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3915 テラスカイ

東証P
1,948円
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PER PBR 利回り 信用倍率
44.5 2.37 7.43
時価総額 252億円
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BeeX Research Memo(1):2024年2月期第1四半期は大幅増収増益で着地


■要約

BeeX<4270>は、DX(Digital Transformation)及びマルチクラウドという2つの領域を軸にクラウドソリューション事業を展開している。企業の基幹システムの基盤環境をオンプレミスからクラウドへ移行するクラウドテクノロジーに特化したプロフェッショナル集団である。

1. クラウドインテグレーション、MSP、クラウドライセンスリセールを展開
同社はサービス区分を、SAPを中心としたクラウド環境構築・移行のクラウドインテグレーション、クラウド移行後の保守・運用のMSP(Managed Service Provider)、AWSやAzure等のクラウドライセンスの仕入・販売(月額課金)のクラウドライセンスリセールとしている。計画・設計・構築フェーズであるクラウドインテグレーションの受注増加は、その後の運用フェーズとなるMSP及びクラウドライセンスリセールの受注増加につながる。フロービジネスを起点にストックビジネスへ移行して顧客との長期リレーションを確立するビジネスモデルである。2023年2月期の売上構成比は、クラウドインテグレーションが28.6%、MSPが11.4%、クラウドライセンスリセールが60.0%だった。ストック型売上となるMSPとクラウドライセンスリセールを合計したストック型売上構成比は70%台に上昇している。特徴・強みとしては、クラウドテクノロジーのスペシャリストとしてビジネス展開していること、マルチクラウドでサービス提供が可能な各種認定を取得していること、フロービジネスを起点にストックビジネスへ移行して顧客との長期リレーションを確立していること、大手企業を中心に強固な顧客基盤を構築していることなどが挙げられる。

2. 2024年2月期第1四半期は大幅増収増益で着地
2024年2月期第1四半期の業績(非連結)は、売上高が前年同期比34.1%増の1,677百万円、営業利益が同63.7%増の152百万円、経常利益が同68.3%増の152百万円、四半期純利益が同68.6%増の104百万円と、大幅増収増益で着地した。各サービスとも順調に拡大し、販管費の増加を吸収した。営業利益率は同1.6ポイント上昇して9.1%となった。サービス別の売上高は、クラウドインテグレーションが既存顧客からの追加案件受注や新規顧客獲得などで同36.8%増の476百万円、MSPが取引社数の増加で同10.9%増の178百万円、クラウドライセンスリセールが新規契約数の増加や為替の円安影響で同37.9%増の1,021百万円だった。主要KPIを見ると、クラウドインテグレーションのプロジェクト数は189件で同2件減少したが過去最高水準、MSPの取引社数は同12社増加して73社、クラウドライセンスリセールのビジネスアカウント数は同136アカウント増加して396アカウントとなった。

3. 2024年2月期通期は小幅増益予想だが上振れの可能性
2024年2月期通期の業績(非連結)予想は期初計画を据え置いて、売上高が前期比20.0%増の6,910百万円、営業利益が同6.0%増の427百万円、経常利益が同3.9%増の425百万円、当期純利益が同4.0%増の311百万円としている。各サービスとも順調に拡大して増収増益予想としている。サービス別売上高はクラウドインテグレーションが同13.3%増の1,866百万円、MSPが同15.0%増の754百万円、クラウドライセンスリセールが同24.1%増の4,290百万円、売上総利益は同23.7%増の1,301百万円、販管費は同34.7%増の874百万円の計画としている。イベント出展など認知度向上に向けたマーケティング強化戦略に伴う営業費用の増加、エンジニアや営業など人材採用・育成戦略強化に伴う人件費・採用費・教育費の増加などを考慮して、利益面は小幅な増益にとどまる会社予想としている。ただし、第1四半期の進捗率が順調(売上高は24.3%、営業利益は35.7%)だったことに加えて、下期に向けてストック売上が積み上がることなども勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高いだろうと弊社では考えている。

4. 事業環境は良好で既存サービス拡大と高付加価値サービス拡充を推進
DX・クラウド関連市場は中長期的に拡大基調が予想されている。さらに、SAPの現在の主力製品であるオンプレミス型「SAP ERP 6.0」及び同製品を同梱した「SAP Business Suite 7」の標準サポートが2027年、延長サポートが2030年に終了するため、これらの製品を利用しているユーザーはクラウド化や、SAPの次世代ERP製品であるS/4HANAへの移行を迫られている。同社が強みとしているSAPシステムのクラウド化移行需要が今後本格化する見込みであることも追い風であり、同社にとって事業環境は良好と考えられる。同社は中期経営計画を公表していないが、成長戦略として認知度向上、販路開拓、クロスセル・アップセル戦略などによって既存サービスの契約先拡大を推進するとともに、DXを実現するプラットフォーム構築やアプリケーション開発など高付加価値な新サービスの拡充、MSP及びクラウドライセンスリセールにおける新サービスの拡充などに取り組む方針としている。

5. 弊社の視点
同社は2016年3月の会社設立以来7期で売上高5,759百万円、営業利益・経常利益4億円規模まで成長した。テラスカイ<3915>の連結子会社として設立され、さらにテラスカイのAWS事業を承継したことを考慮しても、この高成長は同社のクラウドテクノロジーに特化したプロフェッショナル集団としての強みが発揮されている証として、弊社では高く評価している。今後の同社の課題としては、人材採用・育成など需要増加に対応するための体制構築、高付加価値サービスの拡充など一段の利益率向上に向けた事業戦略が想定されるが、事業環境は良好であり、利益率向上戦略の進展状況をフォローしていきたいと弊社では注目している。

■Key Points
・クラウドテクノロジーのプロフェッショナル集団
・2024年2月期第1四半期は大幅増収増益
・2024年2月期通期は小幅増益予想だが上振れの可能性
・事業環境は良好、SAPシステムのクラウド化移行需要本格化も追い風
・会社設立以来の高成長を評価、今後の利益率向上戦略の進展状況に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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