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3167 TOKAI

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TOKAI Research Memo(6):LPガス事業における高気温の影響は仕入価格の低減で吸収できる見通し


■業績動向

2. 2024年3月期の業績見通し
TOKAIホールディングス<3167>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.3%増の240,000百万円、営業利益で同0.5%増の15,000百万円、経常利益で同12.9%増の15,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同31.5%増の8,500百万円と期初計画を据え置いた。エネルギー事業において高気温によるLPガス販売量へのマイナス影響が懸念されるものの、原料の仕入価格が期初計画を下回る水準で契約できたようで、販売量減少の影響を吸収できる見通しとなっている。また、上期に低調だった建築設備不動産事業も新規受注により下期の収益回復が見込まれるほか、情報通信事業やCATV事業についても堅調推移が見込まれることから、通期業績計画の達成は可能と弊社では見ている。賃金改定による人件費の増加は10億円と計画どおりとなる見通しだ。一方、継続取引顧客件数は期初計画の前期末比84千件増加の3,384千件に対してやや遅れ気味となっており、下期にLPガスや情報通信サービスを中心に顧客獲得強化に取り組むことで計画達成を目指す。

(1) エネルギー事業
エネルギー事業は売上高で前期比0.5%増、営業利益で同1.6%増となる見通し。仕入単価並びに販売単価については、それぞれ前期比2~3%の低下、平均気温は前期並みの水準を前提としている。売上高は平均気温上昇による家庭用ガス販売量の減少により計画を下回る可能性があるものの、仕入コストが想定を下回るほか、DXによる業務効率の向上に取り組むことで利益ベースでは計画達成が可能と見られる。

顧客件数はLPガス、都市ガス合わせて前期末比で42千件増加の862千件を見込む。第2四半期までで16千件の増加と進捗率は低いが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大(以下、コロナ禍)が収束したことでM&A・アライアンス交渉も進みやすくなったことから下期に挽回する方針だ。

(2) 情報通信事業
情報通信事業は売上高で前期比6.0%増、営業利益で同2.5%増となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で48.0%、営業利益で52.4%と利益ベースで好進捗となっている。売上高は法人向けが引き続きストックビジネスを中心に拡大し、コンシューマー向けも若干ながら増収となる見通し。営業利益は法人向けが増収効果で2億円の増益、電気料金の値上がりで2億円の費用増となり、通期で横ばい水準を見込む。コンシューマー向けは増収効果等で3億円の増益、賃金改定に伴う人件費の増加により2億円の費用増となり、通期で前期比1億円の増益を計画していたが、上期で5億円の増益となったことから上振れが期待される。一方で、下期は顧客件数の積み上げを図るため、獲得コストを積み増す可能性はある。

なお、法人向けでは2023年10月にAWSのパートナー認定制度であるAWSパートナーネットワークにおいて、最上位レベルの「AWSプレミアティアサービスパートナー」に国内14社目として認証されたことを受け、クラウド構築案件のさらなる受注拡大が期待される。また、今回の最上位の認証を受けたことでアジアでの展開も視野に入れており、将来的に現地企業とアライアンスを組みながら同ビジネスを拡大する可能性がある。

(3) CATV事業
CATV事業は売上高で前期比4.3%増、営業利益で同3.0%減となる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で49.3%、営業利益で52.3%となっている。売上高は顧客件数の積み上げにより増収基調が続く見通し。営業利益は顧客件数の増加で1億円の増益となるものの、電気料金の負担増1億円や賃金改定に伴う人件費増2億円を見込んでいることから、通期では前期比2億円の減益となる。ただ、前述のとおり電気料金は前期並みの水準で推移していることや、販管費の抑制効果も期待できることから、計画を上回り若干ながら増益となる可能性もあると弊社では見ている。

(4) 建築設備不動産事業、アクア事業、その他
建築設備不動産事業は売上高で前期比14.1%増、営業利益で同7.7%増と増収増益に転じる見通し。第2四半期までの進捗率は売上高で35.8%、営業利益で26.3%と低いものの、下期に大型設備工事案件が寄与することで通期計画の達成は可能と見られる。なお、賃金改定に伴う人件費の増加については1億円を見込んでいる。

アクア事業は売上高で前期比3.6%増、営業利益で同6.2%減となる見通し。顧客件数の拡大で増収となるものの、賃金改定に伴う人件費の増加で若干の減益を見込んでいる。第2四半期までの進捗率は売上高で49.8%、営業利益で72.8%となっており、利益ベースで計画を上回る可能性もあるが、顧客件数獲得のため獲得コストの積み増しやプロモーション費用を投下する可能性もある。その他については、介護事業や婚礼催事事業を中心に売上高は前期比10.7%増と増収基調が続く見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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