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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9788 ナック

東証P
580円
前日比
-8
-1.36%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.8 1.13 3.79 4.02
時価総額 270億円
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ナック Research Memo(9):2024年3月期は増収増益を見込む。今後も新商品・新サービスなどに注力


■今後の見通し

ナック<9788>の2024年3月期の連結業績は、売上高が60,000百万円(前期比5.1%増)、営業利益が3,500百万円(同8.3%増)、経常利益が3,500百万円(同7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,200百万円(同9.9%増)と、増収増益を見込んでいる。コロナ禍による影響が制限解除で薄くなり、全体として収益は拡大する想定である。

今後は、コロナ禍で生じたビジネス分野で獲得した顧客に、別の関連商品・サービスを働きかける営業戦略を進めることがポイントとなるだろう。アフターコロナにおいても、「ZiACO」やレンタル事業における除菌液や空気清浄機などの感染対策製品に対するニーズは一定程度残ると見られる。利益面では、営業活動の強化を重要な課題としているため、営業スタッフの増加による人件費・販促費などを顧客獲得に向け積極的に投入する方針だ。人材への投資は利益を圧迫する要因となるが、将来的な成長のために不可欠なコストと言える。

(1) クリクラ事業
「feel free」をはじめとした新サーバー、新サービスの開発・提供を強化するほか、システムインフラ「CrePF(クリクラプラットフォーム)」の加盟店への導入を進める。また、営業活動においては、ショッピングモールなど商業施設でのイベント開催を強化することで新規顧客獲得を目指す。

一方で、収益を取り巻く環境は楽観視できない部分がある。昨今の原材料費の急騰に関しては値上げで乗り切ったものの、配達員などの人員確保が難しくなる可能性が高い。配達員確保が重要な課題になりそうだ。

(2) レンタル事業
ダスキン事業では対面で顧客接点を持つことを重視する同社グループの原点に立ち戻り、アフターコロナに求められる商品やサービスの提供により顧客生涯価値の追求に取り組む。また、ダスキンとの資本業務提携契約に基づくケアサービス部門、ヘルスレント部門でのさらなる出店で、首都圏や政令指定都市におけるサービス網の拡大に努める。特に、ケアサービス部門に関しては高齢化の進展やテレワークの浸透でニーズが年を追うごとに拡大することを見込んでいる。ウィズ事業においては、主要顧客の飲食店業界が回復に転じていることから、営業活動の強化・効率化を図る考えだ。外食産業の顧客獲得に注力し、早期の業績回復に注力する。

アーネストでは、引き続き水際対策の支援などを継続していくものの、コロナ禍の一巡によって落ち込むことが想定されている。しかし厚生労働省からの大型受注などにより、この分野におけるアーネストの信頼度が向上した。今後は、新規分野の受注確保や、全国自治体への拡大などを考えている。

(3) 建築コンサルティング事業
工務店向けに、DXやSDGsといった苦手と思われる分野のノウハウ提供及びこれらを推進する新商品の販売を進める。さらに、補助金対象商品を活用した営業手法の強化による販売増を目指すほか、引き続き、研修の充実や無料会員制度のサービス拡充、会員向けアフターサポートの強化などに取り組む。

なお2023年4月1日に、エースホームがナックスマートエネルギーを吸収合併した。存続会社(エースホーム)はナックハウスパートナー(株)として事業を展開している。両社の強みを生かしてシナジーを発揮し、脱炭素社会の実現に向けた新サービスの開発・提供を手掛ける意向である。

(4) 住宅事業
住宅事業は、ジェイウッドにおいて、事業20周年を記念したさまざまなキャンペーンを実施するほか、「KUNIMOKU HOUSE」ブランドにおいては省エネ住宅などの商品ラインアップ充実を図る。ケイディアイでは、不動産ソリューション強化に努める一方、都内23区を中心として用地の仕入れに力を注ぐ。

(5) 美容・健康事業
美容・健康事業では、JIMOSは、アフターコロナにおいて消費者を確実に捉えるための広告活動を展開し、ブランド横断的に広告投資を効率的に行う。一時期落ち込んでいた顧客数も回復が見られ、堅調に推移する見込みである。ベルエアーでは、人生100年時代を見据えサプリメント販路拡大に取り組む。アップセールでは、通販事業の取扱商品の拡充と平行して仕入れによる収益性の向上を図る。トレミーでは、医薬部外品のODM提案を積極展開することで市場環境の変化に柔軟に対応する。また、設備及び人的投資を行い、グループ内各社との垂直連携強化によるメリットの最大化を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

《SO》

 提供:フィスコ

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