に伴う収益押し上げ効果が発現したほか、燃料安を電気代に反映するまでのタイムラグで生じる「期ずれ益」が全体利益の伸びに直結した。25年3月期についてはこの「期ずれ益」の剥落もあり、経常利益は前期比54%減の1100億円を見込むが、この業績見通しについてマーケットは事前に織り込んでいたフシがあり、むしろ決算発表通過でアク抜け感からの買いやすさが表面化する格好となった。更に同社は財務体質の改善を背景に25年3月期の年間配当を50円とする方針を発表、これは前期実績の25円に対し倍増となる。時価予想配当利回りも3%を超えることで、インカムゲインに期待した投資資金の流入も誘っている。
出所:MINKABU PRESS
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