アーバネット Research Memo(7):2024年6月期も売上高、各段階利益ともに過去最高を更新する見通し
■業績見通し
1.2024年6月期の業績予想
2024年6月期の業績についてアーバネットコーポレーション<3242>は、売上高を前期比23.4%増の25,000百万円、営業利益を同2.9%増の2,500百万円、経常利益を同5.2%増の2,250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同3.6%増の1,500百万円としている。増収増益基調の継続により、売上高、各段階利益ともに過去最高業績を更新する見通しである。
引き続き「不動産事業」における販売戸数の拡大が増収に寄与する見通しである。前提となる販売戸数は651戸(前期比67戸増)を予定しており、すでにすべてが契約済となっている。また、「ホテル事業」についても、国内旅行需要の回復やインバウンドの増加等を背景として、年間を通じて客室単価、稼働率ともに安定推移し、売上高の拡大とともに通期での黒字化を達成する想定のようだ。
利益面でも、「ホテル事業」を含めた利益の極大化を図り、各段階利益で増益を確保する見通しである。ただ、工事原価の上昇など厳しい収益環境にあるため、営業利益率は10.0%(前期は12.0%)に若干低下する想定としている。
2. 弊社の見方
弊社でも、計画の前提である販売戸数651戸はすべて契約済みとなっていることから、少なくても売上高予想の達成は可能であると見ている。建設工期の遅れ等が売上高の期ずれにつながる可能性には注意が必要であるが、建設資材の供給不安等については引き続きゼネコン各社と協力しながら一定の対策は講じているようだ。最大の注目点は、いかに将来に向けてパイプラインの積み上げを推進するかにある。同社は、用地仕入要員の強化をはじめ、用地情報チャネルの拡充、事業用地の価値を高めるプラン設計(例えば、権利関係の複雑な土地の有効活用等)などにより、競争力のある用地取得に注力する考えである。また、これまでのようなワンルームマンション(1K)に留まらず、地域の賃貸需要に合わせた設計・開発(例えば、需要が多いわりに供給が少ない1LDKや2DK)にも取り組む方針であり、それらの動きにも注目していきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《YI》
提供:フィスコ