【植木靖男の相場展望】 ─分岐点の放れを焦らずに待て!
「分岐点の放れを焦らずに待て!」
●遠からず新ステージは訪れる
日経平均株価は年初来、駿馬の如く勢いで駆け上がり、1月23日には3万7000円大台にあと一歩というところまで迫った。だが、そこが限界だった。さすがに過熱感が意識され、調整に入った。
その後、1月26日には下げ止まっており、意外なほど下げ幅は小さい。3月期決算企業の第3四半期決算の発表がスタートし、主力株の中に予想外の増益銘柄が表れて株価全般を下支えしたからだ。
とはいえ、米国株式市場の最高値更新が伝わる中で、東京市場は3万6000円処で膠着し、とても買い転換するに足る水準には届いていない。この結果、1月24日高値の3万6471円と26日安値の3万5687円の狭間に収まっている。いまはこのレンジを上方に抜けるか、または下方に抜けるかの分岐点にある。遠からずその時が訪れることになる。
ところで、多くの市場関係者、アナリストが年内4万円必至と唱え始めた中で、株価が1月のような上昇を見せる時、このまま4万円に直行すると考えてしまう投資家は結構存在するようだ。筆者の経験では1年間を通じて上げ続ける年は希有であり、多くは前半高なら後半安、または前半安なら後半高というケースが多い。相場には常に動・反動を繰り返す習性があることを、投資家は忘れないでほしい。
●中長期的なテーマとして浮上する「防衛」
物色の対象だが、目先的な銘柄では業績が良く、かつ株価が出遅れている日本酸素ホールディングス <4091> [東証P]だ。また、仕手性を備える日産化学 <4021> [東証P]も面白そうだ。ハイテク株では同じく出遅れの村田製作所 <6981> [東証P]。また、不動産からは23年に活躍したクリアル <2998> [東証G]も要注目だ。
また、中長期テーマで筆者が注目するのは防衛だ。世界的に地政学的リスクが高まりを見せる環境下で、覇権国アメリカの力が弱まってきている。そのため、各国は防衛費拡大に走り始めている。わが国もそうだ。こうした情勢を踏まえると、防衛関連株はスルーするわけにはいかない。三菱重工業 <7011> [東証P]、川崎重工業 <7012> [東証P]、三菱電機 <6503> [東証P]、NEC <6701> [東証P]などに注目しておきたい。
2024年2月2日 記
株探ニュース