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4819 デジタルガレージ

東証P
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SI Research Memo(1):E-Commerce事業を売却し、新たな収益柱を育成すべく成長投資を実施の方針


■要約

システムインテグレータ<3826>は独立系のソフトウェア開発会社で、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」をコーポレート・スローガンに企業の生産性向上に寄与するソフトウェアの開発・販売を行っている。データベース開発支援ツール「SI Object Browser」や統合型プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM(以下、OBPM Neo)」等のObject Browser事業のほか、E-Commerce事業、ERP事業、AI事業などを展開している。このうち、E-Commerce事業については2024年1月に事業譲渡することを発表、事業フォリオの再構築に着手している。

1. 2024年2月期第2四半期累計業績の概要
2024年2月期第2四半期累計(2023年3月?8月)の業績は、売上高で前年同期比11.5%増の2,424百万円、経常利益で同73.0%増の203百万円と2期ぶりの増収増益に転じた。E-Commerce事業の苦戦が続いたものの、ERP事業でインボイス制度対応案件を多く受注できたことや、Object Browser事業で「Object Browser」のライセンス販売が好調に推移したほか「OBPM Neo」のストック売上も順調に積み上がり増収となった。利益面では、売上総利益率の高いインボイス制度対応案件や「Object Browser」の売上が増加したことに加えて、販管費の抑制に取り組んだことで増益となり、営業利益率も同3.1ポイント上昇の8.4%となった。ERP事業は受注能力拡大のため、2022年5月に福岡支社、同年10月にベトナムに子会社を相次いで開設し、エンジニアの増強に取り組んできた効果も出た。2023年8月末のエンジニア数は全社で213名(前期末比22名増)となったが、うち福岡で23名(同7名増)、ベトナムで20名(同11名増)と増員分の大半をこの2拠点で占めた。

2. 2024年2月期業績の見通し
2024年2月期の業績は、売上高で前期比11.5%増の5,000百万円、経常利益で同4.4%減の398百万円と期初計画を据え置いた。ただ、同社はE-Commerce事業を2024年1月に売却する方針を発表しており、同影響額を織り込んだ通期計画については同月に発表予定の第3四半期累計決算に合わせて発表する方針である。E-Commerce事業については競争が激化し、顧客の求めるニーズが変化するなかで、単独で成長を続けていくことが困難と判断し、会社分割で新設した子会社に移管し、同子会社の株式の60.0%をデジタルガレージ<4819>の子会社である(株)DGフィナンシャルテクノロジーに999百万円で売却する。2024年2月期の業績には2カ月分が影響し、売上高で2億円弱、営業利益で数千万円の減額要因になると見られるが、利益ベースではERP事業やObject Browser事業の上振れ分で相殺できると弊社では見ている。事業売却に伴う株式売却益が数億円程度発生すると見られ、当期純利益に関しては期初計画を超過する可能性が高い。

3. 中期経営計画について
2023年4月に発表した2カ年の中期経営計画についてもE-Commerce事業の売却を受けて見直し、2024年2月期の本決算と合わせて発表する予定である。当初は2025年2月期に売上高で5,500百万円、経常利益で536百万円を目標に掲げていたが、主力事業の1つであったE-Commerce事業(2023年2月期売上高916百万円、セグメント利益321百万円)が無くなることで、業績目標含めて改めて策定することになる。Object Browser事業については安定収益源の位置づけで、現在のシェアの維持向上に取り組む方針に変わりない。一方で、需要が旺盛なERP事業については、大企業向けに高いシェアを持つERP製品を新たに手掛けていくべく準備を進めており、E-Commerce事業売却分の影響をカバーする考えだ。また、E-Commerce事業を売却して獲得する資金は、M&Aも含めて新たな収益柱を育成するための成長投資に充当する予定で、今後の動向が注目される。

■Key Points
・2024年2月期第2四半期累計業績はERP事業がけん引し2ケタ増収増益に
・2024年2月期業績見通しはE-Commerce事業の売却により第3四半期累計決算発表時に見直す予定
・E-Commerce事業の売却を踏まえた中期経営計画を2024年4月に発表する予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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