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3694 オプティム

東証P
723円
前日比
-3
-0.41%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
5.20 2.76
時価総額 399億円
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オプティム Research Memo(5):各業界向けAI・IoTサービスで実績(2)


■事業概要

2. 事業領域
(1) モバイルマネジメントサービス「Optimal Biz」
「Optimal Biz」は、2009年に提供が開始されたオプティム<3694>を代表するサービスである。MDMツールに分類され、企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン・IT機器といったモバイル端末の管理やセキュリティ対策を、ブラウザ上から簡単に実現することができる。KDDIやNTT東日本、富士フイルムホールディングス<4901>、パナソニックホールディングス<6752>、リコー<7752>、大塚商会<4768>などの多数の販売パートナーを通じての提供や、OEM提供による販売パートナーのサービスとして提供されており、同社は端末数に応じたライセンス料(1端末エンドユーザー標準価格は300円/月)を受領する。国内MDM市場は年率10%以上の安定成長をしており、同社はその市場で12年連続シェア1位※1を獲得、導入実績は18万社以上※2に達し、デファクトスタンダードの地位を確立している。また、平均解約率がサブスクリプションサービスの業界平均を大きく下回る約0.5%であることからも、顧客満足度の高さが窺える。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)以降は、テレワークの導入が業種や規模を問わず拡がっており、業務に利用するPCやスマートフォンの管理、セキュリティ対策のニーズの高まりに伴い、ライセンス数が堅調に拡大している。「Optimal Biz」周辺領域では、「OPTiM Contract」「OPTiM ID+」「OPTiM Asset」などの新たなサービスがあり、連携して活用することで利便性が向上する。

※1 デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望2022年度版」MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)、他複数の調査レポート。
※2 2019年6月25日時点での同社集計による。


(2) X-Techサービス
同社は、プラットフォーマーのためのプラットフォームである「OPTiM Cloud IoT OS」を活用し、各産業とIT(AI・IoTなど)を組み合わせる「○○×IT」によりすべての産業を第4次産業革命型産業へと再発明していく。この取り組みは、実証実験から始まり、特定の顧客企業向けや業界向けの正式な事業やサービスとして育ってきた。先行する業界は、「デジタルコンストラクション」「アグリテック」「デジタルヘルス」であり、既に事業として立ち上がっているものが多数ある。

a) デジタルコンストラクション
建設分野は最もAI・IoT活用が進んだ分野の1つである。コマツが主導する合弁会社である株式会社EARTHBRAINの建設・土木におけるプラットフォーム「LANDLOG」に対して「OPTiM Cloud IoT OS」を提供し、安全で生産性の高い未来の現場の実現を目指す。建設生産プロセス全体のあらゆる「モノ」のデータを収集(ショベルカー、ダンプカー、ドローンなどの管理・解析が可能)し、適切な権限管理のもとに様々なプロバイダーが、そのデータを建築現場を支える多くのユーザーに提供する。また、2020年には、建設DXとICT(情報通信技術)施工を推進する「(株)ランドログマーケティング」を設立し、スマートコンストラクション・レトロフィットキット※の販売や、建設向けDXソリューションのマーケティングを行っている。

※今使用している使い慣れた油圧ショベルに、最新のデジタル機器を“後付け”することで、ICTによる高機能化を実現する。


業界注目のアプリケーションとしては「OPTiM Geo Scan」がある。LiDARセンサー付きスマホやタブレットで土構造物等の測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できる。ドローンやレーザースキャナなどの利用が難しい小規模現場でも優位性を発揮し、従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大6割削減することができる。また、測量には専門知識は不要で、一人で手軽に測量を行うことが可能であるため、人手不足や技術者不足解消にも役立つ。世界に先駆けて開発し、2021年の販売開始以来、様々なオプションや周辺機器を開発しており、利便性はさらに向上している。

b) アグリテック
農業の分野においては、世界初の「ピンポイント農薬散布テクノロジー」をはじめとしたAI・IoT・Roboticsの技術・プラットフォーム(農業DXサービス)を総合的に整備し、農業の省力化と高収益化を支援している。同社が開発したサービスには、ピンポイント農薬散布以外にも、ドローンを使った「播種テクノロジー」、圃場をAIやIoT機器より取得したデータを用いて解析するサービス「Agri Field Manager」、グライダー型ドローンを使った「広域圃場管理システム」などがあり、いずれも最先端のスマート農業を支える技術となっている。また、これまで培ってきた生育予測技術や病害虫発生予察技術とドローン防除の知見を組み合わせ、最小限の農薬で最大の防除効果の実現を目指す「ピンポイントタイム散布」サービスも開始。生産者のコスト低減や消費者の安心安全な食生活に貢献すると同時に、環境負荷も軽減する取り組みを積極的に進めている。

同社では、スマート農業を普及させ、“楽しく、かっこよく、稼げる農業”を実現するために、ビジネスモデル面でも革新的な取り組みを行ってきた。その1つが“スマートアグリフード”である。同社は生産者に対して最新のテクノロジーを無償提供し、付加価値の高い農作物を生産してもらう。それらを同社が全量買い取り、ブランドをつけて販売し、生産者とレベニューシェアをする。米については、「スマート米2023」(2022年度新米、7県10品種)として、自社オンラインストア「スマートアグリフード(愛称:スマ直)」や「Amazon」「楽天市場」などでインターネット販売されている。

c) デジタルヘルス
同社は、医療分野においてもIoT・AIを組み合わせ、医療が抱える様々な課題の解決に取り組んでいる。一例を挙げると、2016年には、日本初となるスマートフォン、タブレットを用いた遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表し、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2016」でグランプリを受賞した。2020年には、オンライン診療システムを手軽かつスピーディーに開発することができる「オンライン診療プラットフォーム」のOEM提供を開始している。さらに同年には、メディカロイドが開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」の運用支援、安全・効率的な手術室の活用支援及び手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークサポートシステムのプラットフォーム「MINS(マインズ:Medicaroid Intelligent Network System)」の共同開発を行った。「MINS」は、「hinotoriTM サージカルロボットシステム」に搭載された各種センサー情報や内視鏡映像、手術室全体の映像等の情報をリアルタイムで収集・解析・提供するオープンプラットフォームであり、同社の「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに開発されている。「hinotoriTM サージカルロボットシステム」及び「MINS」は既に複数の病院で導入が進んでおり、神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター、武蔵野徳洲会病院などで前立腺がん全摘除術に利用されている。

d) マーケティングDX
2020年にM&Aした子会社ユラスコアのCRMツールをベースに発展する分野である。コロナ以降、顧客接点のデジタル化が加速している。同社では、企業や団体が顧客接点をデジタル化し、マーケティング施策を最適化・効率化する為のクラウドサービス、スマートフォンアプリの提供を行っている。事例としては、飲食業における来店時の注文や来店時以外の販促活動、地方自治体における住民へのコミュニケーション、大型スタジアムにおける利用者ツールなどがある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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