PBシステムズ---23年9月期第3四半期は黒字転換、苦戦要因は収束に向かう
PBシステムズ<4447>は8月10日の大引け後、2023年9月期第3四半期決算を発表した。売上高は前年同期比22.2%増の2,060百万円、営業利益は同41.2%減の95百万円、経常利益は同44.8%減の89百万円、四半期純利益は同45.3%減の62百万円で着地した。前年同期比では大幅減益となっているものの、特定案件が大きく影響する形で赤字に転落していた上期から第3四半期で一気に黒字化している。
セグメント別で見ると、セキュアクラウドシステム事業の売上高は前年同期比19.2%増の1,990百万円、セグメント利益は同48.4%減の93百万円となった。SaaS用プライベートクラウド基盤の大型案件でのCitrix社製ソフトウェア販売や、食品加工などの製造業顧客向けプライベートクラウド構築案件を売上計上した。また、前期よりスライドした特定案件(※製造業向けのVDI構築案件)については、ベテラン技術者の投入による技術的課題の解決を進めると同時に発注元企業とのコミュニケーションの体制を強化。今期末の完成に向けて計画の見直しを行い、着実に進捗している。さらに、最重要戦略と位置付けている人財採用活動についても、中途採用と2024年4月新卒者採用に向けた活動を並行して推進。すでに複数の内定者を獲得し、エンジニアの中途採用も徐々に進んでいる。
エモーショナルシステム事業については、売上高が前年同期比364.1%増の69百万円、セグメント損益は1百万円の黒字に転換(前年同期は18百万円の赤字)した。特許技術に基づく360度の3D仮想空間の表現装置である「MetaWalkers」を活用し、大手通信事業者との協業を推進。遊園地向け専用コンテンツ制作案件や既存MetaWalkersの国営公園内への移設プロジェクトなど、コロナ禍後の国内レジャー需要の回復を契機とした案件による売上拡大にも取り組んだ。また、企業向けメタバースについては第1四半期に受注した企業向けメタバース構築が完了し、その実績を基に自治体向けなどの新規メタバース案件獲得に向けた営業活動を推進した(※各セグメント数値は決算説明資料ベース、全社費用を各セグメントの人員割合で配賦)。
2023年9月期の業績予想については、売上高が前期比11.1%増の2,780百万円、営業利益が同11.0%増の300百万円、経常利益が同12.4%増の295百万円、当期純利益が同11.6%増の205百万円の計画を据え置いている。東証への上場をきっかけに、人財を拡充して成長に向けた体制を構築するなかで費用が増加するものの、それらを吸収して2桁の増収増益、5期連続の最高益更新を目指す。
《FA》
提供:フィスコ