インテリックス Research Memo(9):省エネリノベーションマンションで先行し、中長期的な成長を目指す
■インテリックス<8940>の今後の見通し
3. リノベーションマンション市場の中長期見通し
2022年の首都圏におけるマンションの市場動向について見ると、中古マンションの成約件数は前年比11.0%減の35,429件、新築マンションの供給戸数が同12.1%減の29,569件といずれも2年ぶりの減少に転じた。建設資材の調達遅延や販売価格の上昇傾向が続いたことに対して、景気の先行き不透明感から消費マインドが低下したことが要因と見られる。ただ、2016年以降7年連続で新築を中古マンションが上回る状況となっており、マンション市場において中古マンションの位置付けは年々高くなっていると言える。
中長期的に見ても中古マンション市場はストックの積み上がりにより今後も安定した市場が形成され、リノベーションマンションについては着実な成長が見込まれる。国土交通省の調べによれば、全国のマンションストックは2021年時点で685.9万戸、このうちリノベーションが必要とされる築30年以上の物件は249.1万戸と全体の約36%を占めているが、20年後の2041年には約2.4倍の588.4万戸に拡大すると予想されているためだ。マンションの1棟建て替えには居住者の同意が必要であり、実現が容易でないことも戸別のリノベーションマンション市場拡大を後押しする要因となる。実際、これまでマンション建て替えの実績は実施準備中も含めて全国で316棟(2022年4月時点)にとどまっている。このため、中古マンション市場については今後も戸別でリノベーションを行い、販売する形態が主流であり続けると見られ、とりわけ政府が方針として脱炭素化社会の実現を掲げるなかで、既存住宅の省エネ化促進に向けた施策は今後も継続すると予想され、同分野で先行し内装工事でも豊富な実績を持つ同社の成長余地は大きいと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