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株価指数先物【寄り前】 日米金利差を狙ったポジションを解消するトレード


大阪3月限ナイトセッション
日経225 32360 -500 (-1.52%)
TOPIX 2334.0 -26.0 (-1.10%) 
CME先物 32360 -500
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 7日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。今週発表された雇用関連指標を受けて米連邦準備理事会(FRB)による利上げ終了観測が根強く、買い優勢の相場展開となった。傘下のグーグルが新たな生成AI基盤「Gemini(ジェミニ)」を発表したことを手掛かりにアルファベット<GOOG>が5%を超える上昇を見せたほか、AI向け新製品を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>が10%近く上昇するなか、ハイテク株を中心に買われた。また、米長期金利の低下傾向が続いていることも、ハイテク株への買いに向かわせた。S&P500業種別指数はメディア、半導体・同製造装置、自動車・同部品が上昇した一方で、エネルギー、商業サービス・用品、公益事業が下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比500円安の3万2360円だった。日経225先物(3月限)は日中比80円安の3万2780円で始まり、直後に付けた3万2800円を高値に軟化し、3万2300円を挟んだ狭いレンジでの推移を継続。米国市場の取引開始後には一時3万2090円まで売られる場面も見られた。終盤にかけて下げ渋る動きとなり、3万2360円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の相場展開が見込まれる。日経225先物は前日に500円を超える下落となったが、ナイトセッションにおいても大幅な下げとなった。米国では来年の早い段階での利下げ観測が高まるなかで米長期金利が低下傾向を見せている。一方、国内では日銀のマイナス金利の解除観測が再燃するなか、為替市場では1ドル=144円台前半と円高基調が強まった。これまでの日米金利差を狙ったポジションを解消する動きが強まっており、12月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)に絡んだ商いも加わることで波乱含みの展開が警戒される。

 日経225先物は、一時3万2230円辺りに位置する75日移動平均線を割り込み、節目の3万2000円に迫る下落となった。ボリンジャーバンドではバンドが収れんするなか、-1σの3万2440円を下回り、-2σの3万1950円に接近してきた。朝方はメジャーSQに絡んだ売買の影響から波乱含みとなる可能性があるものの、調整一巡感が意識されやすい水準まで一気に下げてくることで、値ごろ感からのロングが入りやすいだろう。また、ギャップスタートとなるなかでSQ値が支持線として機能する可能性もありそうだ。

 もっとも、寄り付き後の一段安でSQ値が抵抗線として機能するようだと、需給状況は一気に悪化するため、ヘッジ対応のショートが断続的に入る展開には注意したい。ただし、米国では生成AIを手掛かりとしたハイテク株が買われており、東京市場においても指数インパクトの大きい値がさハイテク株が下支えとなることが期待されるため、売り一巡後の底堅さにつながる可能性があるだろう。また、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、ショートに傾けづらい面もある。そのため、オプション権利行使価格の3万2000円から3万2750円と広めのレンジを想定する。

 VIX指数は13.06(前日は12.97)に上昇した。引き続きボトム圏での推移であり、25日移動平均線が上値抵抗線として機能している。ただし、煮詰まり感が台頭してきており、来週にもトレンドが出やすい日柄になりそうだ。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.00倍を下回った。25日線を下回り、75日線が位置する13.88倍に接近する局面も見られた。NTショートに振れやすいとみられるものの、日米金利差を狙ったポジションを解消するトレードが強まるようだと、相対的にTOPIX型の売りが優勢になると考えられるため、75日線に接近する局面があれば、その後はリバウンド狙いのNTロングの動きが入りそうである。


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