ホットリンク Research Memo(7):保守的に見込み減収減益予想。SNSマーケティング支援事業で採用強化(1)
■今後の見通し
1. 2024年12月期の業績見通し
ホットリンク<3680>の2024年12月期の業績見通しは、売上高で4,503百万円(前期比5.0%減)、営業利益で172百万円(同21.9%減)、税引前利益で180百万円(同37.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益で93百万円(同58.9%減)としている。引き続きソーシャルメディアマーケティング市場の拡大に伴う需要を取り込む一方で、変化が激しいDaaS事業の業績を保守的に見込み減収減益予想としている。SNSマーケティング支援事業における採用強化を筆頭に、売上拡大のための人的投資を行いながら利益を確保する方針だ。
各事業において「深化」と「探索」を推進し、グループ内でのシナジーの創出やM&Aの検討を行う。事業環境や景気の動向に左右されない事業ポートフォリオの創造を目指し、利益体質を維持しつつ投資を行うことで、さらなる成長を見込む。SNSマーケティング支援事業では、人材採用の加速により顧客満足度や単価アップを実現する体制を強化し、支援メディアの拡充と新サービスの提供により増収トレンドを継続する。また、クロスバウンド事業の売却により得られた潤沢なキャッシュを活用した機動的なM&Aも検討する。DaaS事業では、データ提供元との契約終了の影響を折り込んで減収予想としているが、コストコントロールに加え、デジタルリスク関連や生成AIなど新市場からの需要を見込み増益を計画している。Web3関連事業では、業績への影響は軽微だが、ファンドを通じた投資に加え、既存サービスや新規事業の一環として既存事業とのシナジーを模索していく。
2023年12月期は、売上高は計画比97.7%とわずかに未達であったが、営業利益については同222.2%で着地した。変化が激しいDaaS事業の業績を保守的に見込んでいることから、2024年12月期の業績は減収減益だが、インターネット・デジタルマーケティング市場は底堅い伸びをみせるとの予想から、「両利きの経営」により外部環境の劇的変化に対して機動的に経営判断を下している。そのため、サービスラインナップの拡充により幅広い顧客ニーズへの対応が可能となっており、通期計画の達成の可能性はあると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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提供:フィスコ