アイル---2Qも2ケタ増収増益、中間配当金の増配を発表
アイル<3854>は7日、2024年7月期第2四半期(23年8月-24年1月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比12.9%増の85.71億円、営業利益が同34.9%増の22.38億円、経常利益が同34.5%増の22.49億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同34.8%増の14.89億円となった。
同社グループは、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業顧客の経営課題を解決するための商材を「リアル」と「Web」の両面から開発・提案し、顧客の企業力強化を図ることを「CROSS-OVER シナジー」戦略とし取り組んできた。「CROSS-OVER シナジー」戦略は独自の提案スタイルで、「リアル」と「Web」それぞれの商材を複合的に提案することで、顧客の業務効率と販売力強化を実現するものであり、商談時の競合力を強化するだけでなく、顧客満足度も向上させるものとしている。また、持続的成長を促進するため、営業とSEを同一組織に配置し相互の連携を強化する製販一体体制を導入している。これにより、見積時の顧客要件見極めによる案件精度の向上やプロジェクトマネジメント体制の強化、納品品質の向上によるシステム稼働後のアフターサポート工数の減少が図られ、利益体質が強化されてきている。
販売実績については、「リアル」面では、主力のパッケージソフトウェア「アラジンオフィス」の商品力の強化を、業種別に継続して進め、販売面でもパートナー企業との連携に加え、豊富な業種別の導入事例をもとに顧客毎に最適なシステム活用方法を提案することで、受注実績も堅調に推移した。収益面についても、製販一体体制による案件回転率の向上、新パッケージの投入や機能強化とオプション充実による粗利率向上等により各段階利益が前四半期累計期間の業績を上回る結果となった。「Web」面では、複数ネットショップ一元管理クラウドサービスである「CROSS MALL」について、新たなネットショップとの連携開発を継続して取り組んできた。今後も、複数モールとの連携機能強化を行うとともに、後継サービス「BACKYARD」のリリースやサービスショールーム「BACKYARD TOKYO」のオープン等先行投資を継続し、中長期的に販売実績を伸ばしていくとしている。また、ネットショップと実店舗のポイント・顧客一元管理クラウドサービスである「CROSS POINT」も、販売実績を伸ばしている。当四半期累計期間においても、継続して製品の開発に注力し、将来における新たな技術開発による市場競争力向上に向け、研究開発費0.30億円を計上している。島根県松江市の研究開発拠点である「アイル松江ラボ」は、プログラミング言語「Ruby」によるシステム強化の活動を本格的に始動しており、今後も研究開発人員を増加し、研究開発活動の強化を図っていくとしている。
2024年7月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比6.1%増の169.00億円、営業利益が同12.8%増の40.00億円、経常利益が同12.8%増の40.26億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.5%増の26.83億円とする期初計画を据え置いている。
同日、当期の業績は順調に進捗しており、2024年7月期の中間配当について、前回予想の1株当たり14.00円から2.00円増配の16.00円にすることを発表した。また、配当性向も見直し、年間を通じ配当性向35%以上、純資産配当率(DOE)10%以上と目標を引き上げている。この結果、1株当たり年間配当金は、36.00円となる予定。
《SI》
提供:フィスコ