利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 27社選出 <成長株特集>
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
今回は18日に配信した時価総額3000億円以上の銘柄を対象とした「第1弾」に続き、18日時点の時価総額が600億円以上3000億円未満の中から、23年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している27社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、バイオ創薬ベンチャーのジーエヌアイグループ <2160> [東証G]。23年4-6月期(第2四半期)の税引き前利益は51.8億円とこれまでの過去最高益を7.7倍も上回って着地。米子会社Cullgenがアステラス製薬 <4503> [東証P]と結んだ戦略的提携に基づく契約一時金47.2億円を計上したことが収益を大きく押し上げた。また、主力の特発性肺線維症治療薬「アイスーリュイ」の販売が中国で想定以上に好調だった。
2位にリスト入りした三菱ロジスネクスト <7105> [東証S]の4-6月期(第1四半期)経常利益は96.2億円(前年同期は14.7億円の赤字)と3四半期連続の最高益更新を遂げた。部品の欠品が解消に向かい、米州を中心にフォークリフトの販売台数が増加したうえ、値上げの浸透や為替の円安進行も追い風となった。株価は8月14日に約3年半ぶりの高値1439円をつけ、その後も頑強な動きを続けている。
続く3位のウェルネオシュガー <2117> [東証P]は今年1月に経営統合した伊藤忠製糖の業績上積みが寄与し、4-6月期(第1四半期)は税引き前利益の過去最高益を14四半期ぶりに更新した。コスト上昇に対する販売価格への転嫁を進めたことに加え、有利な原料調達ができたことも利益拡大につながった。
4位のメドレー <4480> [東証P]は医療ヘルスケア領域の人材採用システム「ジョブメドレー」で顧客事業所数と従事者会員数が引き続き順調に増加し、4-6月期(第2四半期)の経常利益は過去最高だった前年同期を59.2%上回る22.7億円に伸びて着地。業績好調に伴い、23年12月期通期の同利益を従来予想の17.6億円→30億円に大幅上方修正し、従来の5期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。
5位にリストアップされたミズノ <8022> [東証P]の4-6月期(第1四半期)経常利益は63.2億円と過去最高だった前年同期を39.8%上回って着地。国内で野球やサッカー、バレーボールなど競技スポーツ用品の販売が好調だった。また、海外ではゴルフ用品が引き続き堅調に推移したほか、韓国や東南アジアでサッカー用品などの販売も伸びた。第1四半期実績だけで、通期計画の150億円に対する進捗率は42.2%に達しており、業績上振れが期待される。好決算を受けて、株価は約27年1ヵ月ぶりの高値圏を快走している。
6位のマックス <6454> [東証P]の4-6月期(第1四半期)経常利益は前年同期比36.1%増の41.9億円と4四半期ぶりに過去最高益を更新した。インダストリアル機器部門で北米向けに鉄筋結束機や消耗品などの販売が伸びたほか、為替の円安によるプラス効果も収益を押し上げた。業績好調に伴い、24年3月期通期の経常利益を従来予想の106億円→119億円に上方修正し、従来の3期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。好決算が評価され、株価は8月1日に約33年1ヵ月ぶりの高値2960円まで買われる場面があった。
8位に入った樹脂製バルブメーカーの旭有機材 <4216> [東証P]は足もとで半導体製造装置向けの旺盛な需要を捉えており、業績は急拡大を続けている。直近3ヵ月の4-6月期(第1四半期)は半導体関連の大型工事案件を背景に樹脂製バルブが引き続き好調に推移し、売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を達成した。株価は8月1日に約29年1ヵ月ぶりの高値をつけたが、その後は大きく調整を強いられている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<2160> ジーエヌアイ 666 5181 676 130 4143 1805 53.2 *
<7105> ロジスネクス 78.9 9629 5383 67.7 23000 13714 11.4
<2117> ウェルネオS 61.3 2614 1621 115 6800 3168 13.7 *
<4480> メドレー 59.2 2278 1431 96.6 3000 1526 76.6
<8022> ミズノ 39.8 6328 4525 6.8 15000 14039 10.9
