貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8015 豊田通商

東証P
2,654.0円
前日比
-20.0
-0.75%
PTS
2,654円
18:51 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.0 1.13 3.77 15.08
時価総額 28,190億円
比較される銘柄
トヨタ, 
住友商, 
三菱商

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エレマテック Research Memo(1):中期経営戦略「エレマテック・プロプラス」を推進中


■要約

エレマテック<2715>は、2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した電子材料を得意とするエレクトロニクス商社だが、その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。近年は単なる部品・部材の販売だけでなく、モジュール製品やODM(Original Design Manufacturing:企画段階から参画し、他社ブランド製品を設計から製造まで行う)製品の拡販に注力している。

1. 2024年3月期第2四半期:前年同期比では減益だが、過去最高益を達成した前年同期に次ぐ、過去2番目の水準
2024年3月期第2四半期の業績は、売上高102,135百万円(前年同期比17.1%減)、営業利益4,556百万円(同31.3%減)、経常利益4,203百万円(同31.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,060百万円(同26.5%減)となった。マーケット別では、Automotiveは客先の生産増や新規商材の採用等により同24.7%の増収となったが、Digital Electronicsでは主に液晶等のディスプレイ関連や電子部品・半導体等の販売が低調になり同25.5%の減収となった。Broad Marketもドライブレコーダーが低迷したアフターマーケットや重電、車両制御、船舶、OA機器が低調であったことから同21.8%の減収となった。地域別では、自動車関連が堅調であった欧米は増収となったが、日本を含めたそれ以外の地域は減収となった。売上総利益率は円安効果や製品構成の変化により同0.7pt改善したが、減収により売上総利益は同11.7%減となった。販管費が同5.9%増加したことから営業利益は大幅減となった。前年同期が好決算であったことから、営業利益は前年同期比で減益となったが、第2四半期としては過去2番目に高い水準であり必ずしも悲観する結果ではなかったと言える。

2. 2024年3月期:営業利益は前期比25.3%減予想
2024年3月期の業績は、売上高207,000百万円(前期比13.7%減)、営業利益9,000百万円(同25.3%減)、経常利益8,400百万円(同24.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,000百万円(同22.0%減)と予想されており、期初予想(売上高同2.6%減、営業利益同12.1%減)からは下方修正された。マーケット別売上高は、ほぼ上期と同様の傾向と見ており、Automotiveは引き続き堅調に推移し同27.4%増が見込まれているが、Digital Electronicsは、ディスプレイ関連や電気・電子部品等が低調であることから同28.9%減と予想されている。またBroad Marketも、アフターマーケット(主にドライブレコーダー)やOA機器等が減少する見込みであることから、同13.1%減が見込まれている。対米ドル平均レートは、140円(前期実績135.50円)を前提としている。

3. 中期経営戦略「エレマテック・プロプラス」を推進中
同社は、2023年4月に中期経営戦略「エレマテック・プロプラス(elematec Pro+)」を発表した。この中期経営戦略では、前中計の主要戦略である「高付加価値型ビジネスの強化」「海外有力顧客の開拓」「自動車領域への注力」を継続しつつ、さらに進化させると同時に、これに加えて新たな重点施策として「ポテンシャルエリアの本格開拓」「開発部の機能強化」「M&A・アライアンスによる顧客基盤・事業領域の拡大」「サステナビリティと人的資本への取り組み」を掲げている。重点市場としては「オートモーティブ」「アフターマーケット」「医療機器」を挙げている。足元の業績は停滞しているが、これらの重点施策を粛々と進めていく方針に変わりはない。

また以前からの「配当性向40%以上」に替わり、2024年3月期から配当の基本方針を「配当性向(連結)50%もしくはDOE(純資産配当率)3%の両基準で算出した数値のいずれか高い金額を目安とする」に変更した。これは、手元資金が豊富になったこと、Automotiveなど安定収益源が増えてきたことに加え、大幅減益や万が一赤字決算になっても配当を行えるようDOE基準を設けたことによる。これに基づき、2024年3月期の年間配当については業績の落ち込みにも関わらず年間85円(前期76円)へ増配することを発表済みで、これは同社が先行きの業績回復に自信を持っている証左と言えるだろう。

■Key Points
・電子材料、電子部品や設備など幅広い商品を扱う総合エレクトロニクス商社
・2024年3月期第2四半期の営業利益は前年同期比31.3%の減益だが、過去2番目の高水準を維持
・中期経営戦略「エレマテック・プロプラス」を発表。経常利益の年平均成長率10%以上を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《AS》

 提供:フィスコ

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