ランドコンピュ Research Memo(5):2023年3月期は2期連続して過去最高益
■ランドコンピュータ<3924>の業績動向
1. 2023年3月期の連結業績概要
コロナ禍の影響を受けた2021年3月期は減収減益を余儀なくされたが、2022年3月期には回復し、過去最高の業績を上げた。2023年3月期は、DXやクラウドサービスの利活用等の投資需要を取込み、大幅な増収増益により過去最高を更新した。連結売上高は前期比20.7%増の11,578百万円、営業利益が同40.2%増の1,222百万円、経常利益が同40.8%増の1,238百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.1%増の772百万円となった。計画比では、売上高が1.1%増、営業利益が10.1%増、経常利益で10.6%増、親会社株主に帰属する当期純利益が11.9%増であった。前期に続き、当期も期首に買収した企業が連結決算に加わり、連結子会社は2社になった。M&A関連費用及びのれん償却額の増加を消化して、大幅な増益を実現した。
情報サービスはDXやクラウドファーストの動きが活発で、同社はそこに経営資源をフォーカスして成長機会を獲得した。また「標的型攻撃」に代表されるサイバー攻撃への防衛策などの情報セキュリティ対策の重要性も一層高まった。中期経営計画「VISION2023」の実現に向け、重点施策となるM&Aの推進、業務提携先との連携強化、DXビジネス推進、直ユーザ取引の拡大、得意分野の更なる強化などへの取り組みが大幅増収につながった。選択と集中により高収益プロジェクトへシフトすることで、売上総利益率は前期比2.6ポイント増の21.6%へ高まった。販管費の伸び率が増収率を上回ったものの、売上高営業利益率は同1.5ポイント増の10.6%と念願の10%超を実現した。
営業利益は、前期比350百万円増加した。増益要因は、売上増加による売上総利益の増加(284百万円)、原価率改善に伴う売上総利益の増加(255百万円)、子会社化したテクニゲートの営業利益(69百万円)であった。減益要因は、のれん償却額を含むM&A関連費用(-142百万円)、販管費の増加(-78百万円)、50周年記念関連(-27百万円)、関西事務所移転(-11百万円)であった。のれん償却額は、2022年3月期が28百万円(インフリー分)、2023年3月期は71百万円(インフリーとテクニゲート分)であった。残りののれん償却期間は、インフリーが5年間、テクニゲートが6年間となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
《YI》
提供:フィスコ