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5262 日本ヒューム

東証P
1,285円
前日比
+13
+1.02%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.5 0.73 2.96 21.59
時価総額 377億円
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日本ヒューム Research Memo(8):高付加価値のプレキャスト製品群が成長ドライバー


■日本ヒューム<5262>の成長戦略

2. 事業別戦略
事業別戦略としては、主力事業の振興軌道強化と戦略事業の強化により、成長基盤を構築する。事業別の計画数値は次のとおり。2028年3月期の売上高400億円の内訳は、基礎事業227.5億円、下水道事業77.5億円、プレキャスト事業80億円、その他15億円である。営業利益22億円の内訳は、基礎事業9億円、下水道事業16億円、プレキャスト製品事業10億円、その他8.7億円、全社費用等による損失21.7億円である。計画数値達成に向け、主力事業は従来の基礎事業及び下水道関連事業における既存ヒューム管分野、戦略事業は下水道関連事業における新しいプレキャスト製品群(一般的な意味でのプレキャスト製品と異なる)及びその他事業(新規事業など)と位置付けている。決算短信で開示する報告セグメント区分は2024年3月期以降も従来どおり(基礎事業、下水道関連事業、太陽光発電・不動産事業、その他)である。

基礎事業では、採算改善と安定化を目指し、同社が強みを持つ排出残土の少ない中堀工法の販売拡大、α値ダントツ化を目指した新工法の開発、ICTツール「Pile-ViMSys(R)」のさらなる改良による施工効率化、コスト増に対する価格転嫁継続、再開発や大型工場案件など大型案件の確実な取り込みなどを推進する。2024年3月期上期の営業利益率は売価改善が寄与して前年同期比1.4ポイント上昇した。また新工法の開発は2024年9月に完了の見込みだ。ICTツール「Pile-ViMSys(R)」のプレキャスト工事への適用範囲拡大については2025年3月期以降の予定である。

下水道事業では、トータルソリューション増強を目指し、ヒューム管市場でのさらなるシェア拡大、耐震化や管路メンテナンスを軸とする下水道工事の提供エリア拡大、「1~6種」にラインナップ拡充した合成鋼管の拡販、下水道工事における建設従事者の積極採用、脱炭素型・長寿命化対応コンクリート「e-CON(R)」の下水道管への普及などを推進する。2024年3月期上期のヒューム管シェアは前年同期の15.3%から3.3ポイント上昇して18.6%となった。インフラ老朽化対策のポンプ場更新ソリューションでは、水中施工によるプレキャストコンクリート製隔壁の設置を提案して採用された。下水道工事の提供エリア拡大については3県への拡大に向けて活動中である。

プレキャスト事業では、新たな成長ドライバーと位置付けるコンクリート製品テクノロジーによる高付加価値製品の増強を目指し、都市部再開発案件への「PCウェル」製品等の拡販、脱炭素型・長寿命化対応コンクリート「e-CON(R)」のプレキャスト事業化、道路分野での「EMC壁高欄」の拡販、生産性向上のBIM/CIM、技術開発強化による新製品開発などを推進する。「PCウェル」については道路から鉄道やモノレールなどへ用途の拡大を図り、広島県ペデストリアンデッキでの継続採用、大阪モノレール延伸事業での新規採用が決定した。「e-CON(R)」については公的認定を2023年内に申請予定であり、今後は公的機関・自治体との共同研究による標準化を図り、低炭素コンクリートNo.1を目指す方針だ。「EMC壁高欄」については2024年3月期上期の売上高が前年同期比2.6倍に拡大した。また、熊谷工場において、3Dプリンターによる実製品の製造・出荷を実施した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SO》

 提供:フィスコ

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