オーバル Research Memo(4):高い安全性を確保
■業績動向
2. 財務状況と経営指標
オーバル<7727>の2024年3月期第2四半期末の資産合計は、22,758百万円(前期末比392百万円増)となった。うち、流動資産は12,018百万円(同483百万円増)であった。これは、主に受取手形、売掛金及び契約資産が117百万円減少した一方、電子記録債権が54百万円、棚卸資産が510百万円それぞれ増加したことによる。棚卸資産の増加は、材料不足のなかで同社製品の納期維持のため在庫を増やしたためであり、こうした取り組みによって納期遅延を発生させなかった。また、固定資産は10,740百万円(同90百万円減)であった。これは主に、投資有価証券が41百万円、長期前払費用が85百万円それぞれ増加した一方、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、ソフトウェア、のれんが減価償却等により130百万円、繰延税金資産が58百万円それぞれ減少したことによる。
一方、負債合計は7,860百万円(同222百万円減)となった。うち、流動負債は3,884百万円(同108百万円減)であった。これは主に、短期借入金が88百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が82百万円、その他の流動負債が97百万円それぞれ減少したことによる。また、固定負債は3,975百万円(同113百万円減)であった。これは主に、長期借入金が43百万円、役員退職慰労引当金が37百万円それぞれ減少したことによる。純資産合計は、14,897百万円(同615百万円増)となった。これは主に、利益剰余金が438百万円、為替換算調整勘定が121百万円それぞれ増加したことによる。
以上の結果、自己資本比率は63.5%に上昇し、2023年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均の55.7%を上回る高い安全性を確保していると評価できる。一方、2023年3月期におけるROAやROEなどの収益性指標では業界平均を下回っており、今後の収益力強化が課題である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
《SO》
提供:フィスコ