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9264 ポエック

東証S
1,668円
前日比
+4
+0.24%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.9 1.89 4.20 23.75
時価総額 77.6億円
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ポエック Research Memo(2):水・空気をテーマに「環境サステナビリティ」へ持続的に取り組む


■ポエック<9264>の会社概要

1. 会社概要
1989年1月に広島県福山市において、ポンプメーカー出身の現会長と前社長により、水処理機器の販売を目的として五大販売(株)を設立した。その後1991年3月に現社名へ変更した。社名は「ポンプ・イクイップメント・エキスパート(Pump Equipment Expert)」、すなわち「ポンプ装置の専門家」を表している。50余年のポンプに関するノウハウの蓄積と組織的なメンテナンス体制により、ポンプメーカーを問わず幅広い用途で総合的な判断に基づく修理・メンテナンスを行う。現在は水と空気に重点を置いた環境装置全体に事業領域を広げている。絶えず独創的な商品を開発し、住みよい社会と環境を持続できる「環境サステナビリティ」への持続的取り組みを行うビジネスを目指している。

経営理念は「お客様第一主義」である。具体的には「世界に通用する技術・商品の開発」「社員一人ひとり、個性の尊重及び力の結集」「社会の変化を先取りし、自らも進化する」「これらのことを総合し、企業価値の増大を図る」としている。同社は業種では卸売業に分類されているが、技術・商品の開発というメーカー機能を有している。連結子会社には環境関連機器の開発・製造・販売に従事するメーカーが含まれる。そのため、事業や商品によっては商流の川上(開発・製造)から川中(販売)、川下(サービス)をカバーしており、商社、メーカー、サービスの3つの機能を有している。

2023年8月期の売上高(7,052百万円)の事業別内訳は、環境・エネルギー事業が54.6%、動力・重機等事業が39.1%、防災・安全事業が6.3%となった。調整額控除前のセグメント利益の構成比と売上高営業利益率は、環境・エネルギー事業が41.9%・5.6%、動力・重機等事業が54.3%・10.2%、防災・安全事業が3.8%・4.4%となった。調整額控除後の全体の売上高営業利益率は5.7%となった。

同社は2017年11月に株式を東京証券取引所JASDAQスタンダード市場へ上場した。2022年4月の東証の新市場区分への移行に伴い、「スタンダード市場」を選択した。


技術を見つけ、育て、生かすM&Aにより業容を拡大
2. 沿革とM&Aの実績
同社はこれまで合計9件のM&Aを実行し、事業を拡大してきた。M&A戦略は、技術を見つけ、育て、生かすことを基本とする。買収方針は、適正な買収価格であること、独自技術などの成長の種を有すること、事業は堅調に推移していることに加えてM&Aによって後継者難など事業承継問題の解決が図れること、などである。2023年8月期末の無形固定資産に記載されたのれんは、わずか4百万円である。グループの製造技術力の強化、製造拠点の増加、事業領域の拡大に加え、販売チャネルや商圏の拡大及び人材の獲得に寄与している。M&Aを通してメーカー機能を高めて付加価値を増幅し、シナジーの発揮により企業価値の増大を図ってきた。

同社初のM&Aは、1997年に行われた山尾産業(株)の水処理部門の営業権の取得であった。これにより、ポンプ事業を強化した。2002年には(株)オーゼットよりオゾン脱臭装置の営業権、製造権、特許権を取得した。2003年には同社企画・開発製品の製造拠点とすることを目的として、独自の製缶・溶接技術を保有する(株)三和テスコを子会社化した。三和テスコは、2002年に第10回中国地域ニュービジネス大賞を受賞した同社製品の圧力水槽方式加圧送水装置「ナイアス」の製造を行っている。また、2007年にはフィンランドのVAHTERUS OY製プレート&シェル熱交換器の国内独占製造販売権を取得した。続いて同社はグループの製造技術補完のため、2008年に一貫生産体制で高品質な精密機械加工及び熱処理に強みを持つ東洋精機産業(株)を子会社化した。2009年にもオガタ工業(株)より水中撹拌機の営業権及び製造権を譲受し、メーカー機能を強化した。2011年にセイブン(株)から営業権を譲受して、販売チャネルを拡大した。

上場後では、2019年に三和テスコの外注先であった(株)ミモトを買収した。翌年にミモトを三和テスコへ吸収合併し、経営資源の集結、業務の効率化、生産拠点の相互活用、ノウハウの融合、現場管理体制強化、コストダウン、受注機会の拡大などを図った。

販売チャネル及び商圏の拡大を目的としたM&Aについては、2019年の協立電機工業(株)が挙げられる。同社は広島県福山市を本拠地とし、グループ企業は西日本に集中しているが、神奈川県に本社を置く協立電機工業を買収することで関東地方への本格的な進出の足掛かりを得た。

直近のM&Aは、2021年9月の(株)マリンリバーの企業買収である。マリンリバーは養殖設備製造ニッチ市場でトップ企業であり、同社は製造面でのシナジー及び販売面でのクロスセルを行う考えだ。同月に、100%所有の子会社であるAS(株)(現PBS(株))広島県福山市に設立し、金属材料加工業に参入した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《SO》

 提供:フィスコ

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