データセク Research Memo(8):2024年3月期に「拡大投資」のフェーズへと移行(2)
■中長期の成長戦略
4. サステナビリティ方針
2024年3月期第2四半期に、データセクション<3905>はサステナビリティ方針を発表した。同社は、テクノロジーの先駆者として世界中の人々の暮らしを進化させ続け、100年後の世界と人々の暮らしに貢献する「サステナビリティビジョン」を掲げている。そのうえで、「グローバルなパートナーシップを基にしたイノベーション」「未来の世界を担う多様な人材の育成・輩出」「グローバルベースのダイバーシティ・インクルージョンの推進」「コンプライアンスの徹底とコーポレートガバナンスの強化」の4つの方針を掲げている。
(1) グローバルなパートナーシップを基にしたイノベーション
同社は、南米の連結子会社を中心に安定した経営のサポートをすることで発展途上国の開発技術の創出、新たなビジネスの拡大に寄与するといった、継続的なパートナーシップを基に自社サービスを導入し、イノベーションの創出に努める。
(2) 未来の世界を担う多様な人材の育成・輩出
データサイエンスがビジネスの中核となる近未来に向けて、データの活用方法や分析結果を分かりやすく伝えることのできる人材を育成する教育プログラムを提供し、あらゆる業界で活躍できるデータサイエンティストの輩出に貢献する。
(3) グローバルベースのダイバーシティ・インクルージョンの推進
東南アジアの企業とパートナーシップを組み、労働環境を守りながら多様性の推進を行っている。性別・国籍・文化・家庭環境等に対して柔軟な組織体制を構築する。2022年には男性育児休暇制度を導入し、女性社員は増加傾向にあり、多国籍におけるエンジニアの採用も積極的に行っている。
2023年2月、同社は(株)横浜銀行と「SDGsフレンズローン・ネクスト※」による融資契約を締結した。同社は、「男性の育児休暇取得推進」等をサステナビリティ戦略における施策・目標に設定し、横浜銀行より認定を受領した。具体的な施策・目標は、1)男性の育児休暇取得を推進し、従業員のワークライフバランスを実現する、2)DX化貢献により顧客の在庫量を適正化することで過剰生産や汚染を防止する、の2つである。
※借主がその事業内容やSDGs目標を踏まえた施策・KPI設定を行い、ファイナンスや各種経営課題へのアドバイスなどを通じて、経営課題の解決やサステナビリティ経営の向上にともに取り組んでいく商品。
(4) コンプライアンスの徹底とコーポレートガバナンスの強化
透明性のある風通しの良い会社を目指し、定期的な上層部と全社員との1on1の面談や経営会議の傍聴制度の導入などを推進する。ビジネス面では、専門家からのアドバイスを試み、健康面では、産業医と連携することで社員のサポートを行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
《SI》
提供:フィスコ