30日の米国市場ダイジェスト:NYダウは37ドル高、利上げ終了期待広がる
■NY株式:NYダウは37ドル高、利上げ終了期待広がる
ダウ平均は37.57ドル高の34,890.24ドル、ナスダックは75.56ポイント高の14,019.31で取引を終了した。
8月ADP全米雇用リポートの民間部門雇用者数の伸びが予想以上に減速したほか、4-6月期国内総生産(GDP)改定値も予想外に下方修正されたため、利上げ終了期待が広がり買いが先行。その後、景気減速を警戒した売りで一時下落に転じる場面もあったが、長期金利の低下や新型アイフォーンの発表期待を受けた携帯端末アップル(AAPL)株の上昇が相場を支え、終日底堅く推移した。終盤にかけては今週発表が予定されているPCEコア価格指数や雇用統計を前にした調整も見られ、伸び悩んで終了。セクター別ではテクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、銀行が下落した。
カルバンクラインなどの衣料ブランドを運営するPVH(PVH)は第2四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回り、通期見通しを引き上げたことが好感され上昇。ディスカウント衣料小売りのTJマックス(TJX)やヨガアパレルのルルレモン(LULU)はアナリストの投資判断引き上げで上昇した。配車サービスのリフト(LYFT)は幹部による自社株購入が明らかになり上昇。
一方、コンピュ―ターメーカーのHP(HPQ)は四半期決算の内容が予想を下回ったほか、注意深い見通しが嫌気されて下落。半導体メーカーのアンバレラ(AMBA)は第2四半期決算で1株損失は予想程には広がらなかったものの、第3四半期の弱い見通しが嫌気され、大きく売られた。地銀のキーコープ(KEY)は銀行監督当局が一部地銀に是正措置の強化を要求したとの報道を警戒して下落。
クラウド型ソフトウエア会社のセールスフォース(CRM)は取引終了後に決算を発表。1株利益が予想を上回り、時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米経済指標の予想下振れもドル売り・円買いは縮小
30日のニューヨーク外為市場でドル・円は、146円37銭から145円56銭までし、146円21銭で引けた。米8月ADP雇用統計は伸びが7月から予想以上に鈍化、さらに、米4-6月期GDP改定値が予想外に下方修正され景気減速見通しが強まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了の思惑に金利低下に連れドル売りに拍車がかかった。その後、米7月中古住宅販売成約指数が6月からマイナスに悪化予想に反し、改善したためドル売りが後退。
ユーロ・ドルは、1.0875ドルから1.0945ドルまで上昇し、1.0924ドルで引けた。ドイツの消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を上回りユーロ圏の金利先高観が再燃しユーロ買いが優勢となった。ユーロ・円は159円10銭から159円76銭まで上昇。日欧金利差拡大観測に円売り、ユーロ買いが強まった。ポンド・ドルは、1.2653ドルから1.2746ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.8796フランから0.8745フランまで下落した。
■NY原油:続伸で81.63ドル、米長期金利の低下や株高を意識した買いが入る
NY原油先物10月限は続伸(NYMEX原油10月限終値:81.63 ↑0.47)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は、前営業日比+0.47ドルの81.63ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは80.88ドル-82.05ドル。米国市場の序盤にかけて82.05ドルまで買われた後、一時80.88ドルまで値を下げたが、米長期金利の低下や株高を意識した買いが観測されており、通常取引終了後の時間外取引で81.72ドルまで反発。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.04ドル -0.13ドル(-0.45%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.26ドル -0.29ドル(-0.34%)
ゴールドマン・サックス(GS)328.58ドル -1.22ドル(-0.37%)
インテル(INTC) 34.53ドル +0.22ドル(+0.64%)
アップル(AAPL) 187.65ドル +3.53ドル(+1.92%)
アルファベット(GOOG) 136.93ドル +1.44ドル(+1.06%)
メタ(META) 295.10ドル -2.89ドル(-0.97%)
キャタピラー(CAT) 282.33ドル +2.30ドル(+0.82%)
アルコア(AA) 29.51ドル -0.10ドル(-0.34%)
ウォルマート(WMT) 161.20ドル +1.15ドル(+0.72%)
《ST》
提供:フィスコ