信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

4784 GMOアドパートナーズ

東証S
661円
S高
+100
+17.83%
PTS
703円
23:22 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
193 2.08 1.04
時価総額 111億円
比較される銘柄
サイバー, 
GMOテック, 
フリークHD

銘柄ニュース

戻る
 

GMOーAP Research Memo(3):エージェンシー事業とメディア・アドテク事業を展開


■事業概要

1. 事業概要
GMOアドパートナーズ<4784>は総合インターネット広告代理店として、主にGMO NIKKO及びGMOソリューションパートナーがエージェンシー事業(インターネット広告代理事業、Webマーケティング事業など)を、主にGMOアドマーケティング及びGMOインサイトがメディア・アドテク事業(アドテクノロジー商品の開発・運営、メディア・コンテンツの開発・運営など)を展開している。

過去5期(2018年12月期~2022年12月期)及び2023年12月期第2四半期のセグメント別売上高と営業利益は、期ごとに多少の変動があるものの、構成比が逆転するなど大きな変動はなく安定して推移した。ただし2022年12月期より収益認識会計基準を適用しているため、2022年12月期以降の売上高は従来方法に比べて大幅に減少の形となっているが、営業利益への影響は軽微である。2022年12月期について2021年12月期との売上高の単純比較はできないが、旧基準の売上高に相当する取扱高で見ると前期比11.6%増の38,515百万円となった。そして、特にエージェンシー事業の自社企画サービスがけん引して営業利益は大幅増益となった。なお2022年12月期の売上総利益の構成比は自社企画サービスが67%、他社仕入サービスが33%で、売上総利益率は自社企画サービスが37%、他社仕入サービスが10%となった。


自社企画サービスが強み
2. 特徴・強みと主要商材
同社のインターネット広告業界におけるポジションは、サプライチェーンを横断的に包含した総合インターネット広告代理店として、売上高では大手3社(電通グループ、博報堂DYグループ、サイバーエージェント)に次ぐ規模となっている。そして、広告主と生活者をつなぐ事業体制を確立し、市場ニーズを追求した自社企画サービスを特徴・強みとして業容を拡大している。

(1) エージェンシー事業
エージェンシー事業では、フルファネル対応のマーケティング支援を提供している。フルファネルとは、消費者の商品購買過程を行動プロセスに分けてモデル化した「ファネル」の全体に対して、認知からCRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)まで一気通貫で、共通のマーケティング施策やキャンペーンで消費者にアプローチする考え方である。認知から興味喚起・動機形成、購買、ファン化にいたる全フェーズに対応し、広告ROI(Return On Investment=投資収益率)最大化への施策を顧客ニーズに合わせて提供している。

商材としては、アフィリエイト広告一元管理ツール「TRUE Affiliate byGMO」が成長ドライバーとなっている。同サービスは、ワンタグシステム※1・アドベリフィケーション※2・運用自動化により、アフィリエイト広告で顧客のビジネス成長を加速させる統合管理型プラットフォームである。広告主のブランド毀損リスクに対応し、不適切な媒体への広告掲載防止や誇大広告の恐れのあるワードの個別設定など、独自開発のブランドセーフティ機能(業界初・特許取得済)を特徴・強みとして顧客から高い評価を得ている。このほかの商材として、LINE(株)の法人向けサービス「LINE公式アカウント」のメッセージング管理機能で、顧客セグメントに応じたLINEでのターゲティング配信を実現するMessaging APIツール「TRUE Connect byGMO」や、企業のSNS・YouTube公式アカウントをフルサポートする「オーガニック運用代行パッケージメニュー」なども提供している。

※1 ワンタグシステムとは、顧客が複数プラットフォームの広告の設定(広告タグの設定)をせず、1つの設定で様々なサービスを利用するための仕組みのこと。
※2 アドベリフィケーションとは、配信された広告が、イメージ低下を招くようなサイトや、見えにくい・表示されないなどの不適切な掲載方法を取っているサイトなど、広告主の意に沿わないサイトに掲載されていないかを検証する仕組みのこと。


新規事業への取り組みとしては、GMO NIKKOが2022年7月に「GMOメタバースラボ」を設立してメタバース事業に参入した。デジタルマーケティング技術のインターネット広告事業や、ブロックチェーン技術を活用したNFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)事業の知見・ノウハウを組み合わせて、メタバース空間を活用したビジネスの立ち上げサポートなど多様なサービスを展開する方針だ。

2022年9月には、店舗・施設運営事業者やECサイト向けに3D空間制作から集客までをワンストップで支援する「GMOメタバース for Shop」の提供を開始した。2022年11月には、TikTokに特化したクリエイター共創型マーケティング事業を展開する(株)Nateeと資本業務提携した。TikTokをはじめとしたショート動画活用によるマーケティング支援を強化する。2023年4月にはポールトゥウイン(株)やネクスパート法律事務所など複数のパートナー企業と連携し、ブランド毀損リスクを排除して安全な広告出稿をサポートする「Ad Safety byGMO」の提供を開始した。

(2) メディア・アドテク事業
メディア・アドテク事業のメディア分野においては、アドテクノロジー分野の技術開発を支える自社メディアを展開している。生活者の興味や関心を把握し、インターネット利用に溶け込んだ広告配信を探求する。主力のライフスタイルメディア「michill(ミチル) byGMO」は、はたらく女性の「もっと日常を便利にしたい」を見つけるために、信頼できる情報・ノウハウ・コツを提案する生活情報サイトである。2022年3月に月間利用者数(MAU)が1,000万人を突破するなど、ファッション&ビューティーカテゴリーで国内トップクラスのメディアに成長している。なお2023年12月期第2四半期時点でSNSフォロワー数(インスタグラム+TikTok)は116万となった。

アドテクノロジー(広告配信を高度にシステム化した配信技術)分野においては、広告主に対する広告配信の最適化、メディア(広告媒体)に対する広告掲載の最適化をサービスとして提供している。主要商材としては、スマートフォン向けインフィード特化型アドネットワーク「AkaNe byGMO」、DSP※1のコンテンツ集客特化型広告配信プラットフォーム「ReeMo byGMO」、SSP※2のメディア収益最大化プラットフォーム「GMO SSP」などがある。

※1 DSPはDemand-Side Platformの略で広告主側のプラットフォーム。
※2 SSPはSupply-Side Platformの略で媒体メディア側のプラットフォーム。


新規事業への取り組みとしては、2023年3月にGMOアドマーケティングが、車両広告プラットフォーム「WithDrive」を提供する(株)Essenと資本業務提携した。これにより、GMOアドマーケティングはEssenに対する車両ラッピング広告によるマーケティング支援を強化し、屋外広告を指すOOH(Out of Home=看板や駅構内広告など家庭外の広告全般を指す)や、DOOH(Digital Out of Home=OOH広告の一種で、デジタルサイネージなどデジタル技術を活用したOOH広告を指す)市場における新たな価値の創出を目指す。また同年7月には、インターネットメディア各社が独自に提供する運用型広告プラットフォームを、トレーディングデスク形式(広告主の出向媒体や広告配信の設計、入稿作業、広告運用、予算配分、レポーティング、分析まで一貫して運用する形式)で運用する「GMO MediaDirect」の提供を開始した。広告主における広告運用管理負担の軽減や入札額抑制を両立し、広告効果の最大化を実現するサービスである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均