サイバートラスト Research Memo(5):規制に適合したサービス提供や技術革新への対応を強化
■事業概要
5. リスク要因・収益特性と対策・課題
サイバートラスト<4498>におけるリスク要因としては、製品陳腐化や技術革新への対応遅れ、電子証明書発行業務の信頼性低下、国・国際監視機関等による法的規制や自主規制ルールによる電子証明書発行業務への制約、半導体を含む部品・材料調達のサプライチェーン全体の不安定化によるIoTサービスの顧客である製造業の投資への影響などがある。これに対して同社は、ルール策定・改定等に対する情報収集や規制に適合したサービスの速やかな提供に努めるとともに、自主監査などを通じて電子証明書発行の信頼性を高める施策を継続的に実行している。また技術革新への対応として、量子コンピュータでも容易に解読できない新しい暗号技術(PQC)の研究開発などを強化している。
なお、同社はSBテクノロジーの連結子会社(同社の議決権の58.01%を保有)であるが、社外取締役を3名選任するなど、経営の独立性は確保している。また同社の顧客別売上高の第1位はSBテクノロジー、第2位はソフトバンク<9434>となっているが、いずれも連結売上高に占める割合が10%未満であり、特定顧客への依存度として特に懸念される高さとは言えないだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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提供:フィスコ