GMOーAP Research Memo(8):株主還元は連結配当性向50%を目標に安定した配当を継続
■成長戦略
3. 株主還元策
配当政策についてGMOアドパートナーズ<4784>は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の1つとして認識しており、各事業年度の業績、企業体質の強化と今後の事業展開を総合的に勘案しつつ、連結配当性向50%を目標に安定した配当を継続して行うことを基本方針としている。この基本方針に基づいて2023年12月期の配当予想は年間13.60円(期末一括)としている。7期連続増配で予想配当性向は50.1%である。
GMOインターネットグループとして社会・環境課題の解決に貢献
4. サステナビリティ経営
ESG・SDGsへの取り組みに関しては、GMOインターネットグループとして、事業を通じて社会・環境課題の解決に貢献することを基本方針としている。なお持分法適用会社のGMOドリームウェーブ(所在地:宮崎県宮崎市)は、誰もが生き生きと働くことのできる環境づくりの一環として、GMOインターネットグループの特例子会社として設立された。「自立」と「成長」をキーワードに、障がい者雇用のさらなる創出に取り組むとともに、多様な人財を受け入れて活躍できる場の拡大と働きやすい環境づくりを推進する。
東証スタンダード市場への上場維持基準の適合を目指す
5. 東証新市場区分への取り組み
2022年4月に実施された東証の市場再編に伴って、同社は東証スタンダード市場に移行・上場したが、移行基準時点(2021年6月30日)で流通株式比率が上場維持基準を充たしていなかったため、2021年11月22日付で「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を作成・開示した。そして2023年3月27日付で計画の進捗状況をリリースし、2022年12月末時点において流通株式比率が上場維持基準を充たしていないため、引き続き流通株式比率を向上するための各種取り組みを実施している。
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するために、必要な資本政策を適時に実行していくことを基本方針としている。具体的には、適時情報開示及びコーポレートサイトでの情報公開など、投資家向けの情報発信を一段と強化し、いわゆる「MSワラント」(2021年9月21日付で自己株式を活用した第三者割当による第7回新株予約権(行使価額修正条項及び行使許可条項付)を発行)を用いた自己株式の売却も実施している。こうした取り組みにより、2023年12月末までに上場維持基準の適合を目指す。
中期的な収益拡大トレンドに変化なし
6. 弊社の視点
インターネット広告市場が拡大基調であるなか、同社の総合インターネット広告代理店としての競合優位性や成長期待について弊社では高く評価している。2023年12月期上期が減益となって成長イメージにやや疑問符が付く形になったが、これは一時的費用の増加の影響であり、高粗利・高付加価値の自社企画サービスを武器とする中期的な収益拡大トレンドに変化はなく、新たな取り組みとして「ChatGPT API」の活用を推進するなど成長ポテンシャルは大きいと弊社では考えている。したがって当面は2023年12月期下期以降の利益回復の進捗動向に注目したいと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《SI》
提供:フィスコ