本日の注目個別銘柄:ZHD、ネットワン、UACJなど
<7974> 任天堂 6172 -185
大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は1854億円で前年同期比82.4%増となった。主力のNSWプラットフォームの売上高が大幅に拡大したこと、モバイル・IP 関連等の売上がマリオ映画の収益配分などで急拡大したことなどが主因。市場コンセンサスは上回ったが、マリオ映画の世界的大ヒットや「ゼルダティアキン」の販売好調から、足元で期待感は大きく高まっていたため、目先の出尽くし感が先行した。
<4689> ZHD 427.8 +46.3
急伸。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は593億円で前年同期比19.5%増となり、コンセンサス水準を150億円近く上振れたとみられる。PayPay連結化による戦略事業を筆頭に主要3事業ともに売上が拡大し、販促費の効率化などコストの削減も想定以上に進んだもよう。中期業績コンセンサスなどの切り上がりにつながる形となっている。
<4452> 花王 5558 +308
大幅反発。前日に上半期決算を発表、営業利益は259億円で前年同期比51.7%減となり、通期予想は従来の1200億円から600億円に下方修正した。ただ、構造改革費用の計上が下振れ要因であり、一過性要因を除くコア営業利益は1200億円を据え置き。また、中期計画の見直しを発表、不採算事業の見直し、人財構造改革、収益構造改革を進めていくことなどを示しており、本格的な改革への着手としてポジティブ材料に。
<9064> ヤマトHD 2713.5 +157
大幅反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は16億円で前年同期比33.9%減となった。赤字転落との見方もあっただけに、想定以上に健闘との評価が先行した。取扱数量の減少に加え、コスト高なども響き、減益要因となった。通期計画は売上高計画を下方修正したものの、構造改革効果などで営業益は800億円を据え置いた。コンセンサスは770億円程度と下振れを見込んでおり、目先の安心感につながったようだ。
<6141> DMG森精機 2559 +215
大幅反発。前日に上半期決算を発表、営業利益は226億円で前年同期比27.5%増、第1四半期の同2.6%増に対して、4-6月期は同56.2%増と増益率は拡大している。通期計画は従来の500億円から525億円、前期比27.4%増に上方修正。想定以上の受注が底堅く推移していること、為替レートの円安方向への修正が業績上振れ要因に。世界的に景況感が悪化している中での好決算にポジティブな評価が高まる形へ。
<6952> カシオ計 1256.5 +76.5
大幅反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は43億円で前年同期比10.5%減となっている。ただ、市場コンセンサスを10億円程度上振れる着地となり、ポジティブな反応が先行する形に。楽器事業やシステム事業などは厳しい立ち上がりであったが、時計事業が増益を確保と下支えした。インバウンド需要の増加などが背景となっている。なお、通期予想の160億円、前期比11.9%減は据え置いている。
<7518> ネットワン 2563 -625
急落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は16.7億円で前年同期比39.6%減、据え置きの通期予想246億円、前期比19.2%増に対し、極めて低調なスタートと受けとめられている。製品販売における為替影響や製品サポートの逆ザヤ、販管費の増加などが減益要因に。受注高も500億円で前年同期比15.5%減と低調、大型案件の一巡なども要因だが、通期業績達成への不透明感が強まる形に。
<5801> 古河電工 2396.5 -205
大幅続落。前日に第1四半期決算を発表、営業損益は28億円の赤字となった。第1四半期の厳しい状況は会社側からも示されていたが、想定以上の収益悪化となった。情報通信やエネルギーインフラなどがセグメント赤字で、電装エレクトロニクスなども極めて低い進捗率に。自動車部品・電池、機能製品事業などの今後の回復を見込んで、通期予想240億円は据え置いているが、達成のハードルは高まったとの見方に。
<5741> UACJ 3260 +496
急騰。前日に第1四半期決算を発表、在庫評価益を除いたベースでの営業利益は110億円となり、前年同期89億円から増益となっており、通期計画比では31%の進捗率ともなっている。国内アルミ出荷量の低迷が続いているなどから、通期業績は会社計画の下振れがコンセンサスとなっていたため、想定以上の第1四半期好進捗にポジティブな評価が先行。値上げ浸透や高利益率製品へのシフトの進展などが背景とみられている。
<3110> 日東紡 3245 +501
ストップ高比例配分。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は8.9億円で前年同期比66.1%減となったが、上半期計画は従来の収支均衡から25億円、同45.6%減に、通期では40億円から65億円、前期比33.2%増に上方修正している。高付加価値製品の販売減少、原料費・電燃費の上昇などが減益要因となったが、低誘電ガラスの需要急回復など、電子材料分野が想定以上に回復しているもよう。
《ST》
提供:フィスコ