GameWith Research Memo(9):メディア事業、eスポーツ・エンタメ事業、新規事業の3本柱の収益構造へ
■今後の見通し
2. 中期成長戦略
GameWith<6552>は、既存事業であるメディア事業及びクリエイターマネジメント事業の安定した収益基盤の確立に加え、新たにeスポーツ及び新規事業(NFT・回線等)で売上高を拡大させていく戦略を掲げている。
eスポーツ・エンタメ事業においては、政府によるeスポーツの強化支援、五輪採用に向けた検討が進むなど、競技シーンは今後大きく盛り上がる可能性があり、同社は日本を代表するeスポーツチームとして認知度の向上、チームの価値強化、さらなるファンの獲得などを進める方針である。2023年6月にシンガポールで国際オリンピック委員会主催のオリンピック・eスポーツシリーズが開催されたほか、9月に開催されるアジア競技大会ではeスポーツが正式種目として採用されるなど市場動向が注目されている。同社によれば、2021年に7,842百万円だった国内eスポーツ市場規模は、2024年に15,018百万円、2025年に17,968百万円へと成長する見通し。世界にはさらなる大きな市場があり、同社は国内だけでなく世界で戦うチームとして、世界大会への出場や韓国拠点の設立、アジアリーグへの参加などを実現している。
また新規事業についても、NFTゲーム事業、回線事業ともに中長期での成長が見込まれる。特にNFTゲーム市場においては、今後、大手ゲーム企業の参入が見込まれ、NFTゲームのクオリティがWeb2ゲームレベルに向上すれば、ゲームプレイ人口も爆発的に増加する可能性を秘めている。今後も様々なNFTゲームが市場に投入されることを考えると、同社においても既存の「EGGRYPTO」の新規ユーザー数拡大や継続率上昇を進めると同時に、差別化された第2、第3の新たなNFTゲームの開発・運用についても必要となるだろう。市場自体が急成長することは確実視されるが、そのなかで競争環境の激化も見込まれることから、メディアである「GameWith」を通してアプローチ可能な潜在的なユーザーに対していかに価値あるゲームを提供できるかがカギとなろう。一方、回線事業については、ユーザーの獲得が着実に将来の利益へつながる構図のため、1ユーザーあたりの顧客獲得コスト最小化と、新規契約後の解約率をいかに低減できるかが重要となるだろう。同社が今後、回線事業においてユーザー数を大きく増やすためにどのようなプロモーション施策や先行投資を実施するかに注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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提供:フィスコ