<6454> マックス 36.1 4196 3082 13.8 11960 10510 14.8
<7839> SHOEI 32.1 3235 2449 34.9 11470 8503 15.6
<4216> 旭有機材 27.4 4353 3416 0.5 12200 12140 8.9
<7327> 第四北越FG 25.3 13350 10654 9.8 27500 25048 8.9
<5310> 東洋炭素 23.2 3072 2493 19.3 9300 7795 16.3
<6364> 北越工 22.6 2161 1763 18.7 6700 5643 13.3
<5352> 黒崎播磨 21.9 4754 3901 11.7 13500 12083 8.4
<5351> 品川リフラ 21.4 3977 3277 30.9 15000 11457 5.2
<2733> あらた 20.6 4669 3872 4.0 14300 13745 10.4
<2175> エスエムエス 13.9 4609 4046 13.7 9960 8759 31.1
<6516> 山洋電 13.0 4817 4264 18.1 16800 14226 6.5 *
<8584> ジャックス 12.8 11139 9874 5.4 33500 31769 8.0
<7740> タムロン 12.2 4302 3833 10.5 12700 11496 9.5
<7821> 前田工繊 11.6 2519 2257 3.6 9000 8690 15.5
<8114> デサント 10.5 4490 4065 11.5 13000 11664 26.7
<6088> シグマクシス 9.5 1086 992 17.9 3850 3265 21.0
<4559> ゼリア新薬 8.9 3355 3082 18.7 9000 7579 14.5
<9267> Genky 6.8 2030 1900 2.4 7250 7079 17.1
<9039> サカイ引越 5.5 5691 5394 5.2 12707 12080 11.6
<7846> パイロット 4.9 8861 8451 1.6 23000 22633 12.2
<9759> NSD 1.4 3377 3330 10.6 14000 12662 23.9
<9090> AZ丸和HD 0.8 3751 3723 17.2 14000 11949 29.9
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
今回は18日に配信した時価総額3000億円以上の銘柄を対象とした「第1弾」に続き、18日時点の時価総額が600億円以上3000億円未満の中から、23年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している27社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、バイオ創薬ベンチャーのジーエヌアイグループ <2160> [東証G]。23年4-6月期(第2四半期)の税引き前利益は51.8億円とこれまでの過去最高益を7.7倍も上回って着地。米子会社Cullgenがアステラス製薬 <4503> [東証P]と結んだ戦略的提携に基づく契約一時金47.2億円を計上したことが収益を大きく押し上げた。また、主力の特発性肺線維症治療薬「アイスーリュイ」の販売が中国で想定以上に好調だった。
2位にリスト入りした三菱ロジスネクスト <7105> [東証S]の4-6月期(第1四半期)経常利益は96.2億円(前年同期は14.7億円の赤字)と3四半期連続の最高益更新を遂げた。部品の欠品が解消に向かい、米州を中心にフォークリフトの販売台数が増加したうえ、値上げの浸透や為替の円安進行も追い風となった。株価は8月14日に約3年半ぶりの高値1439円をつけ、その後も頑強な動きを続けている。
続く3位のウェルネオシュガー <2117> [東証P]は今年1月に経営統合した伊藤忠製糖の業績上積みが寄与し、4-6月期(第1四半期)は税引き前利益の過去最高益を14四半期ぶりに更新した。コスト上昇に対する販売価格への転嫁を進めたことに加え、有利な原料調達ができたことも利益拡大につながった。
4位のメドレー <4480> [東証P]は医療ヘルスケア領域の人材採用システム「ジョブメドレー」で顧客事業所数と従事者会員数が引き続き順調に増加し、4-6月期(第2四半期)の経常利益は過去最高だった前年同期を59.2%上回る22.7億円に伸びて着地。業績好調に伴い、23年12月期通期の同利益を従来予想の17.6億円→30億円に大幅上方修正し、従来の5期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。
