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7447 ナガイレーベン

東証P
2,466円
前日比
-5
-0.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.4 1.87 2.43 0.35
時価総額 881億円
比較される銘柄
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星医療, 
大木ヘルス
決算発表予定日

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ナガイレーベ Research Memo(1):2023年8月期は前期比8.5%の営業減益だが、計画を上回って着地


■要約

1. 2023年8月期(実績)
ナガイレーベン<7447>は、医療白衣のコア市場※において国内シェア60%超のトップメーカーであり、高い利益率と堅固な財務内容を誇っている。2023年8月期の連結業績は、売上高が前期比3.2%減の17,181百万円、営業利益が同8.5%減の4,604百万円、経常利益が同9.1%減の4,673百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.6%減の3,226百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の減益幅が大きいのは、前期に特別利益を計上したことによる。売上高は、診療報酬が据え置きの一方で諸物価の上昇等による病院経営環境の悪化などから、一部案件に遅れが発生して計画値を下回った。売上総利益率は、平均為替レートが先物予約などにより想定よりもやや円高となったこと、海外物流費が一時期よりも落ち着いてきたこと、2023年2月からの価格改定効果が出始めたことなどから、期初予想(41.9%)及び第2四半期の実績(42.9%)を上回る43.9%となった。販管費は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの回復もあり広告宣伝費や旅費交通費が増加したことなどから前期比3.2%増となったが、計画に対しては3.3%減であった。この結果、営業利益は前期比8.5%減となったが、計画比では0.7%増であった。

※国内市場のうち同社のシェアが比較的高い市場のこと。ヘルスケアウェア、ドクターウェア、ユーティリティウェア・他、感染対策商品が該当する。


2. 2024年8月期(予想)
2024年8月期の連結業績は、売上高が前期比3.6%増の17,800百万円、営業利益が同0.2%増の4,615百万円、経常利益が前期と横ばいの4,673百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.2%増の3,231百万円を予想している。売上高は順調な伸びを予想しているが、為替(前期比で円安)の影響や加工賃や原材料の上昇などが続くと見ており、原価率がアップすることを予想している。しかし同社では、生産の効率化などさらなる収益性の改善を実施する一方で、製品価格の改定も進めており、営業利益は前期比でほぼ横ばいを見込んでいる。原価や経費の面で厳しい環境が続く予想だが、現在の予想はかなり保守的であり、期ずれ案件を着実に取り込むことやコスト面での改善がさらに進めば、通期業績が上方修正される可能性もあると弊社では見ている。

3. 中期経営計画
同社は、2023年8月期の実績を踏まえ、それまでの計画をロールオーバーした中期経営計画を発表している。数値目標としては、2026年8月期に売上高189億円、営業利益55億円を掲げている。足元では為替が円安に振れており同社業績に対しては逆風だが、価格改定を進めていること、ハイエンド商品及び高付加価値商品の投入を積極的に進めていることなどから、これらの目標が達成される可能性は有り得るだろう。一方で、株主還元の姿勢は変わらず、2023年8月期は年間60.0円の配当を実施し、2024年8月期も年間60.0円(連結配当性向59.3%)の配当を予定している。自己株式の取得にも前向きで、資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を目的として、2022年8月期に612,700株(1,231百万円)の自己株式取得及び2,500,000株の自己株式消却を行った。さらに2023年6月30日から2023年12月11日までの間に上限500千株(上限1,000百万円)の自己株式取得を発表したが、既に2023年8月末までに164千株373百万円を取得済みだ。強固な財務体質に加え、このような株主還元に対する同社の一貫した姿勢は評価に値すると言える。

■Key Points
・2023年8月期の営業利益は前期比8.5%の営業減益となったものの、計画を上回った
・2024年8月期の営業利益は横ばい予想だが、上方修正の余地は残る
・中期経営計画では2026年8月期に営業利益55億円を目指す。株主還元にも積極的

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

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