酒井重 Research Memo(6):2024年3月期業績は前期比31.7%の営業増益を見込む
■今後の見通し
● 2024年3月期の業績見通し
酒井重工業<6358>の2024年3月期の連結業績は、売上高が33,100百万円(前期比5.2%増)、営業利益3,300百万円(同31.7%増)、経常利益が3,300百万円(同41.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,300百万円(同35.7%増)と予想されており、第2四半期時点で上方修正した予想値を据え置いた。為替レートは、1ドル140円を前提としている。
所在地別の売上高・利益の見通しは開示していないが、各地域とも増収を目指す方針だ。世界的にインフラ投資が拡大するなか、世界の建設機械需要は底堅く推移すると予想している。一方で世界的なインフレや安全保障問題、社会構造変化など不透明な要因も多いが、収益構造改革の推進、生産性向上と新たな付加価値創造、グローバル事業活動の修正により、営業利益率は前期比2.0ポイント上昇する予想である。
世界的にインフラ投資が拡大するなか、世界の建設機械需要は底堅く推移すると予想しているが、一部では鈍化の懸念もあり、下期について同社はかなり慎重な見方だ。特に今まで業績を牽引してきた米国市場では、需要は堅調ながらパナマ運河の状況によって部品調達に遅れが出る可能性があり、同社は第4四半期についても慎重な見方をしている。現時点において通期予想が下振れる可能性は低いが、一方で大幅な上方修正については過大な期待は禁物と思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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提供:フィスコ