FCE Research Memo(1):「Robo-Pat DX」と「Smart Boarding」の両輪が好調継続
■要約
1. 手厚いサポートとともに「Robo-Pat DX」「Smart Boarding」をワンストップで提供
FCE Holdings<9564>は、DX(Digital Transformation:デジタル化による社会や生活の変革)推進事業で純国産RPA(Robotic Process Automation:パソコン内の業務の自動化)ソフトウェア「Robo-Pat DX」を販売、教育研修事業では、eラーニングで転職者の「即戦力化」などを促進する自社製の社員教育オンライントレーニングシステム「Smart Boarding」や、子どもの「自立力」向上を支援する中高生向けビジネス手帳「フォーサイト」(以下、フォーサイト手帳)、世界的ベストセラー「7つの習慣」を基盤としたプログラム・研修等を販売している。手厚いサポートやワンストップサービス、高採算のストック型収益に特徴があり、人口減少に直面する日本企業に対し、「『人』×『Tech』で、人的資本の最大化に貢献する」ことをミッションとしている。
2. 中期経営計画を策定、2025年9月期に売上高4,915百万円、経常利益885百万円を目指す
同社は3ヶ年の中期経営計画(2023年9月期~2025年9月期)を策定し、2025年9月期に売上高4,915百万円、経常利益885百万円を目指している。「Robo-Pat DX」、「Smart Boarding」、フォーサイト手帳のアプリ版「フォーサイトアプリ」を戦略商品とし、「Robo-Pat DX」は紹介パートナー制度の拡大や地方展開、顧客間の横展開など、「Smart Boarding」はOEMパートナーの契約社数拡大、HR(Human Resource:人事研修)サービスとのシステム連携など、「フォーサイトアプリ」は学校向け無料トライアルによるシェア獲得や教育委員会への浸透などにより、それぞれのサービスで成長を目指す。また、2024年9月期中に予定しているホールディングスの解消によって事業間の協力体制が強化されるため、クロスセルも推進していく計画である。
3. 「Robo-Pat DX」「Smart Boarding」両輪が好調で、2023年9月期は2ケタの増収増益
2023年9月期の業績は、売上高4,174百万円(前期比11.2%増)、営業利益581百万円(同28.1%増)と、期初の想定に対してやや強めの着地となった。2022年1月に学習塾運営事業を売却したことによるマイナス影響はあったが、「Robo-Pat DX」の2023年9月期末の導入社数が1,192社(前年同期995社)、「ロボパットマスター認定プログラム」の受講者数も1年少々で2倍の2,000人を突破、さらに「Smart Boarding」の2023年9月期末の導入社数が607社(前年同期468社)、2023年1月に11社でスタートしたばかりのOEMパートナーが9月末に45社となるなど、両輪ともに好調にKPIを伸ばした。なかでもDX推進事業が想定以上に好調となったことから、期末にかけて戦略経費を投入してなお、営業利益は30%近い大幅な増益となった。
4. 導入社数の増加ピッチや成長戦略から、中期経営計画自体を上方修正する可能性すらある
2024年9月期の業績に関して同社は、売上高4,464百万円(前期比7.0%増)、営業利益702百万円(同20.7%増)と引き続き2ケタ増益を見込んでいる。「Robo-Pat DX」「Smart Boarding」ともに導入社数の伸びが強いため、売上高はやや保守的な印象がある。営業利益はストック型収益であるがゆえなおさら保守的に見えるが、計画を上回った利益の一部については2024年9月期の成長に向けた先行費用として投入する可能性があり、着地は同社予想を若干上回る程度と思われる。今後も中小企業などにおけるRPAやeラーニングに対するニーズは強く、同社も様々な成長戦略を追加的に講じていることから、中期的に両輪の登録社数が想定を超えて伸びていくことが予想される。このため、中期経営計画自体をローリングして上方修正する可能性すらあると考えている。
■Key Points
・「Robo-Pat DX」「Smart Boarding」ともに手厚いサポートとワンストップサービスが好評
・「Robo-Pat DX」など戦略商品を強化、 2025年9月期に経常利益885百万円を目指す
・「Robo-Pat DX」「Smart Boarding」両輪が好調、中期経営計画自体を押し上げる勢い
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《AS》
提供:フィスコ