PCNET Research Memo(5):サブスクリプションの受注が好調、ストック収益は順調に拡大
■業績動向
1. 2023年5月期の連結業績
パシフィックネット<3021>の2023年5月期(2022年6月~2023年5月)の連結業績は、売上高が6,404百万円(前期比16.3%増)、営業利益が529百万円(同54.9%増)、経常利益が518百万円(同55.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が336百万円(同60.3%増)だった。
2020年1月のWindows 7サポート終了後、国内のビジネス向け新規PC出荷台数は減少しているものの、同社のITサブスクリプション事業は順調に拡大し、同事業を中心としたストック収益が拡大した。一方、フロー収益については、新型コロナウイルス感染症再拡大や中国ゼロコロナ政策の影響により、ITAD事業は本格的な回復に至らなかった。ただし、高スペックであるサブスクリプション終了品が増加、優良リユース品として同社が運営する「PCNET Auction」を中心に販売し、売上に寄与した。2022年11月にリリースした「排出管理BPOサービス」も複数の大手企業から受注があり、商談も広がってきている。コミュニケーション・デバイス事業においては回復が鮮明となった。
2023年後半からのPC更新需要拡大へ向け、人材・DX・設備等へ戦略投資を継続的に行った結果、コストは増加したが、サブスクリプション資産の世代交代や効率化を図ることで、資産稼働率・収益性が大幅に改善してカバーすることができた。
環境変化に強く持続的成長が可能な収益構造に転換
2. 事業構造改革の成果
同社はITサブスクリプションを中心としたストック収益の拡大を最も重要な経営課題と位置付けている。これまで取り組んできた事業構造改革により、環境変化に強く持続的成長が可能な収益構造に転換した。フロー収益は緩やかに減少する一方で、ITサブスクリプション事業の売上高は2017年5月期の922百万円から2023年5月期には4,478百万円に成長する等、構造改革に成功している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《YI》
提供:フィスコ