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2303 ドーン

東証S
2,307円
前日比
-15
-0.65%
PTS
2,307円
10:29 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.0 2.84 0.95
時価総額 76.1億円
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ドーン Research Memo(6):同社防災アプリがデジタル庁公開の「防災DXサービスカタログ」に掲載


■中長期の成長戦略・トピック

1. ドーン<2303>防災アプリがデジタル庁公開の「防災DXサービスカタログ」に掲載
災害情報共有サービス「DMaCS」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ「防災アプリ」は、デジタル庁が公開する「防災DXサービスカタログ」に掲載されたことが契機となり新規導入にはずみがついている。「DMaCS」は地方自治体の災害対策本部における被害者情報等の一元管理と初動対応の意思決定を支援するソリューションであり、全国の自治体で累計30件の導入実績がある。クラウドサービスであるため、災害対策本部業務が場所にかかわらず実行できる点で評価が高い。「防災アプリ」は、住民向けのアプリであり、平時は防災学習やハザードマップの確認、切迫時には避難情報や災害情報を確認できる。東京都や大阪市をはじめとする3都県11自治体で導入されている。また、内閣府では、デジタル技術の活用により、地方自治体における災害対応や被災者支援を円滑化を目的として、自治体のクラウド型被災者支援システムの導入を後押ししている。具体的には、平時の個別避難計画作成・管理機能、災害発生時の避難所関連機能、被災者台帳機能などを定義し、初期導入や運用にかかる費用を交付税措置などで支援するものである。「DMaCS」及び「防災アプリ」はクラウド型システムとして実績があり、デジタル庁等の“お墨付き”と財政措置が追い風となり、自治体の導入検討が円滑に進むことが想定できる。

2. 中計の進捗:中計の4施策ではGov-tech市場深耕と社会課題解決サービスの創出が進捗中
同社は、2023年5月期を初年度とし2025年5月期を最終年度とする3ヶ年の中計の2年目を推進中である。中計の最終年度(2025年5月期)には、売上高で1,550百万円(2022年5月期の1.27倍)、営業利益で、同551百万円(同1.38倍)を計画する(M&Aや新サービスによる増分は考慮していない)。ROE(自己資本当期純利益率)に関しては、M&Aなどを行いつつも10%以上を維持したい考えだ。中計の重点施策は、(1) Gov-tech市場の深耕、(2) 社会課題解決サービスの創出、(3) 社内体制強化・クリエイティブ人財育成、(4) M&A・事業提携、の4つに整理されている。

重点施策(1) Gov-tech市場深耕
前述のとおり、緊急通報システム「NET119」、映像通報システム「Live119」、災害情報共有サービス「DMaCS」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリなどが好調に顧客を獲得しており、全国の消防や自治体への市場深耕は順調である。また、消防以外でも、愛知県や広島県をはじめ7都道県の警察で採用されている防犯アプリは、実際の痴漢被害の解決事案によりその効果が証明され、今後の横展開が期待できる。

重点施策(2) 社会課題解決サービスの創出
同社では、センサー・産業・映像機器等との融合による防災・防犯サービスの創出を重点施策の1つとしており、複数の実証実験等を進行中である。一例としては、映像通報システム「Live119」の拡張機能として、消防本部から救急現場に居合わせた市民に対し付近のAEDの設置場所等の情報を伝送する「AED 位置情報伝送機能」 (特許出願中)をリリース予定である。新サービスの差別性を担保するために知財の取得も積極化しており、過去3年で6件の特許を出願した実績がある。特定市場において、技術的優位性を武器に高いシェアを獲得することにより低価格で品質の高いサービスを行うことが、同社の勝ちパターンである。

重点施策(3) 社内体制強化・クリエイティブ人財育成
人材基盤の強化に関しては、中計初年度に賃金体系の整備を行い、人材流出の抑止や採用条件の強化を行った。また、一部業務で外注活用をすることで、既存人員が中核業務に専念できる体制を整えた。社内アイデアコンペを開催し、発表されたアイデアから製品開発へつなげる取り組みを始動させるなど、クリエイティブ人材育成の取り組みを強化した。2023年5月期の人員数は見た目上は60名から61名への微増となっており、2025年5月期の目標80名とは格差がある。IT人材獲得競争の激化を物語る成果となったが、着実に人材基盤の強化が図られている。

重点施策(4) M&A・事業提携
同社では、成長加速及び新たな収益基盤となる新規分野(防災techやナショナルセキュリティといった社会課題解決サービス)の獲得に向けたグループシナジーの創出につながるM&A・事業提携を積極的に検討する。対象領域としては、AI領域の知見を有する会社、自社内にITエンジニアを抱えるシステム・アプリ開発会社などである。2023年5月期は、従来よりも飛躍的に多い40件以上の候補案件の検討を行うことができた。相乗効果と譲渡価格のバランスが合わない案件も多く、現時点で成約にはつながっていないものの、継続検討している案件もあり、一定の手応えをつかんでいる。進行期のディール状況にも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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