5位にリストアップされたミズノ <8022> [東証P]の4-6月期(第1四半期)経常利益は63.2億円と過去最高だった前年同期を39.8%上回って着地。国内で野球やサッカー、バレーボールなど競技スポーツ用品の販売が好調だった。また、海外ではゴルフ用品が引き続き堅調に推移したほか、韓国や東南アジアでサッカー用品などの販売も伸びた。第1四半期実績だけで、通期計画の150億円に対する進捗率は42.2%に達しており、業績上振れが期待される。好決算を受けて、株価は約27年1ヵ月ぶりの高値圏を快走している。
6位のマックス <6454> [東証P]の4-6月期(第1四半期)経常利益は前年同期比36.1%増の41.9億円と4四半期ぶりに過去最高益を更新した。インダストリアル機器部門で北米向けに鉄筋結束機や消耗品などの販売が伸びたほか、為替の円安によるプラス効果も収益を押し上げた。業績好調に伴い、24年3月期通期の経常利益を従来予想の106億円→119億円に上方修正し、従来の3期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。好決算が評価され、株価は8月1日に約33年1ヵ月ぶりの高値2960円まで買われる場面があった。
8位に入った樹脂製バルブメーカーの旭有機材 <4216> [東証P]は足もとで半導体製造装置向けの旺盛な需要を捉えており、業績は急拡大を続けている。直近3ヵ月の4-6月期(第1四半期)は半導体関連の大型工事案件を背景に樹脂製バルブが引き続き好調に推移し、売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を達成した。株価は8月1日に約29年1ヵ月ぶりの高値をつけたが、その後は大きく調整を強いられている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<2160> ジーエヌアイ 666 5181 676 130 4143 1805 53.2 *
<7105> ロジスネクス 78.9 9629 5383 67.7 23000 13714 11.4
<2117> ウェルネオS 61.3 2614 1621 115 6800 3168 13.7 *
<4480> メドレー 59.2 2278 1431 96.6 3000 1526 76.6
<8022> ミズノ 39.8 6328 4525 6.8 15000 14039 10.9
<6454> マックス 36.1 4196 3082 13.8 11960 10510 14.8
<7839> SHOEI 32.1 3235 2449 34.9 11470 8503 15.6
<4216> 旭有機材 27.4 4353 3416 0.5 12200 12140 8.9
<7327> 第四北越FG 25.3 13350 10654 9.8 27500 25048 8.9
<5310> 東洋炭素 23.2 3072 2493 19.3 9300 7795 16.3
<6364> 北越工 22.6 2161 1763 18.7 6700 5643 13.3
<5352> 黒崎播磨 21.9 4754 3901 11.7 13500 12083 8.4
<5351> 品川リフラ 21.4 3977 3277 30.9 15000 11457 5.2
<2733> あらた 20.6 4669 3872 4.0 14300 13745 10.4
<2175> エスエムエス 13.9 4609 4046 13.7 9960 8759 31.1
<6516> 山洋電 13.0 4817 4264 18.1 16800 14226 6.5 *
<8584> ジャックス 12.8 11139 9874 5.4 33500 31769 8.0
<7740> タムロン 12.2 4302 3833 10.5 12700 11496 9.5
<7821> 前田工繊 11.6 2519 2257 3.6 9000 8690 15.5
<8114> デサント 10.5 4490 4065 11.5 13000 11664 26.7
<6088> シグマクシス 9.5 1086 992 17.9 3850 3265 21.0
<4559> ゼリア新薬 8.9 3355 3082 18.7 9000 7579 14.5
<9267> Genky 6.8 2030 1900 2.4 7250 7079 17.1
<9039> サカイ引越 5.5 5691 5394 5.2 12707 12080 11.6
<7846> パイロット 4.9 8861 8451 1.6 23000 22633 12.2
<9759> NSD 1.4 3377 3330 10.6 14000 12662 23.9
<9090> AZ丸和HD 0.8 3751 3723 17.2 14000 11949 29.9
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
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