クオールホールディングス---3Q増収、保険薬局事業はM&Aや新規出店の寄与により売上高増
クオールホールディングス<3034>は2日、2024年3月期第3四半期(23年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比6.7%増の1,345.28億円、営業利益が同16.2%減の57.29億円、経常利益が同8.0%減の65.23億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同9.2%減の37.74億円となった。
保険薬局事業の売上高は前年同期比6.9%増の1,232.53億円、営業利益は同8.2%減の75.93億円となった。当第3四半期累計期間の出店状況は、新規出店18店舗、事業譲受3店舗、子会社化による取得14店舗の計35店舗増加した一方、閉店により5店舗減少した結果、全体の店舗数は922店舗となった。薬局運営は、新たな事業の柱としている在宅・施設調剤において、在宅調剤の全店実施に向けて取り組むとともに、在宅特化型店舗を増やすことで受け持つ施設数を大幅に増やしていくとしている。また、サントリーウエルネスとの健康支援に関する協業を2023年4月より開始した。2023年9月には薬局DX推進コンソーシアムの理事企業として、「調剤業務の一部外部委託」を内閣府地方創生推進事務局へ共同提案した。また、スポーツ庁が推進する「障害者スポーツ推進プロジェクト」を受託した。業績については、前期に実施したM&Aや新規出店の寄与と在宅・施設調剤の推進等により、受付回数及び運営コストが増加した。また、薬価改定及び調剤報酬の改定に係る地域支援体制加算の経過措置終了等により、薬剤料単価及び技術料単価は低下した。
医療関連事業の売上高は同4.3%増の112.74億円、営業利益は同23.6%減の8.84億円となった。CSO事業においては、MR派遣需要の拡大により、派遣数が増加する一方、採用に係る費用は増加した。また、医薬品や食品等の開発業務の受託事業においては、食品試験を中心とした受注の増加により拡大している。紹介派遣事業は、各職種において紹介派遣の需要が順調に拡大し、取引先数の増加や営業の業務分業化などの各種取組みにより、成約件数が増加している。出版関連事業においては、既存顧客に向けて、がん領域やデジタル資材等の成長性の高い資材を提供するとともに、学会等の製薬企業以外の顧客との取引を拡大している。医薬品製造販売事業においては、第一三共エスファ社のグループ化によるシナジー効果を実現するための取り組みを行っている。また、既存製品に加え、2022年12月に発売を開始した、新型コロナウイルス抗原検査キット「テガルナ(R)スティックSARS-CoV-2Ag」の販売促進を行っているものの、薬価改定による売上高の減少や原材料価格の高騰が業績へ影響している。
2024年3月期通期については、売上高が前期比5.9%増の1,800.00億円、営業利益が同5.3%増の100.00億円、経常利益が同6.0%増の107.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.6%増の62.00億円とする5月16日に上方修正した連結業績予想を据え置いている。
《SO》
提供:フィスコ