ナック Research Memo(5):レオハウスの譲渡により全体の収益構造が一変
■事業概要
5. 住宅事業
ナック<9788>において、近年で大きな変動があった事業である。長く同事業の中核をなしていたレオハウスを2020年5月にヤマダ電機へ譲渡した。2021年3月期にはsuzukuriを建築コンサルティング事業へとセグメント変更し、コンテンツビジネスへの業態転換を行った。また、2021年4月1日を効力発生日として(株)ジェイウッドが(株)国木ハウスを吸収合併し、(株)ケイディアイを含む2社を中心に事業を行っている(国木ハウスの事業はジェイウッドにて「KUNIMOKU HOUSE」ブランドとして継承した)。
ジェイウッドでは「長く愛され続ける家づくり」をコンセプトに本物の木の家を提案している。「KUNIMOKU HOUSE」ブランドでは、駅近を志向する顧客など新たな顧客層へのアプローチに注力している。ケイディアイは首都圏を中心に分譲住宅で2,000棟以上の実績がある。首都圏の厳しい法規制に対応しつつ、自由設計により敷地条件を最大限に活用し、高性能かつデザイン性にも優れた快適な住まいを提案している。
住宅事業は、コロナ禍によって大きな影響を受けた。モデルハウスによる集客営業を行っていたが、コロナ禍によってモデルハウスの運営が立ち行かなくなり、マイナス影響を受けた。そのため、同社は新しい時代の営業手法として、Web個別相談会などの活用を開始した。
レオハウスは長年損失計上が続いていたが、住宅事業の売上の約75%を占めていた。譲渡したことで住宅事業の売上全体に占める構成比は大幅に縮小し、全体の収益構造は一変した。足下ではコロナ禍の影響のほか、資材価格の急騰によって安定した利益を確保するのが難しい状況となっている。
美容・健康事業は黒字体質が定着
6. 美容・健康事業
(株)JIMOSで化粧品販売、(株)ベルエアーでサプリメント及び健康食品販売をそれぞれ展開している。「マキアレイベル」「Coyori」「SINN PURETE(シンピュルテ)」などのブランドを展開し、各種化粧品、医薬品、医薬部外品、栄養補助食品など、自社製品を中心とした通信・対面販売での直販及び卸売販売を行うほか、受託製造(OEM・ODM)により、他社への製品供給も行うことで美容と健康をトータルサポートしている。
以前は利益面で厳しい状況にあったが、黒字体質が定着した。なお、美容・健康事業を中心とした新たな商品開発やビジネス展開を目的として、JIMOSの主力商品の製造委託先だった(株)トレミーを子会社化したほか、自社ECサイトやECモールを中心としたEC事業の強化を目的として、(株)アップセールを設立するなど体制強化に努めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
《SO》
提供:フィスコ