【杉村富生の短期相場観測】 ─日経平均株価がついに、バブル時の史上最高値を奪回!
「日経平均株価がついに、バブル時の史上最高値を奪回!」
●これは“終着駅”ではない、新たな相場の開演!
いや~、すごい相場である。2月22日、日経平均株価は瞬間、3万9156円の高値まで上昇、1989年12月29日のザラバベースの史上最高値3万8957円を抜いた。実に、34年ぶりのこと。株式市場は「失われた30年」の克服に向け、着実な歩みを続けている。史上最高値奪回は“終着駅”ではない。新たな急騰劇の開演だろう。
マーケットでは買い気の強さに、「バブルだ、バブルだッ」と叫ぶ人達がいる。しかし、1989年末には日経平均株価のPERは60.9倍、PBRは5.6倍だった。現在はPERが16.3倍、PBRが1.47倍にすぎない。アメリカ市場(S&P500指数ベース)はPERが20.4倍、PBRが4.42倍に評価されている。
それに、1989年末のNYダウは2753ドルだったが、直近高値(ザラバベース)は2月12日の3万8927ドルだ。14.1倍になっている。日経平均株価は? やっと並んだばかりじゃないか。もちろん、企業の稼ぐ力(収益力)は格段に向上している。日経平均株価の1株利益は1989年末の638円に対し、現在は2355円である。
もちろん、企業経営者の認識は変わった。数年前、会社幹部に「御社の株価は安すぎませんか」と問うと、「それは市場が決めること」とそっけなかったが、いまは違う。株価を強く意識している。自社株買い、増配ラッシュが好例だろう。株式分割も多い。若い投資家層の呼び込みを狙っている。
企業改革は政策投資(持ち合い)株の削減、グループ再編(親子上場の解消)、遊休資産(土地、現・預金)の有効活用、M&Aなど幅広い分野に及ぶ。これはROE(株主資本利益率)の改善につながり、PBRを上昇させる。野村ホールディングス <8604> [東証P]はPBR1倍水準(1088円)が上値のメドとなろう。
●狙い目のコード番号末尾が「01銘柄」!
コード番号が「01」の企業は日本を代表する老舗企業だ。歴史は古い。株式、土地の含みは大きい。グループ企業は多い。筆者は「濡れぞうきん」と形容しているが、絞りがいがある。要するに、改革の余地が残っている。大成建設 <1801> [東証P]、日本製鉄 <5401> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]など。
さらに、キッコーマン <2801> [東証P]、AGC <5201> [東証P]、コマツ <6301> [東証P]、NEC <6701> [東証P]、伊藤忠商事 <8001> [東証P]などもそうだ。1980年代には真っ先に買われた実績がある。流動性の高さが魅力だ。当時の買い方は国内勢だったが、今回は外国人のターゲットになっている。
材料的にはエヌビディア<NVDA>の好決算、および時間外取引での株価急騰だろう。AI(人工知能)人気が日本の半導体株に波及している。レーザーテック <6920> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]などが大幅高である。
アーム・ホールディングス<ARM>の親会社のソフトバンクグループ <9984> [東証P]も値を飛ばしている。ウォール街の専門家によると、AI市場は2030年には2兆ドル(約300兆円)に拡大するという。2023年の市場規模は2079億ドル(31兆円強)だ。約10倍になる。アーム・ホールディングスはこのメリットを享受できる。
このほか、半導体関連セクターのテラプローブ <6627> [東証S]、デクセリアルズ <4980> [東証P]、ヘッドウォータース <4011> [東証G]、アバールデータ <6918> [東証S]、レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]、さくらインターネット <3778> [東証P]などに妙味があろう。
2024年2月22日 記
株探ニュース