キューブ Research Memo(9):定性目標は大きく変わらないが、数値目標を見直し(1)
■中長期の成長戦略
1. 中期ビジョンの成長戦略
キューブ<7112>は、中期ビジョン(2023年12月期~2025年12月期)を策定し、成長戦略として「グローバル展開」「ブランドの深化」「コラボレーションによるブランド開発」を掲げている。現時点において、定性的な目標は大きく変わっていない。
(1) グローバル展開
デジタルB2Bツールを通じた新規取引先の開拓、越境ECを軸としたグローバルチャネルの確立を図る。
次なるボリュームゾーンである東アジアにおいては、新たに台湾での展開を開始した。また成長著しいASEAN地域においてはインドネシアやベトナムでの展開を開始、その他の地域においてもパートナーを開拓中だ。
また、デジタルB2Bツールを使用した積極的なマーケティングと、海外における合同展示会への出展を通じ、バイヤーとの接点を強化し新規開拓を継続している。また、POP UPやOMOストアからのデータ分析を通じた出店を展開している。このほかにも、海外マーケティング戦略投資を通じた越境ECを強化する。
各地域では以下のような展開を行っている。
a) 台湾
2024年3月に、台湾の新光三越に「MARK&LONA」店舗をオープンした。2025年には台中でも同様の店舗の出店を予定している。
b) インドネシア
高級百貨店内のプレミアムショップや、会員制ゴルフコースなど5ヶ所で、SHOP IN SHOP形式での展開を開始した。
c) ベトナム
ホーチミンの百貨店、ハノイのショッピングモールの2拠点でポップアップストアの展開を予定している。
d) 韓国
韓国最大のDUALコンセプト型フラッグシップストアが狎鴎亭地区に開店した。本格的なカフェやシュミレーションゴルフ、フィッティングスタジオも完備しブランディングの強化を進める。
(2) ブランドの深化
国内の基幹店舗の大型化としては銀座シックス店を2024年3月にリニューアルオープン、同年秋には関西店舗の大型リニューアルを予定している。2023年4月にオープンした青山店含め、ブランド発信の場としての新規店舗開発と既存店舗の大型化を図り、インバウンドをはじめとした海外へのブランド発信も一段と強化する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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提供:フィスコ