貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9064 ヤマトホールディングス

東証P
1,726.0円
前日比
+6.0
+0.35%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
118 1.04 2.67 8.31
時価総額 6,222億円
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丸運 Research Memo(2):石油輸送に強みがある老舗の総合物流会社(1)


■会社概要等

1. 会社概要
丸運<9067>の創業は明治25年(1892年)9月で、2022年に130周年を迎えた老舗の運送会社である。「利他自利(他人のために利益を図ることによって、初めて自らも利益を得ることができる)」という創業者スピリットのもとで、今日まで、明治、大正、昭和、平成、令和と連綿と経営を続け、幾たびかの困難を乗り切り発展を遂げてきた。

この創業者スピリットを発展的に継承した「お客さまの物流ソリューションを、最高の品質と創造力で提供し、社会の発展、企業の繁栄、個人の幸福に貢献します」という新たなミッションを加え、同時に「コンプライアンス行動の最優先」「環境マインドの醸成とサスティナブルな社会づくり」「人材育成・活用とダイバーシティの推進」などにも取り組むグループ経営理念を2015年12月に掲げた。2022年3月期からは以前より取り組んできたCSR経営を基に事業活動と一体化させ、さらなるグループの成長に結び付けるESG経営へ移行した。ESG経営の推進により、社会・経済活動のインフラを担い、持続可能な社会の実現に貢献していく。

総合物流企業として、北海道から九州までの幅広い地域で、物流センターをはじめとした保管・輸送の拠点を持つことで、顧客のニーズに応えている。また海外でも、中国に丸運国際貨運代理(上海)有限公司、丸運安科迅物流(常州)有限公司、丸運物流(天津)有限公司と3つの現地法人(8拠点)を有するほか、2017年8月にベトナム(ハノイ)で丸運物流ベトナムを現地法人化し、現在はホーチミン支店、ハナム営業所を展開している。

海外拠点では、主に中国やベトナムでビジネスを行う日系企業を、ロジスティクス面で支えている。中国については、ターゲットを定めた営業を図り新規顧客の獲得を目指すとともに、ベトナムでは物流サプライチェーンの強化で業容拡大を目指す方向である。点から線へ、線から面へとビジネスが広がっており、今後が期待される。

物流企業とひと口で言っても、宅配便を中心としたヤマトホールディングス<9064>を代表とするBtoCをメインの事業とする企業と、企業物流のサポートを中心とするBtoBの企業に大別することができるが、同社は後者に属する。

同社をセグメント別に見ると、2023年3月期の営業収益構成比率が最も高いのは貨物輸送で、一般的なトラック貨物輸送等が中核となる。また同社はENEOSグループの一員であることから、石油や石油製品に関連する輸送ビジネスの構成比も高く、エネルギー輸送全体の90%以上を占める。このほか海外物流、テクノサポートを展開している。

2. 事業概要
以下、その他を除く4つのセグメントをさらに詳細に分けた、個々の事業について紹介する。貨物輸送が営業収益全体の約半数を占めているが、同社が展開する貨物輸送の分野は幅広く、輸送業務はもちろん、倉庫などの保管業務等も手掛ける。

(1) トラック輸送
自社配送網と提携先を駆使し、1つの配送業者と契約するのに比べ、安価で安全、確実、迅速なサービスを提供している。「共同輸送(全国配送)」のほか、請求書や証明書等ビジネスレター(信書)を安全・確実に届ける「特定信書便輸送」等、グループ会社や協力会社を含め、全国に展開するきめ細かなネットワークで、顧客のニーズに沿うビジネスを展開している。

(2) 一般貨物倉庫
同社は保管機能だけでなく、流通加工や配送機能を有した物流センターを全国各地に設置している。保管機能は危険物倉庫、保税倉庫、定温倉庫、冷蔵・冷凍倉庫等多種多様な用途に対応している。さらに天井クレーンなど貨物の特性に合わせた各種設備も備え、顧客のニーズに応える物流をトータルサポートしている。各拠点では、送り状、荷札発行、入出庫管理、在庫管理、請求書発行及び車両管理や物流EDI等の情報を一元管理できるシステムを導入している。

(3) 重量品搬入・据付
重量物・長尺物の輸送はもとより、各種機械・装置の運搬据付工事や解体撤去等を手掛ける。現地調査、法令の確認、企画・計画の立案、施工管理等、総合的なサービスを提供する。

(4) 鉄道輸送
同社にとってはルーツとも言える事業である。それは、同社が鉄道による木材輸送を担う目的で創業されたためだ。長年の経験と実績により培われたノウハウをもとに、ドア・ツー・ドアで安全確実な輸送サービスを提供するとともに、トータルコストの削減にも貢献している。JR貨物(日本貨物鉄道(株))及び全国の鉄道利用運送事業者と連携し、北海道から九州まで張り巡らされたネットワークを活用し、顧客に効率的な一貫輸送サービスを提供している。JRの不採算路線の廃止問題という不透明要因はありながらも、地球環境問題から、モーダル・シフトの重要性が叫ばれるため、期待もできる分野だ。

(5) 産業廃棄物収集運搬
PCB等の産業廃棄物の処理をサポートする「静脈物流」の事業を展開している。顧客の要望に合わせて、コンプライアンスを重視した適正処分を提案し、PCB廃棄物の濃度分析から搬出・解体・抜油等各種作業、収集運搬まで一貫したサービスを展開している。同社は、中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)東京事業所、北九州事務所及び北海道での収集運搬業者として認定を受けており、廃石綿(アスベスト)の処分業者の紹介と収集運搬を行っている。産業廃棄物(特別管理を含む)収集運搬業許可を全国規模で取得しており、グループで各種情報機器や事務什器類等の産業廃棄物収集運搬を行う。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

《SO》

 提供:フィスコ

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