貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6701 NEC

東証P
12,270円
前日比
-90
-0.73%
PTS
12,300円
23:10 11/21
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.8 1.72 1.14 6.09
時価総額 33,479億円
比較される銘柄
富士通, 
日立, 
パナHD

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サイバーコム Research Memo(1):アライアンス戦略を活用しながら自社プロダクトの拡販に注力


■要約

サイバーコム<3852>は、富士ソフト<9749>を親会社とするシステム開発会社で、通信分野で培った技術力を基盤としたソフトウェア開発事業を主力に、SI(システムインテグレーション:サーバ/ネットワーク構築、保守・運用、評価検証)サービスや自社プロダクトの販売などサービス事業も展開している。ソフトウェア開発は2次・3次請けの案件が大半を占めており、NEC(日本電気<6701>)グループと日立製作所<6501>グループ合わせて売上構成比の5割弱を占めている。

1. 2023年12月期第2四半期累計の業績概要
2023年12月期第2四半期累計(2023年1月-6月)業績は、売上高で前年同期比3.7%増の8,572百万円、営業利益で同4.8%増の670百万円と概ね期初計画(売上高8,600百万円、営業利益645百万円)通りに進捗した。売上高は通信ソフトウェア開発が5G基地局案件の一巡により減少したものの、制御ソフトウェア開発及び業務ソフトウェア開発の好調によりカバーした。利益面では増収効果で増益となり、計画比でも各種経費を圧縮できたことで若干上回る結果となった。

2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の業績は、売上高で前期比5.8%増の17,600百万円、営業利益で同13.8%増の1,200百万円と期初計画を据え置いた。足元の受注状況は堅調に推移しており、下期の売上高も制御ソフトウェア及び業務ソフトウェア開発がけん引する見通し。同社では「ビジネス拡大」を基本方針に掲げ、DXへの対応力強化、好調分野への集中投資、高付加価値ビジネスの拡大に取り組んでいる。需要が旺盛なクラウド基盤導入支援案件の受注能力を拡大すべく、AWSやMicrosoft Azureなど主要クラウド基盤の技術認定取得者の育成に注力しており、新たに難易度の高い技術認定資格の取得に向けた奨励金制度も導入した。こうした取り組みによって資格取得者数も急速に増加しているようで、今後の受注拡大につながるものと期待される。また、自社プロダクトについてもアライアンス戦略による売上拡大等に取り組んでいる。2023年7月には(株)ケアコム、ビー・ビー・バックボーン(株)と共同で病院・介護施設向け「VoLTE※ナースコール」を開発し、PHSからのリプレースを進めていく。同社はナースコールアプリとIP-PBX(内線交換機)を提供する。また、2022年にリリースした高精度屋内位置情報ソリューション「Cyber Position Navi Plus」の見込み顧客獲得を図るべく、2023年9月開催の「スマート工場EXPO」に出展した。誤差10cmの高精度で人やモノの位置情報を把握でき、スマート工場を構築するには打ってつけのソリューションであり、新規受注の獲得を狙う。自社プロダクトの売上はサービス事業の1割程度とまだ小さいものの、高い利益率が見込めることから今後の動向が注目される。

※VoLTE(Voice over LTE):LTEの高速データ通信ネットワーク上で音声通話を実現する技術。


3. 中期計画の進捗状況
2023年12月期までの3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」では、成長戦略としてソフトウェア開発事業で「ビジネス拡大」、サービス事業で「高付加価値ビジネスの拡大」をテーマに掲げ、計画策定時の当初は2023年12月期に売上高16,100百万円、営業利益970百万円を目標に設定していたが、企業のDX投資拡大を追い風に、業績は当初目標を上回る見通しだ。2024年12月期からスタートする次期中期計画でも基本戦略は大きく変わらないと見られ、人的リソースの拡充と協力会社のネットワークを強化しながら、持続的な成長を目指していくものと予想される。特に、今後高成長が期待できるAIソリューション分野については技術者を積極的に採用・育成し、プラットフォーマーとの連携も進めていく。自社プロダクトについても事業規模を拡大すべくアライアンス戦略の推進と営業体制の強化を図る。なお、株主還元については、2023年12月期の1株当たり配当金を前期比8.0円増配の30.0円とする予定だ。ここ数年は1~2円のペースで増配を続けてきたが、中期計画最終年度の利益が当初計画を上回る見通しとなったことで、株主への利益還元を充実させることにした。今後も将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、「安定した配当」を継続する方針に変わりなく、収益成長とともに着実な増配を目指す。

■Key Points
・高い技術開発力と高品質サービスに加えて、幅広い協力企業と良好な関係を構築している点が強み
・業務ソフトウェア開発及び制御ソフトウェア開発が2ケタ増収と好調持続
・足元の堅調な受注環境に変わりなく、2023年12月期も増収増益の見通し
・3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」は順調に進捗、業績は当初目標を上回る見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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